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2019年7月 4日 (木)

能力開発トレーナーとして恥じ入った・・・、SHELLYさんの凄い能力。テレビ朝日の「ハナタカ!優越館」からオファーを頂いて。

「・・・『あかいきつね』と言いながら『みどりのたぬき』とスマホに打ち込むことは難しい。また、その理由をコメントして頂けませんか?」

テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」スタッフからのメールだった。

難しいもなにも、そんなこと出来ないだろう・・・、と思った。

私はスマホの入力には時間が掛かるが、PCのキーボードならタッチタイピングが出来る。入力中の文節後半で、他に意識を向けながらでも問題なく入力できる。

PCで試してみた。

『あかいきつね』と言いながらキーボードに「みど;■`@!$”・・・」無理だ。

二十数年前に私が指導していた能力開発セミナーで、以下のようなデュアルタスクの課題を余興でやっていたことがある。

課題1.左腕を上下させながら、同じテンポで右腕は三角を描く。

両腕を上げた状態から始めれば、カウント6で再び両腕が上で揃うはずだ。

課題2.左手はパー(全指を伸ばした状態)、右手は親指だけ折った状態から、両手一緒に指を折りながら10まで数える。

カウント10で、最初の状態になるはずだ。

初めての人は出来なくても、少し練習すると誰でも出来るようになる。プチ能力開発の達成感が味わえるのだ。

しかし、今回ご相談頂いた課題は・・・

そういうことは出来ない、という理由を用意して撮影に臨んだ。

撮影クルーを弊社に迎え、撮影の準備が進んでいた時の会話に驚いた。

ディレクター曰く、「SHELLYさんだけ出来たんですよねー。2回やっても・・・」

しぇ、SHELLYさん凄ーい・・・。ビックリした。本当に驚いた。

いつもなら、例えば脳波測定の結果を私が解説するVTRがスタジオで流されて、タレントの皆さんがそれを見るというステップだ。

ところが今回は、既に結果が出ていて、それの事後解説という訳だ。だから、私が解説しているシーンに、それをスタジオで見るワイプのタレントさんはいない。

6月13日に放送された番組の画像をお借りして振り返る。

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「これが一発で出来るということは、脳の中の情報処理をするスペースが広くて、複数の作業を同時並行する能力に優れていると思います」

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「赤いきつね」と言いながら「みどりのたぬき」と入力できるか。ペルセペスさんからのハナタカ投稿だ。

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前振りの後、スタジオの皆さんが挑戦していくがことごとく失敗。

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途中、ボケとツッコミがありながら・・・

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そんな中、SHELLYさんだけが出来た!

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「この場合、喋ることと文字を打つという別のことを、どちらも1つの脳から指示を出そうとしています」

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「脳の作業記憶は、2つ以上の処理を同時におこなうことは苦手なんですが、中には信号をうまく切り替えて、高速で複数の処理を出来る人もいます」

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「SHELLYさんのような複数の言語を処理できるような方は、そういう能力が発達したのではないかと考えられます」

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「何歳になってからでも脳の処理能力は鍛えることが出来るので、ぜひ日常的にやってみて欲しいです」

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脳の働きは何歳になってからでも、(粘土を練り直すように)再構築することが出来る。この性質を“脳の可塑性”という。

それにしても、SHELLYさんの能力には驚いた。

この実験結果を聞いたとき、すぐに「SHELLYさんがバイリンガルだからか」と思い当たった。

もしかすると3カ国語以上話せるマルチリンガルかもしれないので、ディレクターと相談して、「複数の言語を処理できる」という表現にした。

私は昨今の“早期英語学習熱”には首をかしげる一人だが、SHELLYさんの脳内で“能力の波及効果”が生じていることは確かである。すなわち、ある能力が活性化すると、関連する周辺の能力も引っ張られるように顕在化する現象だ。

ある能力が活性化すると、その働きを担う脳の領野が実際に広くなる。広くなった領野で余裕を持って関連能力を発揮できるのだ。

キーワードは、「デュアル(マルチ)タスク」と「ワーキングメモリー」である。

ワーキングメモリーについては、セルシネのYouTubeチャンネルに掲載した動画「情報循環モデルの中の理性的自我の役割を知る」でも触れているので参考まで。

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SHELLYさんの脳を覗いてみたくなった。

SHELLYさんのことはテレビでお見かけするぐらいしか知らないので、本当はもっと別の理由もあるかもしれない。

それにしても、このお話を頂いたときに「そんなことは出来ないだろう」と性急に思い込んでしまった自分が恥ずかしい。能力開発トレーナー失格である。

改めて能力開発の大きな可能性に気づかせてくれた番組とSHELLYさんに感謝。

セルシネの「テレビ番組協力実績」紹介ページ


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
https://selsyne.com/aim/

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2019年6月29日 (土)

NHKBSプレミアム「偉人たちの健康診断」からのオファーで、新選組・土方歳三も実践した秘伝の呼吸法を脳波測定で検証。

NHKBSプレミアム「偉人たちの健康診断」~新選組・土方歳三“お掃除男子”美肌の秘密~で、私が脳波測定で協力したシーンが放送されたので振り返りたいと思う。

OA画像を、いつものように弊社「テレビ番組協力実績」紹介ページにも掲載させて頂いた。

番組から脳波測定のオファーを頂いた目的は、土方歳三が入門した日野宿本陣 天然理心流道場に伝わる秘伝の呼吸法を検証することだった。

ロケは4月20日(土)に日野市東部会館の大ホールで行われた。

ロケ現場近くに歳三の生家「土方歳三資料館」があることを知り寄ってみたが、残念ながら当日は閉館していた。

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5月30日に放送された内容から、歳三の人となりをピックアップしてみよう。

1835(天保6)年、現在の東京・日野市に生誕。農民の出で、「新選組の鬼の副長」と呼ばれた。享年35歳。

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本郷和人氏(東京大学史料編纂所 教授)曰く、「京都を舞台に一所懸命治安維持に務めた。だけど、時勢が見方をしてくれなかった。幕府が滅んでいくとき、幕府に準じて最後まで戦った、武士の中の武士という感じがするわけですが、実は彼は農民の子なんです」

日野宿本陣天然理心流道場に入門した歳三は、通常7年掛かると言われる天然理心流中極位目録を1年7ヶ月で修得したそうだ。

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番組は、新選組隊士 井上源三郎の子孫である井上雅雄氏が会長を務める天然理心流日野道場を取材し、歳三が美肌であった理由を探った。

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これが柔術を取り入れた天然理心流の極めて特徴的な技で、体幹と下半身の筋肉が鍛えられるのだそうだ。

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歳三は通常の4倍以上のスピードで天然理心流中極位目録を修得したのだから、勝れた筋力を体幹と下半身に有していたであろう、そしてこのことが美肌の理由である可能性だと番組は展開した。

錦織秀氏(ポーラ化成工業 研究員)によると、日本人女性100人を調査した結果、体幹と下半身の筋肉量(80%の筋肉がある)が多い人ほど、顔のシミが少ないという相関関係があったとのこと。

