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2012年11月 8日 (木)

脳波測定で嘘を見破るために使った方法。日テレ「見破れ!!トリックハンター3」に出演して。

9月17日午後7時から日テレでオンエアされた「見破れ!!トリックハンター3」に、脳波測定で嘘を見破る“トリックハンター”として出演した。

もう先々月のこととなったが、この間に、大学や企業、そして個人の方から沢山の問い合わせを頂き、色んな出会いがあった。今、脳波関連の様々なプロジェクトが進んでいる。

それらは追々ご紹介するとして、今日は、番組出演の様子を振り返っておきたいと思う。

アシスタントディレクターからお電話を頂いたのが8月23日である。30日にはディレクターと一緒に二人でご来訪くださり、翌月10日には私が日テレ本社の総合演出を訪ね、翌11日が麹町のスタジオでの収録となった。そして、オンエアが同月17日(月・敬老の日)である。

トリックハンターとしての私の役割は、際どい質問に答えるタレントさんの脳波を測って、その答えが“本心”か“嘘”かを判定するというものだ。

脳波で嘘を見破る方法は、3年前に本ブログに投稿した「もう隠せない。嘘つきは脳波に表れる?」の通りである。

この記事の最後に、「残念ながら弊社で販売している脳波測定器では、P300などの事象関連電位を検出することはできない。あくまでも、自発性脳波を検出するためのシステムであることをご承知置き頂きたい。」と付け加えたが、現在は脳波の生(RAW)データを出力する機能を備えているので、P300を捉えることも可能となっている。

しかし、番組収録中に脳波の生データを加算平均してP300を抽出することは、進行上適さないとの判断に至った。

収録日前日の打ち合わせを終えて帰宅してからも、台本で収録の流れをイメージしながら考えた。番組内容に最も適した判定方法は何かと・・・

閃いたのは、とうとう寝床に入ってからだった。「脳波だけにこだわらず、無意識に現れる被験者の【“反射/反応”運動】も取り入れて“本心”か“嘘”かを判定しよう!」と。よし、これならいける。ワクワクしながら眠りに落ちた。

収録当日は11時30分にスタジオ入りして、脳波解析システムと収録機材との接続を確認。午後一からリハーサルが始まり、タレントさん達のダミー(代役)が本番さながらにアクション/リアクションを繰り広げながら確認作業が進んでいく。

そして、私の番。

フロアディレクター(たぶん)から「先生は、紹介されてこの幕が開いたら一歩前に出て『よろしくお願いします』と言ってから入ってください。そこで一旦止めます。」と説明を受けた。

それではスタート。

私を紹介するセリフの後に幕が開き、凄い拍手がスタジオ中に響いている(ように感じた)。これでは自分の声が掻き消されてしまう(ピンマイクを付けているから、そんな心配は不要なのだが)と、思わず目一杯の大声を張り上げた。いきなり不意に大声を出したものだから、その後しばらく頭の中が“ガンガン”していた。

いよいよ脳波測定である・・・。被験者役のスタッフに脳波センサーを装着して準備OK。

フロアディレクターが“質問”を始めようとしたところで私が割り込んだ。

「キャリブレーションを取りたいので、最初に私の方から一つ質問をさせてください」と。

誰にも相談していなかったので、一か八かの提案だった。

「キャリブレーションって何?・・・」。調整室からの総合演出(?)の声がスタジオのスピーカーから発せられた。

「基準値を取ることです・・・」。透かさず、スタジオカメラの近くにいたスタッフが私の代わりに答えてくれた。

「ちょっとやってみて・・・」と、総合演出。

被験者役スタッフに私が質問した。

「今はいている下着、パンツの色は何色ですか?」

どっと、うけた。

被験者役スタッフが色を答えた。

この間私は、被験者役スタッフの【“反射/反応”運動】を注視し、そして、PCモニターに表れている折れ線グラフを確認した。折れ線グラフは、額部の脳波(某周波数)と筋電(某電位)を合成したものである。

その後、進行役のフロアディレクターが(なかなか厳しい)質問をし、被験者役スタッフがそれに答え、私が“本心”か“嘘”かを判定。質問を変えながら、4,5回繰り返しただろうか。

「よし、台本を変えよう」

キャリブレーションすることの許可が、総合演出から出た。

いつも感じることだが、テレビ番組で脳波を測定することは大変貴重である。何が貴重なのかというと、測定データだ。同じことを日頃の研究でやろうと思ってもできない。それは、被験者、そして私を含めた場のテンションが全く違うからだ。

面白いデータが取れそうだ。

最後に、インサート用に脳波測定器の撮影をして、私のリハーサルは終わった。

本番まで時間があるからと、楽屋を用意してくださった。Trickhunter1

年に数回しかないテレビ出演だから、未だに緊張する。

頂いた弁当を食べながら、メンタルリハーサルを繰り返した。

本番の収録は17時30分から始まった。場に慣れたいのと、ミーハーな気分もあって最初から見学した。Title

MCは、ウッチャンとベッキー。ウッチャンは、生年月日が私と全く同じだった。同じ年頃なのは知っていたが、全く同じだということは、出演者情報をネットで事前にリサーチしている時に初めて知った。

