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2017年3月 9日 (木)

熟睡は健康の元、健康は熟睡の元・・・。NHK「ガッテン!」~最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎~に、脳波測定器を提供。

NHKの「ためしてガッテン!」が昨春「ガッテン!」にリニューアルしてから初めてのオファーを頂いた。この回は、熟睡することで血糖値が下がり、糖尿病の改善や予防に繋がることを紹介するものだった。

ディレクターからの相談は、「スタジオに脳波測定器を用意し、ゲストタレントにデルタ波を出すチャレンジをしてもらいたい」とのことだった。

デルタ(δ)波とは、熟睡しているときに強く出る脳波だ。いわゆる“ノンレム睡眠”である。よって、スタジオ収録中にタレントが頑張って出そうとしても生理機能的に無理であり、それを後で種明かしするのが楽しいというわけである。

しかし、そもそもこのアイデア自体にも無理がある。なぜなら、デルタ波の周波数帯域には、額や瞼などの筋肉が動いたときに生じる電位がノイズとなって脳波を埋もれさせてしまうからだ。

ディレクターもこのことは承知の上で、それを何とか可能にできないかとの相談だったのである。

下の分布グラフは、私自身の入眠直前の脳波を測定したものである。横軸が周波数で3Hz~30Hzを0.5Hz刻みで表示している。デルタ波は4Hz未満であるから、グラフでは最左端の2目盛り程である。3Hz未満のデルタ波は表示されないから、スローデルタ波までは分からない。縦軸は経過時間で、上から下へ時間が流れている。

この分布グラフへのリンクも含めて、詳しい終夜睡眠脳波の解説は、以下の弊社ウェブサイト「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」に掲載している。

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脳波センサーを装着して測定準備を整え、測定を開始してからベッドに入った。一目で分かるように、開始から1分10秒辺りまでは、特に低い周波数帯域で強い脳波が出ているかのように見える。これがノイズである。

目を閉じるとノイズは消え、脳波か浮き彫りとなる。目を閉じて安静にしているので、アルファ(α)波が優勢となり、それが続く。すなわち“αモード”である。

αモードが数十秒から20分程度続いた後、アルファ波は消え(たように弱くなり)、シータ波やデルタ波が強く出るようになる。なかなかアルファ波が弱くならなかったり、逆にベータ(β)波が強く出たなら、それは「入眠失敗」なのである。

弊社ウェブサイトに掲載している色々な情報を案内しながら、目的実現のための方法について会話した。最後にディレクターから、実際に測定してみたいとのリクエストを頂いた。先約があったので、それが済む20時以降に弊社を出てNHKに向かうということでも宜しければ可能と伝え約束した。

渋谷のNHKに到着したのは21時半ちょっと前になった。小さな会議室に案内され、そこで幾度となく短い測定を繰り返した。さすがNHKのディレクターだ、アルファ波が強く出る。そして、目を開けてもデルタ波帯域のノイズが出ないように自己コントロールされた。しかし、初めて体験するタレントゲストに挑戦してもらうには無理があることに変わりはない。

明後日にスタジオ収録を控え、明日のミーティングで検討したいとのことだったので、脳波測定器一式を預けて帰宅した。明後日の本番前のリハーサルは11時30分開始とのことなので、私は11時入り予定となった。

そして翌日、ディレクターから「検討した結果、スタジオでの脳波測定器利用はなくなった」と電話があった。残念だが仕方ない、妥当な結論だと私も思った。明日の11時にNHKを訪問し、脳波測定器を引き上げる約束をして電話を切った。

そして翌日の朝、ディレクターから電話が掛かった。こんな方法はできないか・・・、あんな方法はできないか・・・、と。まだディレクターは諦めていなかったのだ。そのリクエストに応えられる別の脳波測定器を急遽用意し、NHKに参上した。

11時半ちょっと過ぎにリハーサルは始まった。私は、2種類の脳波測定器を用意し、スタジオの後ろでスタンバイした。しかし、脳波測定器は使われないままリハーサルは終了した。

スタジオを一旦引き上げる小野文惠アナウンサーが遠くの私に気づいて会釈してくれたので、私も会釈を返して見送った。と思ったら、くるりと方向転換して私の方へゆっくりと歩いてきた。私は椅子から立ち上がり、今度は深々とお辞儀した。

小野アナは、話しが二転三転したことを気遣う言葉を掛けて下さった。私の方はスタジオ見学というワクワク感を味わっていたので、「とんでもありません。全然大丈夫です」と答えた。

昼休みを挟んで、本番の収録が始まった。ゲストタレントと観客が加わり、いつもの放送のように展開された。そして、提供した脳波測定器は・・・。実際の測定はされなかったものの、小道具として充分すぎるほど使ってもらった。立川志の輔師匠のボケアクションに少し涙が滲むぐらい大いに笑い、一通りの収録は終わった。

志の輔師匠とゲストタレント、そして観客が去った後も、小野アナとディレクターを含む数人のスタッフがブラッシュアップのためのミーティングをしていた。その輪に声を掛け、私はスタジオを後にした。

スタジオ収録から丁度4週間後の2月22日(水)に、この番組は放送された。いつものように、何枚かのOA画像を「テレビ番組協力実績紹介」ページにも掲載させてい頂いた。

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一頻りデルタパワーなるものの効用が紹介された後、さて、そのデルタとは何か?という話題に展開した。

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これがそのデルタを測ることができる機械である、と登場! しかしまだ、デルタの正体は明かされていない。

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脳波測定器BrainPro「FM-919」脳波解析PCアプリ「パルラックス・プロ」である。
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小野アナからヒントが出されるも、志の輔師匠は珍紛漢紛の図。
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何とか装着できたが、ちょっと変という感じ・・・。収録中に、スタジオ後ろで大笑いしたシーンだ。
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カットされずに放送された。感謝!
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そう、デルタとは脳波である。
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番組でこれまでに紹介された脳波が提示された。
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これは、紹介された順番に上から表示しているのだろうか? 周波数の高い順番に並べるならば、ベータ波、アルファ波、シータ波、デルタ波が正しい。

各波の特徴も記載されているが、これは私の見解とは少し違う。私の見解はこのブログでも度々述べてきた。例えば、「NHK Eテレ『Rの法則』で、テスト勉強に集中する方法の効果を脳波測定で検証。」の通りだ。
最後に、早く&ぐっすり眠る方法として、“筋弛緩法”がスタジオで実演された。
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良質な睡眠は、快適人生に不可欠だ!

残念だったのは、番組が推奨する「熟睡を得るための方法」としてメインで紹介されたのが睡眠薬の服用で、その解説に問題があるとして厚生労働省から注意を受け、睡眠や薬理の学会から異議が申し立てられたことだ。
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放送から2日後にはHPで訂正され、再放送は別の回に差し替えられ、翌週の本放送では冒頭の3分間で「お詫びと訂正」が流された。
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自分がかかわった番組がこのような事態になったことは悲しかったが、この素早い対応は良かったと思う。内容も的確だった。

現在52歳の私が10代の頃に視聴したNHKの科学情報番組「ウルトラアイ」は、脳波の面白さを教えてくれた。脳波とはどういう反応をするものかをレクチャーする際に、今でもこの番組で得たネタを私は使っている。

「ウルトラアイ」のDNAを引き継いでいるのが「ガッテン!」だ。責任と覚悟、そして誇りを持って今後も楽しく色んなことを教えて欲しいと思った。

感謝。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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