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同氏によると、筋肉で生成されるマイオネクチン(myonectin)というホルモンが、シミの原因であるメラニン色素の生成を抑える働きがあるのだそうだ。(2018年にポーラ化成工業フロンティアリサーチセンターが発表)

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さらに、美肌を保つ天然理心流秘伝の呼吸法が紹介された。今回初めてテレビで紹介されるという指南書「剣法名談録」である。

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その呼吸法(意気込みの術)とは次の通りである。

「両ひざを開き、腰を上げ、ヘソを上に向け、腹にゆっくり空気をためて、肛門を引きしめ、少しずつ息を出し入れする」

前出の井上氏によると、「この呼吸法を取り入れると、無になって、感情を抑えて、実力を出すことができる」のだそうだ。

 

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貝谷久宣氏(京都府立医科大学 客員教授)によると、「呼吸をゆっくりすることによって怒りとか激しい陰性感情が抑えられる」とのこと。

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そして、私が脳波測定した様子が紹介された。

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解析の結果、秘伝の呼吸法前後で一貫してミッドα波(α2)が優勢で、θ波の出現量は前に比べて後が増したことが分かった。

ミッドα波が一貫して優勢であることは「落ち着いた意識集中」状態であると言える。また、θ波が増えたことは、ヨーガの行者や禅僧が空観を得たような心的状態で、いわゆる「覚醒θ波」である。

全周波的に電位は然程高くなかったので、この脳波バランスで電位が増してくると達人級となるだろう。

番組が紹介した脳波グラフがこれだ。綺麗なグラフだ。が、しかし、間髪入れずに私の頭の中で「?」が2つ駆け巡った。弊社「セルシネ・エイム研究所」のクレジットが標記されているのだが・・・

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本稿では別の視点から脳波解析の結果を有りの儘に紹介しておきたいと思う。

秘伝の呼吸法を実施した前後の左脳(Fp1)と右脳(Fp2)の脳波を測定し、β波とθ波をピックアップして平均電位、分布率、優勢率の変化量を示したものである。

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全てにおいて、β波が減り(マイナスになり)、θ波が増えている。分布率と優勢率の変化量は「ポイント」である。

β波は「せかせか感」の指標である。

程なく脳波のコーナーは終わり、番組は呼吸法の更なる効用「感情を抑えることが美肌につながる」との紹介へ進んだ。

番組では「感情を抑える」という表現を使っているが、β波が減りθ波が増えた脳は、感情を抑えていると言うよりも「感情を解き放った末に沈静化した聡明感」と言った方がふさわしい。

番組ナレーションで「感情が荒ぶり怒ることで体内にはコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。このコルチゾールが過剰に分泌されることで、肌の水分を保持するセラミドを分解してしまう可能性があることが分かってきました。ゆっくりと息を吸って深呼吸し、怒りを抑えることが潤いのある美肌を保つために重要なのです」と。

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続いて、日比野佐和子医師(2年前に読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」~アンチエイジング第2弾「脳活」 カラオケで脳は若返る!?~で私が脳波測定した際にスタジオで解説された先生)による美肌解説と効果的軽運動/食事が提案された。

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さらに、歳三ならではの空間把握能力が紹介され、スタジオでタレントさん達が空間把握課題に挑戦した。

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そして、同志近藤勇が新政府側に斬首されたのを機に絶望し、そのグリーフ(死別などによる深い悲しみ。悲嘆。苦悩。嘆きのストレス反応。立ち直るのに数年かかる場合もある)状態から立ち直って再び戦う気力が戻ってきた理由が考察された。

番組スタッフは、歳三がグリーフで引きこもっていた会津東山温泉へ向かった。そして、心の傷をすみやかに癒やした原因は、“流れる温泉”にあるのではないかとした。

効果1.~流れの振動が血流量を上昇させる~
流れる浴槽と流れない浴槽で、血流量がこれだけ違う。

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そのため、血液に含まれる鉄分が十分に脳に行き渡り、鉄分を材料に生み出される神経伝達物質セロトニン(抗うつ・抗不安効果をもたらす)が増える。

セロトニンの効果として、論文「うつ・不安にかかわる脳内神経活動と運動による抗うつ・抗不安効果」北一郎 大塚友実 西島壮(2010年)が紹介された。

効果2.~せせらぎの音がリラックスさせる~
聴覚では聞こえない2万ヘルツ以上の超音波振動にリラックス効果がある。

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超高周波数音の効果として、論文「自然環境の発する音(超高周波数音)が人に与える影響」環境科学研究所(石田光男 齋藤順子 永井正則 山田博之)・工業技術センター(岩間貴司)(2010年)が紹介された。

面白かったのは、超音波が届く距離の測定だった。

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せせらぎ音の発生源から数メートル離れるだけで、リラックス効果がある超高周波成分はガクンと減るそうだ。だから、出来るだけ川の近くにいた方が良い。

これを解説されたのは、日本音響研究所の二代目所長 鈴木創氏だ。

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鈴木氏ともテレビ番組の別々のVTRでたまに共演する。今でも人気なのが、ブログ「CDとレコードを聴いたときの脳波。違いはあるのか? 日テレ『所さんの目がテン!』からのオファーで分かったこと。」で、多くの読者を集めている。

今回も沢山の示唆とご縁を頂いた。感謝。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2019年6月19日 (水)

情報循環モデルの中の理性的自我の役割を知る。

拙著「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」紹介ページに、動画「情報循環モデルの中の理性的自我の役割を知る」を掲載したので、本ブログには、その原稿と画像を記しておきたい。


こんにちは。セルシネ・エイム研究所の和田知浩です。

この動画では、「情報循環モデル」の中の「理性的自我」の役割についてお話しします。

前回は、「感性的自我」の働きを中心にお話ししました。

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「出来事」の情報が「感受」され、「表象」「生理」「認識」「感情」「言動」と展開しながら、「現状」を作っていくステップでした。

今回は、「理性的自我」です。

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「理性的自我」は、「感性的自我」の「感受」から「言動」までを、そして、「出来事」や「現状」をつぶさに巡察します。

その上で、「感性的自我」を的確に統御します。

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「理性的自我」のステップも、「感性的自我」と同じように6つあります。
 
「離れて」「観て」「感じて」「考えて」「決めて」「遣る」です。それでは、ステップ毎にざっくりとみていきましょう。

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まず、「離れる」は、何かを切っ掛けに自己改善が必要だと気づいたときです。

例えば、勉強や仕事、趣味などに集中維持が出来なくなった場合、或いは、前回の動画で紹介した、カウンセラーがカフェで噂話を聞いたときや、クライアントから久しぶりにセッションの予約が入ったとき、そして実際に面談したときの、それぞれ嫌な感覚を感じたときです。

こういった嫌な感覚に気づいたときには、既にもう一人の自分、すなわち「理性的自我」が「感性的自我」から離れ掛けています。人生が上手くいかない人の多くは、この中途半端な「離観」のままで、何かおかしい何かおかしいと、ぼんやり酔生夢死のように生きて、そして死んでいきます。

何かの歯車が狂って、自己改善が必要なときには、「理性的自我」が「感性的自我」からしっかりと離れなければいけません。

何かおかしいと気づいたときに離れる方法は、例えば、手首にはめた輪ゴムをパチンとやる、或いは、「離観!」と声に出して、両手で両ほほを叩くなど、様々な方法があります。