予定より1時間以上押して、私が登場するコーナーが始まった。

「ウソは、人間が作り出す最大のトリックって言いますよね。そんな心のウソを見破るトリックハンターを、わたくし見つけて参りました」と、ビビる大木さんが私を紹介してくれて幕が開いた。Trickhunterwadachihiro

あれっ、拍手がパラパラだ・・・本番の方がテンション低いのか? と感じた。

ウッチャンが私を見て突っ込みを入れている。一歩前に出て一礼、「よろしくお願いしまーす」と言ったところでカット。・・・オンエアではバッサリと切られていた。

今考えれば、トリックハンターっぽく渋い登場ではなかった、と思う。

判定に用いた脳波測定器はBrainPro-light「FM-828」
Fm828
                            

そして、脳波解析PCソフト「pullax-light」である。

Pullax2

「信頼度99%(和田先生の発言による)」となっている。事前打合せで確かにそれを認めた。だから責任は私が取らなければならない。

この画面の後ろに表示されている折れ線グラフが、右額部(Fp2)の脳波(某周波数)と筋電(某電位)からチューニングしたもので、動揺度を表す。

ポリグラフ(血圧や脈拍、呼吸、心電図などの生体反応を計測する装置)を被験者に繋いで、全ての質問に対して「いいえ」と答えさせ、その時の反応(嘘を隠そうとする動揺)を見る方法はよく知られていると思う。

今回の手法は、質問に対する答えを自由にさせ、その時の動揺振りを見る。

判定精度を高めるために、脳波と筋電の動揺度折れ線グラフの他に、【“反射/反応”運動】を加味して判定するわけだ。

一人目の被験者はカンニング竹山さんだ。当初はスギちゃんの予定だったが、収録の10日前に負傷入院してしまい、急遽、スギちゃんと同じ事務所の竹山さんがピンチヒッターとなった。

判定精度の検証が目的という設定だったので、オンエアされた竹山さんへの質問は一つだけだったが、実際には幾つかの質問が投げ掛けられた。Kanningutakeyama

まず私の方から、「今はいている下着、パンツの色は何色ですか?」と質問し、カンニング竹山さんのキャリブレーションを取った。

その後は、髭男爵のひぐちくんからの依頼という設定で、ビビる大木さんが質問を投げ掛けていった。

この反応が非常に面白かった。

答えを発する前と発するとき、そして発した後の動揺が面白いように表れる。なんと答えるかを決めたとき、肚を括ったか括れてないかが如実に表れるのだ。

この動揺度グラフに、【“反射/反応”運動】を加味して“本心”か“嘘”を判定する。

動揺度グラフをTV画面にも出して欲しかった。2年前に読売テレビでオンエアされたブラックマヨネーズの「セクシー我慢対決」の動画を事前にお見せしたのだが、今回は出さないと判断された。残念! あの面白さを私一人が独占してしまった。

カンニング竹山さんの激怒キャラと機転も素晴らしかった。

そして、いよいよ花田親子。

私の方から、キャリブレーションを取るための質問を藤田紀子さんに投げ掛けた。

「小学生の頃に通っていた学校の、チャイムの音はどんな感じでしたか?」

「えー、分からないわー」と紀子さん。

「はい、結構です」と私。

キャリブレーションはそれだけで十分である。

その後は、“若手タレントとの恋愛騒動”にまつわる質問が容赦なく浴びせられていった。その様子はオンエアの通りである。Fujitanoriko

2年前に本ブログに投稿した「マッチポンプで切り拓く?」
と今も同じ思いだ。脳波というものに関心を持ってくれた人達をしっかりとフォローしていきたい。

脳波が利用される分野は様々であるが、それぞれの分野がマスコミでもよく取り上げられる。

医療分野では、脳死判定や病気の診断のために脳波を用いる。

人の機能拡大や回復を目的とするマン・マシン・インターフェース(man machine interface)の分野では、人の意思を汲み取るために脳波を用いる。

エンターテインメントの分野では、ここ数年、脳波によって耳や尻尾が動くおもちゃやコンピューターゲームが登場している。20年ほど前に、私はおもちゃメーカーと共に脳波でレーン上を過減速するレーシングカーを企画したこともある。

自己統制の能力開発を目的としたBF(bio feedback)訓練の分野でも脳波は用いられる。弊社(セルシネ・エイム研究所)では、サポーティング・バイオフィードバック法(様々な分野の達人が実践しているメソッドのエッセンス[本質]を自己統制法の中心にして、脳波バイオフィードバック法をその補助輪のように使う方法)を構築するために、ヨーガや武道など様々な分野の達人達の脳波収集を行っている。

以上の他にも、商品や広告の効果を検証したり、人の知覚や感情あるいは思考を推察しようと試みる分野も活況で、脳波測定器のレンタル脳波測定サービスのご用命を頂く。

そんな中で、今回のオファーだったのである。感謝。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/

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