もちろん、痛覚を利用しない方法もあります。自分に合った遣り方を見つけてください。

しっかりと離れたら、次にやることは「観る」です。「感性的自我」の「感受」「表象」「生理」「認識」「感情」「言動」をつぶさに巡察する、これを「内観」と言います。そして、「出来事」や「現状」をつぶさに観察する、これを「外観」と言います。

自分の悪い、役に立たなくなった言動パターンが発動しているのを、同時に観察していることもできます。アンガーマネジメントの初動としても効果的です。

次は「感じる」です。「感性的自我」の様子をありのままにしっかりと豊かに感じて、情操を養います。

私達は、自己防衛反応によって、失体感症や失情感症に陥っている場合があります。自己防衛本能を変えようとする努力は不要ですが、自己防衛反応は、必要ならば積極的に変えていって良いものです。

ただし、「離れて」、「観て」、「感じて」という一連の巡察では、「感性的自我」や他人を、或いは「出来事」をジャッジすることは不要です。ただただ、ありのままを「観て」、そして「感じ」ます。

次は「考える」です。ここからはしっかりとジャッジを下していきます。ただし、柔軟性は保ったままです。

ともすれば、「再生的思考」にとどまって、何度も同じ失敗を繰り返しているかもしれません。「再生的思考」を止めて、「生産的思考」で閃きを得ます。

その際は、例えば、次のようなことをチェックします。

過剰に失敗を恐れていないか?

必要以上の完璧さを求めていないか?

どこかに無理が生じていないか?

役に立たない拘り(こだわり)や蟠り(わだかまり)がないか? などです。

この思考の前提として、次のような考え方も有益です。

「失敗したとしても、その後の対処次第で自身の真価を示すことが出来る」

「嫌いなことや失敗を避けようとする努力は、“努力逆転の法則”に陥りやすいが、好きなことや成功した結果のイメージを背景に、今此処に集中して努力すると“努力順転の法則”を生きることが出来る。この法則を体現するためにどうするか」 などです。

また、他者や環境との整合性を見極める“エコロジー・チェック”や、倫理や道徳に心を配る“エシカル・チェック”なども重要です。

次は「決める」です。決断して、結果を覚悟することと言ってもいいでしょう。

前のステップの「考え」の決着であると共に、次のステップの「遣る」の結果を先取りした決着でもあります。「考え」と「遣る」をしっかりと繋げて実現を約束することです。

本にも紹介した通り、私が会社勤めで中間管理職に就いていたときに実践していたアファーメーション、「私は責任を持って決断し実行します。」は、この、「考えて」「決めて」「遣る」、の一連を宣言していたわけです。

「私は責任を持って決断し実行しています。」と、現在進行形で宣言するのも良いでしょう。

そして最後は「遣る」です。「天使のように大胆に、悪魔のように繊細に」「感性的自我」を統御して現実化します。

「離れて」「観て」「感じて」「考えて」「決めて」まで、全てに接続助詞の「て」をつけている理由は、6ステップの一連を切れ目なく続けて行い、最後の「遣る」、で仕留めるということを示すためです。

うまくいかなかった事柄の後に、それを思い出しながら、6ステップを時間を掛けて行うことも出来ますが、うまくいっていない最中に、6ステップを行い改善することも出来ます。

ただし、最中に行うためには、ワーキングメモリーの活性化が欠かせません。

ワーキングメモリーとは単なる記憶ではなくて、この様な6ステップをリアルタイムに働かせる機能も含みます。

ワーキングメモリーを活性化させる「抗ストループ訓練」や、「速話聴取法」、そして、ワーキングメモリー能力を判定する様々な動画を、セルシネのYouTubeチャンネルに用意していますので、是非ご利用ください。

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前回の動画で解説した「感性的自我」が『水平の6ステップ』であり、今回の「理性的自我」が『垂直の6ステップ』です。

この情報循環モデルの自己統御法を「T型12ステップ法」と呼びます。

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何かが上手くいかないとき、例えば、目標達成や能力開発がなかなか進まないとき、或いは人間関係でつまずいたとき、そういったときに、自分のどこに注目して自己改善すれば良いのか、そして、自分の何を生かせば良いのか、そんな視点のお話しを、二本の動画に渡ってしてきました。

いかがでしょうか? 詳しい内容と遣り方は、この本、「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に書いていますので、参考にしてください。

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また、パーソナルサポートやセミナーのプログラムも用意しておりますので、是非ご利用ください。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2019年5月31日 (金)

動画「目標達成や人間関係がうまくいかない時の自己改善法を『情報循環モデル』の視点で考える」の原稿と画像。

拙著「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」紹介ページ
に、動画「目標達成や人間関係がうまくいかない時の自己改善法を『情報循環モデル』の視点で考える」を掲載したので、本ブログには、その原稿と画像を記しておきたい。


 こんにちは。セルシネ・エイム研究所の和田知浩です。

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 この動画では、何かが上手くいかないとき、例えば、目標達成や能力開発がなかなか進まないとき、或いは人間関係でつまずいたとき、そういったときに、自分のどこに注目して自己改善すれば良いのか、その視点をお話しします。

 こんなシチュエーションを想像してみてください。

 ここはカフェです。あるカウンセラーがカウンターに座って軽食を摂っていました。すると、そのカフェへ、3,4人の客が入ってきて、後ろの少し離れたボックス席に案内されたようです。
 カウンセラーが、その人達の会話を聞くとはなしに聞いていると、何やら自分のことを話しているようでした。

 「あのカウンセラー、どう?」
 「ダメ~! 私に合わないわ・・・」

そして一週間後、その人だと思っていたクライアントがカウンセラーの元に来て言いました。

 「また調子が悪くなって・・・」

 そのときカウンセラーは何を思い、どんな話しをするでしょうか? 表情は? 態度はどうでしょうか?

 さて、同じカウンセラーがこんな体験をしたらどうでしょう。

 カウンターに座って軽食を摂っていると、3,4人の客が入ってきて、後ろの少し離れたボックス席に案内されたようです。
 カウンセラーが、その人達の会話を聞くとはなしに聞いていると、何やら自分のことを話しているようでした。

 「あのカウンセラー、どう?」
 「いいわよ~! 私に合ってる・・・」

 そして一週間後、その人だと思っていたクライアントがカウンセラーの元に来て言いました。

 「また調子が悪くなって・・・」

 そのときカウンセラーは何を思い、どんな話しをするでしょうか? 表情は? 態度はどうでしょうか?

 同じカウンセラーが同じクライアントから同じ相談を受けても、恐らくカウンセラーが提供するアドバイスは違うのではないでしょうか。そして、それによってクライアントの反応も変わってきます。

 もしも同じ様にアドバイスをしたとすれば、そのカウンセラーはいい意味で、よほどの鈍感か、記憶力が乏しいか、天真爛漫か、自制心の達人か、或いは最上級の人格者かもしれません。

 セミナーでこの質問をすると、前者と後者のカウンセラーのアドバイスの違いについて、様々な角度からの意見が出ます。

 一般的には、前者はクライアントに対して反感を抱いたり、自信を無くしていて、今回の相談は良い結果が得られないかもしれません。或いは逆に、開き直って肩の力が抜け、結果的に適切なアドバイスをするかもしれません。

 一方、後者は、クライアントに対して好感を抱いていて、今回の相談にも積極的に、適切なアドバイスができるかもしれませし、逆に、変なプレッシャーを感じて、不調に終わってしまうかもしれません。

 パーソナル・マインド・フィルターは百人百様ですから、カウンセラーの反応や思考をここで特定することはできません。

 この動画では、ここを掘り下げることはしませんが、とにかく、事前の思い込みの違いによって、その後、同じことを体験しても、多くの人はアクションとリアクションが違ってくる、ということにして、話しを進めたいと思います。

 様々な職場で、同じようなことが起こっています。職場に限らず、人が集まる人間関係の場で、或いは自分一人しかいない無人島でも、私達は思い込みのフィルターを通して体験し、そして反応しています。

 それでは、自己改善するにあたって、理解するべき「情報循環モデル」について、ざっくりと見ていきましょう。

 これが、「情報循環モデル」です。

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 「出来事」の情報が「本人」を通って、「現状」に出ています。それが「環境」となって、再び「出来事」を作って、そして「本人」に再び入ります。これが繰り返されます。

 「現状」というのは、「本人」のアクションに大きく影響されます。そして、「出来事」に対する本人のリアクションによっても作られます。

 もちろん「現状」や「環境」、「出来事」は、他人やその他からの影響も沢山受けます。しかし、「本人」周辺は、「本人」が発したアクションとリアクションに強く影響され続けます。

 もしも今、あなたがこういう状態ならば、小難しいことをわざわざ考える必要はありません。今のまま人生をエンジョイしてください。そして、果敢に何かに挑戦することもあるでしょう。

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 しかし、もしも・・・

 今のあなたがこういう状態ならば、我武者羅に頑張ったり、何かから逃げたり、無駄な喧嘩をしたり、或いは諦めたりする前に、自身の中の狂った歯車を適切に改善すると良いでしょう。

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 このレベルで気づくことが大切です。狂った歯車のまま、我武者羅に頑張ったり試行錯誤していると、益々悪循環に陥ってしまうからです。
 そうなると、心の専門家にお世話になったり、回復までに長い年月が必要になってしまいます。

 「心構え」というのは、物事に対処するための心の準備、予め備えられた“型”のようなものです。また、「心構え」というのは、本人の体験によって作られたもので、ほぼ無意識的に機能しています。

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 「自身の中の狂った歯車を適切に改善する」というのは、この「心構え」を改善するということです。それでは、「心構え」の働きを、ステップ毎に分けて見ていきましょう。

 ステップは6つあります。

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 現状に作用するアクシ ョンとリアクションとは何か? それは、「言動」です。

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 この「言動」のベクトルを決めるもの、すなわち言動の方向性と強さを決めるのは、「感情」です。

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 そして、その「感情」を作るのは、「認識」です。「思い込み」と言ってもいいでしょう。

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先ほどのカウンセラーも、カフェでの他人の会話が自分のことを話題にしていると「思い込んだ」わけです。「認識」というのは、実際の出来事によって作られるのではなくて、本人が思い込んだことで作られます。

 それでは「認識」は何によって作られるのか? それは、「生理」現象です。「生理」現象によって、「認識」度の強弱が決まったりします。

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 例えば、「吊り橋効果」や、「笑うから楽しいのか、楽しいから笑うのか」などの考察は、この辺りを検討しているわけです。

 先ほどの例で実際に起こったことは、クライアントが来訪して、「また調子が悪くなって・・・」と言ったことだけです。

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しかし、カウンセラーにあった事前の「心構え」の違いによって、クライアントの言葉に「生理」が反応し、前者はこうなり、

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後者はこうなったかもしれません。

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 カフェでの体験によってできたカウンセラーの「心構え」は、そのクライアントから久しぶりにセッションの申込みがあった段階でも、既に何らかの「生理」現象が起動するようになっていたかもしれません。

 それでは、「生理」は何によって作られるのか? それは、「表象」です。入力されてきた個々の刺激を、ひとまとまりの形に再構成した心の印象です。

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 そしてもう一つ、「生理」を作るルートがあります。それは、食物や酸素の摂取です。「心構え」を作る上で、このルートも大変重要です。

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 それでは、「表象」の元となるものは何か? それは、「感受」です。

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 感覚器官で受け取った刺激の影響は、「感受」では快/不快/中性という風にシンプルですが、感覚記憶の働きによって、この段階で既に、有りの儘の情報が少しだけ変容しています。

 こういったルートを情報が縦横無尽に内循環、或いは超内循環して「心構え」を作っています。感覚記憶の影響を受ける「感受」を含めて、各ステップは記憶から影響を受けますから、普通は、このステップ順を固定的に考える必要はありません。

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 「心構え」は出来事に反応して、「現状」という結果を作ります。そして、その結果は記憶され、「心構え」を更に変容していきます。

 私達の「心構え」は、沢山の情報入力に曝されています。

 例えば、上司や同僚、部下、業者、顧客、ご近所、PTA、サークル、クラスメート、家族、マスコミなどからです。

 特に、権威者や好きな人からの情報は、無防備に循環し、強化されます。

 例えば、 “ピグマリオン効果”(被期待効果) 、“プラシーボ効果”(偽薬効果)、“ハロー効果”(後光効果) 、“ホーソン効果”(被注目効果)などもあります。

 この情報循環を、自身の手でしっかりとマネジメントすることが重要です。

 現状を変えるには、感受から言動までのどこかに、楔を打ち込む必要があります。

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 自己改善するための心理学は沢山ありますが、それらは全て、このステップのどこかに、何らかのアプローチをする訳です。

 情報が内循環する経路は2つあります。“内感経路”と“外感経路”です。

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 内感経路は、記憶を想起したり、想像を巡らしているときの内的入口です。
 外感経路は、出来事など、現実世界に意識を向けているときの外的入口です。

 賢く生きるために、或いは素早く言動するために、記憶力や想像力はとても重要です。しかし、時として自分を苦しめる元凶となっていることもあります。

 長く尾を引く“間違った心構え”は、この内感経路から影響を受けています。

 この様なときは、内感から離れて、極力「表象」や「感受」の外感経路に意識を留め置くことが、“今此処”のフレッシュな世界を享受するコツです。

 ここまでお話ししてきた、ほぼ無意識の「心構え」を、「感性的自我」といいます。

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 最初にお話しした通り、この「感性的自我」のままで人生をエンジョイできているのならば、素晴らしいです。理想の在り方です。

 しかし、「心構え」の歯車が狂っているならば、「感性的自我」から、もう一人の自分が一旦離れて、自己改善しなければなりません。その、もう一人の自分のことを、「理性的自我」と言います。

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 先ほどのカウンセラーの例では、そもそもカフェで噂話を耳にしていたとき、自身の「表象」や外側の「出来事」を、「理性的自我」が点検することで、勘違いを避けることができたかもしれません。

 「理性的自我」は、「感性的自我」の様子をしっかりと観察しながら、必要ならば、必要な箇所に楔を打ち込んで、自己改善します。
 
 「感性的自我」の働きは、「慣性の法則」に似ています。すなわち、「物体が外力を受けないとき、その物体の運動は一定を保ち続ける」、という法則です。

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 共鳴現象によって、本人の「心構え」に類似の「出来事」が誘発されやすいので、その外力によって、「感性的自我」は益々スパイラル的に、その「心構え」を強化します。

 或いは、「感性的自我」の在り方に全く関係ない、不可抗力によって突き落とされることもあります。

 この様に、何らかの理由で「感性的自我」の歯車が狂ったときには、「理性的自我」が外力の役割を担って、しっかりと「感性的自我」を改善します。
 
 ただし、この様に2つの自我があるとき、すなわち「観察される自我」と「観察する自我」があるときは、最も素晴らしい、最高の状態であるとは言えません。何かに没頭し、人生を最高にエンジョイしているときは、「“理感一体”である」、ということも、覚えておいてください。

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 以上が、「情報循環モデル」の概要です。詳しい内容と実践方法は、この本「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に書いていますので参考にしてください。

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 また、パーソナルサポートやセミナーのプログラムも用意しておりますので、是非ご利用ください。


以上が、昨日アップした動画「目標達成や人間関係がうまくいかない時の自己改善法を『情報循環モデル』の視点で考える」の原稿と画像である。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2019年4月 5日 (金)

能力開発法のエッセンスに通じるハナタカ情報。~暗算しながら正座すると足が痺れない?~

 テレビ朝日の番組「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」からオファーを頂き、ここ浅草橋のスタジオでインタビューに答えたのが2月24日である。

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インタビューのテーマは二つ。いつもなら脳波測定器を道具に脳波研究家として答えるのだが、今回はいずれも脳波に直接は関係の無い内容だった。

3月28日のオンエアで紹介されたのはその内の一テーマだけだったので、今回はそれに絞って振り返りたいと思う。

先ほど、脳波に直接は関係の無いテーマだったと述べたが、実は大いに関係がある。しかし、「説明が難しくなるから」と、脳波の視点からの解説は現場ディレクターに却下されたのだ。番組で割り当てられるコーナーの持ち時間が短いから仕方ない。

嬉しかったのは、全く脳波に触れない解説をテレビ番組から求められたのは恐らく今回が初めてで、活動の場が少し広がった気がすることだ。

能力開発トレーナーを生業にして三十有余年、私にとって脳波測定及びその解析は、クライアントの能力開発を効果的にサポートするための道具である。

能力開発にイメージトレーニングは欠かせない。このイメージトレーニングを効果的に実践するためには、トレーニング者の脳コンディションを客観的なデータで正確に知る必要がある。

そのときの指標はアルファ(α)波である。アルファ波は単なるリラクセーションの指標ではなく、その電位が強くなればトレーニング者は“落ち着いた意識集中”状態に入っていると評価できる。すなわち、聡明な状態だ。この脳コンディションでのイメージトレーニングが効果的なのである。

この目的で長年培ってきた脳波測定及び解析手法が、異分野からも重宝にして頂き、大学や企業の研究機関からも沢山のオファーを受けてきた。それがテレビ番組からのオファーという形にも波及していたわけだ。

いかん、また前置きが長くなってきた。

閑話休題。

今回のハナタカ情報は、マルモさん投稿の「暗算しながら正座すると足が痺れない」だ。

番組が実施した検証は次のようになった。

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この被験者は、ただ正座したときは11分34秒で痺れが限界に達し、暗算しながら正座したときは20分32秒で、8分58秒伸びた。

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他の被験者も、4分20秒、16分0秒とそれぞれ伸びた。

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今回は脳波測定をしていないので、私はこの検証現場に同席していないことをお断りしておく。

さて、この検証結果に対する私の解説は以下の通りである。

「足の痺れというのは、実は脳で感じるんです。」

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「脳というのは同時に複数のことに注意を向けるというのは非常に苦手なんですね。」

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「ですから、暗算にしっかりと集中していると、足の痺れを感じなくなるんです。」

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当然といえば当然だが、このハナタカ情報とその検証は好評だった。

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伊集院光さんが、このハナタカ情報に面白い例を付け加えた。

「長い落語をやってても全く痺れないのに・・・」

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「頭下げて立とうと思ったら立てないっていうケースが、落語凄いよくあるんです。結構名人の人でも、予想外に長くなっちゃったときとかに、緞帳下げないと降りられなくなっちゃうってことが・・・」

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私も昔は割と長く正座していられた。小学生の頃に通っていた書道とそろばんの塾で正座していた経験による馴れだ。

ところが今は、正座しようとすると尻と踵がすぐにはくっつかない。じわーっと尻を沈めていく感じだ。とても長時間の正座は無理だ

生活様式の変化に合わせて人の身体も馴化するのだ。

ベテラン級の落語家であっても、馴化範囲を超える時間正座していると足は痺れる。しかし、噺に集中しているから痺れを感じない。ところが実際には痺れているから立てないわけである。

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先ほども言ったように、当然といえば当然の理屈なのだが、ここに能力開発のエッセンス(本質的で不可欠な要素)がある。

私が解説したコメントを改めて以下に記そう。

1.「足の痺れというのは、実は脳で感じるんです。」

2.「脳というのは同時に複数のことに注意を向けるというのは非常に苦手なんですね。」

3.「ですから、暗算にしっかりと集中していると、足の痺れを感じなくなるんです。」


コメントのキーワードは次の通りだ。

「脳で感じる」

「複数同時に注意を向けるのは苦手」

「あることに集中すると、他のことは無くなる」


ここで、主語を正確に言い直さなければならないだろう。

複数同時に注意を向けるのが苦手なのは、意識(顕在意識)である。

感覚器官で感受した情報は脳に送られて、無意識(潜在意識)が全て処理している。

すなわち、無意識は膨大な情報を刻々と処理しつつ、一筋の情報だけを意識レベルに上げているということだ。

以上が番組内容の振り返りだ。

ここからは、番組のテーマを超えた能力開発講座である。

アスリートでもビジネスパーソンでも芸術家でも誰でも、ここぞというときにビビってしまって能力を十分に発揮できないことがある。

心臓の鼓動は増し、呼吸は早くなり、身体は硬く縮こまり、意識は激しく動揺している。・・・辛い状況だ。

こんなときに思い出して欲しい。意識は一つのことにしか集中できないということを。

ヨーガの行者や高僧は、任意の一点に意識を繋ぎ留めることの達人だ。

成功する人は、“今此処”に集中して取り組むから成功率が高い。

失敗する人は、気掛かりなことに意識が振り回されてしまう。「こうなりたくない」「ああなりたくない」と、失敗場面をイメージする。

失敗する人は、なりたくないイメージをせっせと描きながら、それに抗うように頑張るから失敗する。まるで柔道の返し技を食らって背中から畳に叩き付けられるように。これを“努力逆転の法則”という。

人の努力は、イメージしたことの実現に働くのだ。

意識をある一点に集中したとき、五感は研ぎ澄まされてピークパフォーマンスを発揮する。そして、集中対象以外の情報は意識に上がってこない。

このように、意識がいわゆるゾーンに入ってピークパフォーマンスとなったとき、前頭前野の脳波はファストα波と極々遅いスローβ波までの帯域が強く出ている。

例えば、睡眠時に騒音が鳴ってもスヤスヤと眠っているときがある。

睡眠時はアルファ波よりもゆっくりの徐波、すなわちシータ波やデルタ波が優勢である。

睡眠時に騒音が鳴って目覚める場合は、徐波ブロッキング(徐波が沈静化すること)が起こっている。

逆に、騒音が鳴ってもスヤスヤと眠り続けている場合は、徐波と共に強いファストα波が平行して出る。すなわち、(脳の)ノイズキャンセリング機能の働きがファストα波の増強として観察できるのだ。

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このことについては、本ブログの「ゾーンに入る鍵を握る脳波、ファストα波とは。そして、ある状態との共通点。幸運人生を生きるために改めて見直すべき潜在意識のPMF(パーソナル・マインド・フィルター)。」で既述しているので参考まで。

5年ほど前に流行った「アナと雪の女王」。その挿入歌「Let It Go~ありのままで~」を没入して歌う女子達が当時マスコミでも度々紹介されたが、テレビ番組からのオファーで、そんな女子の脳波を測ったことがある。

没入して(成りきって)歌うその女性は、見事にファストα波が増強していた。この状態を私は“肯定的高揚感”と名づけた。当時のブログ「“アナと雪の女王”の主題歌「Let It Go~ありのままで~」を聴いたときの“肯定的高揚度”を脳波測定で算出。TBS「あさチャン」からのオファーにて。」で詳しく紹介している。


改めて能力開発のエッセンスをまとめると次のようになる。

意識は、複数のことを同時に抱くことが苦手である。一筋の情報に集中したら、その他の情報は上がってこない。

イメージの下(もと)で取り組んだことが実現する。

ここぞというときにビビったら、その心身のビビリを抑え込もうとし続けない方がいい。努力逆転の法則が働いて益々ビビってしまうからだ。

ビビリの敷居に載り、その上で目的達成に向けて集中するぐらいの方が高いパフォーマンスを発揮できる。せっかくのビビリ・エネルギーは、目的達成のために有効利用するべきだ。そうしていると間もなく落ち着いた集中状態となり、ゾーンに入ることができる。

心身の強すぎる雑緊は、パフォーマンス直前の「軽いストレッチ」と「呼吸法」で解消しておけば良い。これも必要以上にやると、力が抜けすぎて本番でのパフォーマンスが高まらないから注意が必要だ。何事も“過ぎたるは及ばざるがごとし”である。

また、自信がまだ弱いために、ネガティブな方向の意識をどうしてもポジティブへ転換できない場合は、他の注目現象を作って強制的にネガティブから意識を逸らす方法もある。

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例えば、スクワットの途中のような中腰を暫く維持していると、すぐに圧倒的な疲れが太腿に生じる。そうすると、意識はその圧倒的な筋肉疲れに向いて、当初のネガティブから脱することができる。

笑いを堪えるために唇を噛んだ経験があなたもあるかもしれない。これも同じ効果だ。意識は最も強い一つの筋情報しか抱けないのだから。

このように生理現象を使ってネガティブから脱し、次にポジティブへと意識を向けるというステップはグリップ力のある意識転換法である。

今回のハナタカ情報をあなたの能力開発に生かして頂ければ、番組に関わった一人として嬉しい限りである。

なお、拙著「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に、更に詳しい自己統御法を紹介している。

オンエアの画像を、弊社ウェブサイト「脳波測定/脳コン解析・・・テレビ番組協力実績」の事例59コーナーに掲載させて頂いた。

感謝。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2018年11月21日 (水)

ジブリッシュの大きな可能性を脳波測定で垣間見た。

株式会社笑い総研の大久保信克社長からのご用命で、昨年の3月25日、東京・町田にてジブリッシュ(意味のない言葉を発することで脳をリフレッシュする方法)の脳波測定会を実施した。

このときの模様と一つの成果は、本ブログの287号「ジブリッシュで脳波はどうなる?」で紹介した通りだ。

これを予備研究と位置づけ、いよいよ今月、笑い総研との協同研究プロジェクトのイベントが大阪・心斎橋にて封切られた。

ジブリッシュの脳波研究に止まらず、アファーメーション(無意識との対話で脳をカスタマイズする方法)を掛け算した新・自己統御法「ジブリメーション」へと発展した形でのスタートだ。

11月2日(金)は「一般公開 脳波測定会」と追加募集で開催となった「ジブリッシュ 脳波研究会」、3日(土)は「ジブリッシュ 脳波研究会」と「アファーメーション法 体感セミナー」である。

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2日は新幹線のぞみの始発で大阪入りし、3日は最終便で帰京するという強行軍だったが、とても楽しく有意義な2日間だった。

大久保社長の脳波は、昨年初めて脳波測定した時からミッドα波が強く、とても聡明な脳コンディションを有していることが分かっている。しかし残念ながら、それがジブリッシュの賜物なのか、それとも元々α波が強く出ていた人なのかは知る由もない。

一昨年、NHK Eテレの番組「Rの法則」で編集上共演した日本集中力育成協会の森健次朗理事長も参加くださった。当時の模様は、本ブログの278号「NHK Eテレ「Rの法則」で、テスト勉強に集中する方法の効果を脳波測定で検証。」で紹介している。

実際にお会いするのは今回が初めてだったが、“集中力”を高める指導をされているだけあって素晴らしいミッドα波が、そして、ジブリッシュ後にはスローα波が観察された。

昨年の予備研究で、ジブリッシュをすると右の頭がジンジンするという人の脳波が強いβモードであることを紹介したが、今回も複数人がその状態だった。こういった人達は、何かを切っ掛けに強いαモードに転換する可能性がある。

さて、今回のジブリッシュ脳波研究で最も注目に値する人の脳波を紹介しよう。

これは、ジブリッシュ前に測定したFp1(左前額部)の脳波である。

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特にどの定常波(脳波)が優勢であると言えず、全周波数帯域に渡ってボルテージが低い、いわゆるオフモードだ。

そして、これがジブリッシュ後に測定したFp1の脳波である。

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文句なしに強いミッドαモードに切り替わった。先に示した脳コンディションで物事に取り組むのと、この脳コンディションで取り組むのとでは結果に雲泥の差が生じて当然である。

アファーメーションも、この脳コンディションでやるべきなのだ。深層自己対話(無意識との対話)もスムーズである。

これは、ジブリッシュ前に1分間測定した平均値である。オフモードだ。

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それが、ジブリッシュ後にはこのようになった。

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ただし、このジブリッシュ後の脳波は、1分間測定した中の最初の13秒間である。理由は、動画「第1回『ジブリメーション研究開発』の様子」で述べている。

この脳波を示した女性に後でインタビューすると、「○○と繋がっていた」というようなことをおっしゃった。まさにヨーガだ。

Fp2(右前額部)も同じような変化をしたと思われるが、その測定をした時にはジブリッシュ前と変わらないオフモードに戻っていた。今回の研究では、左右を同時に測定することをせず、左、右の順で別々に測定したので仕方ない。

研究会を通じてこのような事例を一つひとつ拾い集めて、新・自己統御法「ジブリメーション」の確立に尽力していきたい。

ジブリッシュは、意味のない言葉を発することで脳をリフレッシュする方法。

アファーメーションは、無意識との対話で脳をカスタマイズする方法。

このデュアルメソッドを掛け算して構築しているのがジブリメーションである。

新・自己統御法「ジブリメーション」紹介ページ に研究成果や今後の展開を掲載していくので参考にされたし。研究員、そして将来のジブリメーション・トレーナーも広く募集している。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2018年5月23日 (水)

ダイエット/ストレス解消/快眠効果だけじゃない! b-monster社の「暗闇ボクシングフィットネス」で脳が聡明になることを脳波測定で立証した報告。

銀座、青山、恵比寿、新宿、池袋、栄でフィットネスを目的としたボクシング・ジムを展開されているb-monster株式会社からご用命を頂き、「暗闇ボクシングフィットネス」を体験した前後の脳波測定を実施した。

4月9日、同社青山スタジオで脳波測定を実施した。しかし、測定場所がオープンスペースで人通りがあったため、被験者の気が散って正確な測定データとは言い難かった。

4月25日に仕切り直しの脳波測定を実施した。

施設に自動車を横付けして、被験者が「暗闇ボクシングフィットネス」を体験する前後の脳波測定を車中で実施することを提案した。ご用意頂いたのがこのワゴン車だ。お陰様で、とても良い脳波測定環境を構えることができた。

Bmonstercar



男女8名の被験者を順々に測定して「暗闇ボクシングフィットネス」の体験へと送り出した後、一息ついているときにパチリと撮影した1枚だ。出向いたときには暴風雨だった東京・青山の空も、この頃には青空が覗き始めていた。

約1時間後、体験を終えた被験者達が順に戻ってきた。一人ずつ車中に迎え、体験前と同じように閉眼安静で2分間の脳波測定をした。被験者の汗と火照った顔、そして測定中一気に曇るウィンドウが、「暗闇ボクシングフィットネス」のハードさを物語っていた。

後日、いつものようにレポートを提出した。統計学的にも「暗闇ボクシングフィットネス」の聡明効果が立証され、中立の立場を堅持しながらも嬉しかった。

多くのお客様から「脳波測定/脳コン解析サービス」のご用命を頂くが、期待される結果が出ないことも多い。ましてや、効果を「統計学的にも有意である」と謳えるほどの結果を得ることは非常に少ないのだ。

今回ご用命くださったb-monster株式会社様より、「共同発表するレポートを改めて書いて欲しい」と依頼を頂いた。それで書いたのがこのレポートだ。

Bmonsterreport2018522


なお、レポート中に挙げている「聡明脳波を示す人の例」に関する情報を以下に紹介しておく。いずれも、本ブログに投稿した記事だ。

b-monster株式会社「暗闇ボクシングフィットネス」の特設ページを弊社ウェブサイトで公開した。今後、追加情報を掲載していく予定だ。

実り多い脳波測定に感謝している。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2018年3月17日 (土)

人生マネジメント&ビルドの効果を飛躍的に高める睡眠前後の脳のゴールデンタイムとフレッシュタイムの生かし方。

人それぞれの生き方や生活習慣によって、一日24時間の中の大切で貴重な時間帯は違うだろう。

本稿では、様々な人に共通の、人生マネジメント&ビルド上の大切な時間帯を改めてここに紹介したいと思う。

まず一つ目は、脳のゴールデンタイムと呼ぶ時間帯で、いいα波が出ている。布団に入ってから入眠するまでの数分間だ。この時間は、あれこれ考えてはいけない。楽しいことを思い出したり、数えたりすることさえも邪魔である。

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ゴールデンタイムでは、目を閉じて、ただほんの少しだけ微笑んでそのまま入眠する。やり方とその理由は、書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」 で紹介している。

もう一つのゴールデンタイムは覚醒直後から起床するまでの数分間だ。このときは、閉眼のままわずかに微笑みながら、今日一日のテーマやイベントをメンタルリハーサルする。

睡眠をこの微笑み法で挟むメソッドは、皆に共通する効果的な人生マネジメント&ビルド法である。潜在意識に全てを委ね、微笑みで全てを受け入れるのだ。

起床してからの約60分の明鏡止水で聡明な時間帯は、脳のフレッシュタイムと呼ぶ。

この脳のフレッシュタイムを慌ただしい身支度や通勤通学に費やすのは、人生マネジメント&ビルドの観点から非常にもったいない行為である。漫然と過ごすのも同じ轍である。

脳のフレッシュタイムを、朝飯前の貴重な創造的活動に生かすのだ。新たな創作活動でもいいし、昨夜の創作物のチェックとブラッシュアップでもいい。あるいは、大自然や植物との対話や世話でもいい。限られた脳のフレッシュタイムを毎朝ただやり過ごすのはもったいなさ過ぎる。

脳のゴールデンタイムとフレッシュタイムの有効活用は、人生マネジメント&ビルドを飛躍的に向上させる。

一日24時間を16分節に分けて自己管理するメソッドのシートも、セルシネの無料コンテンツとして好評である。

しっかりとマネジメントすることで、逆に、手放して流れに乗ることもできてくる。具体的な取り組み方法は、2011年7月24日に「SeSMaT No16 『一日16分節自己統制法』のサポートシート。」のタイトルで投稿している。脳のゴールデンタイムとフレッシュタイムにも触れている。

このスケジュール管理表も同記事からPDFファイルでダウンロードできる。

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是非!

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2018年3月13日 (火)

ゾーンに入る鍵を握る脳波、ファストα波とは。そして、ある状態との共通点。幸運人生を生きるために改めて見直すべき潜在意識のPMF(パーソナル・マインド・フィルター)。

意識には、「カラーバス効果」や「カクテルパーティー効果」と言われる働きがある。

本稿を読み始めたあなたなら、きっと聞いたことがあるだろう。

実体験としてこの効果を思い知ったことはあるだろうか? 否、覚えているだろうか?

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私自身の体験は、サラリーマン研究員時代の1998年に発売したビデオ「成功する自己操縦法~成りたい自分になり、送りたい人生を送る~」で紹介している通りだ。

カラーバス効果とは、ひとたび意識した色などの視覚情報は、その後の視界で目立つ(意識する)ようになるという現象だ。

カクテルパーティー効果とは、パーティー会場などの賑やかな場所でも、自身が興味のある内容、あるいは興味のある人が発する言葉を聞き分けやすくなるという現象だ。

脳は、感覚器官で感受された膨大な情報を受け取り、視床を経由して前頭前野(顕在意識レベル)に上げてくる。

その際の、脳が情報を「増幅/減衰」させる機能は、本人の体験世界を、そして人生の運を大きく左右する。

膨大な情報を潜在意識が取捨選択した後の比較的シンプルな世界を、私達の顕在意識は生きているのだ。

脳波を測ると面白いことが分かる。

スポーツや勉強、プレゼン、あるいは創作活動をするとき、とてもいい意識集中状態になることがある。いわゆる“ゾーン”と呼ばれるもので、変性意識状態(altered state of consciousness)の一つである。

意識を外に向けて(いわゆる“外感”)活動するとき、ゾーンに入るとファストα波が強く出現する。よって、ファストα波をハイパフォーマンスの指標として用いる。

このファストα波、実は意外なときにも強く出現する。

例えば、イビキがうるさい夫の横で眠っている妻からだ。

テレビ番組のロケで睡眠検証の協力をしていたときに初めてこの現象を目の当たりにした。

一般的には睡眠が中程度まで深まると観察されることがある脳波だが、騒音の中で入眠に成功したときにはとても強くなる。この女性は、相当大きなイビキの環境でも眠り続けることができるように、長年掛けて開発した能力のように私には感じられた。

そう、脳がノイズキャンセリングして睡眠に集中できているときに、強いファストα波(正確には、14Hzのスローβ波にも被る)が出るのだ。

番組テーマとは別のことの発見にわくわくしている私は、ディレクターからあきれられた。

睡眠中にノイズキャンセリング機能が働いているときの脳波グラフ例を、弊社ウェブサイト「睡眠脳波の測定/解析例」にgraph17として掲載している。

このようなファストα波が強く出やすい意識状態では、外の音を意識に入れたり阻止したりすることが容易にできる。カチッ、カチッとスイッチを切り替えるようにだ。書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」 に書いた通りである。

このような脳のノイズキャンセリング機能は、何かに集中するためのものだ。眠りに集中するためにイビキの入力を阻止するように。

ゾーンに入ったアスリートは、観客の声援が聞こえなくなることもあるし、よく聞こえることもある。何をキャンセルし何に注意を向けるかは脳の選択次第だ。

ノイズの消えた世界はとても鮮やかである。

脳の選択と集中機能は開発できる。意識から何を棄て何を浮き上がらせるかのチューニング能力をだ。

幸運人生を選択するのはあなた次第なのである。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2018年3月12日 (月)

習慣とは・・・。本人にとって意味ある習慣形成は、実はとっても簡単なこと。

習慣とは、本人に出来上がった癖のことである。

国や共同社会などにおいて、その構成員達が当たり前のこととして遣ったり考えたりしている「慣習」を指す場合もあるが、本稿では個人の習慣のみを指すこととする。

習慣には、考えや感情、発言、行動、認識、態度など様々な側面のパターンがある。

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「習慣は自然の如し」あるいは「天性の如し」と言われるように、本人がしっかりと身につけた習慣は、アイデンティティー(その人らしさ、個性)と等価となる。


その習慣と機縁によって、様々な出来事が生起してくる。

何がどのようになったら習慣が形成されたと言えるのだろうか?

大脳生理学的に言えば、次の通りである。

例えば、生存に必要な後天的反応の神経回路網が構築されているとする。神経細胞が伸び、シナプス(神経伝達物質が遣り取りされる領域)を介在させて出来上がっている。

これを神経回路網Aと呼ぶとしよう。

あるシチュエーションでは必ずこの神経回路網Aに情報が流れて、この神経回路網が出力する癖の反応を本人がする。

ところが、もしももっと別の結果が欲しくなったのなら、同様のシチュエーションで別の反応をするように努力することが必要な場合がある。

その努力を繰り返していると、新たな神経回路網Bが徐々に成長してくる。しかし、意識を怠ると神経回路網Aが活動してしまい、旧来の反応を出してしまう。

神経回路網の活性と衰退は、使われる頻度によって変わる。すなわち、使われるほどに活性化し、使われないでいると衰退化する。獣道のようなものだ。

この活性度が神経回路網Aと神経回路網Bで逆転したとき、そのときを新たな習慣が定着した瞬間だと評価する。すなわち、無意識に神経回路網Bの反応をする状態だ。

ある意味、非常に単純なことである。

しかし、「神経回路網Aから出力される習慣A」が「神経回路網Bから出力される習慣B」に切り替わるポイント(ゴール)だけを「習慣Bが形成された」という訳ではない。

自己変革訓練に取り組む本人は、シチュエーションの端緒を認知するようになる。「神経回路網Aが起動しそうだ」と。そのときに、神経回路網Bを意図的に起動して反応Bの行動をする。

このような認知行動的反応Bも、習慣Bと結果的には同じである。

欲しい結果を得るための習慣Bを事前に計画しておくのだ。すなわち行動計画Bだ。

端緒に気づいて行動計画Bをする。このレベルでも立派な習慣だ。

ただし、行動計画Bを遂行するためには、それができる能力Bを事前に開発しておかなければならない場合もある。その場合は、意図的な反復練習を繰り返して、能力Bを開発するのだ。未開の潜在能力も、繰り返し刺激を与えることで顕在能力となる。

潜在能力Bが顕在能力Bになったとき、これも立派な習慣化と言える。

自己変革を目指すクライアントを私がサポートする際には、おおよそ21日間で習慣化できる課題をクライアントが設定できるように寄り添う。

サーカディアン・リズム(おおよそ一日のリズム)に乗って私達は生活している(例外もあるが)。このリズムはとても強く生体に働いている。

一日よりも短い周期をウルトラディアン・リズムという。例えば、呼吸や心拍、脳波、摂食関連などである。

一日よりも長い周期をインフラディアン・リズムという。季節に沿った一年の心身の変化、あるいは成長から老化までのリズムもある。

その中に、一週間というリズムもある。現代生活者にとって、これはなかなか強いリズムである。各曜日毎に調子が付けられ、一週間毎に繰り返す。

このウィーク・リズムを3回繰り返す中で習慣化させる。自己変革訓練に取り組む際は、このスパンが丁度良い。

あまりにも簡単に習慣化できるものは、そもそも自己変革訓練だと大上段に構えるまでもない。

逆に、何カ月あるいは何年も掛かってしまう場合には、既述した「習慣Bが形成された」とする目標の難易度を下げた方が良い。3週間ずつの達成を果たしながら大きな習慣形成を達成するようにだ。

繰り返すが、21日(3週間)というスパンは、自己変革訓練をするのに丁度良い。

女性には月経周期という28日(4週間)のリズムがあるから、これに合わせるのも良い。

2003年に発売した能力開発メソッド「速話聴取マニュアル」も、3週間が一つの区切りとなるようにプログラムした。コンテンツの一部を2009年に「速話聴取法『session1』」のタイトルでYouTubeに公開している。

能力開発や習慣形成には3週間を要して実践するというこの取り組みが、その文脈から離れて、「どんな習慣でも3週間で形成されるものだ」と誤解されている場合があるので注意して欲しい。

心的飽和(やっていることに飽きてくること。疲労とは違う)現象を考慮しつつ、適切な課題設定とアプローチ、行動計画が大切なのである。

冒頭で「習慣とは、本人に出来上がった癖のことである」と述べた。正しい習慣化とは、生後習得したものの今や役に立たなくなったり悪戯をする癖を滅していくことでもある。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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