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2007年1月 7日 (日)

独立7年目に思うこと。

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
沢山の人達に支えられて、独立7年目を迎えることができました。本当にありがとうございます。


さて、パーソナルサポートを受けるために私を訪ねてくれるクライアントの中には、「脱サラして独立したい」という人が多い。そんな人に私が必ず言うアドバイスが、「誠実+アルファ」だ。この言葉は以前にもこのブログで紹介したことがあるが、近ごろ益々この言葉、そして実践の価値を実感している。

なぜなら、私が以前勤めていた会社を通じて来て下さる新規のお客様が、毎月一定の人数いるからだ。退職して6年が経つというのに。

なぜだろう。独立間もない頃に、ネットで私を見つけたと連絡を下さる人はいた。でも、6年経った今でも申し込みが来るのは? 答えを言おう。理由は、勤めていた会社が私のことを宣伝してくれているからだ。今となっては何の貢献もしていないこの私を、お客様の誘導という形で今も助けてくれている。

なぜこんなことが起こっているのか。その答えこそが「誠実+アルファ」の効果なのだ。もちろん、前職の会社が親切心で私にお客様を紹介してくれている訳ではない。「芸は身を助く」ではないが、「誠実+アルファの貢献は、独立後の自身を助く」である。もう少し詳しく解説しよう。

実は、私がその会社に在籍していた当時に作り上げた有形無形の置き土産を、今もその会社が使ってくれているからだ。このことが間接的に、私へのプロモートになっているのだ。

例えば、在籍当時に私が開発した販促セミナー、プレゼン用PCソフト、能力開発ビデオ、ユーザー支援レター。更には、独立後に開発した速話聴取法、メルマガ、パーソナルサポート、セミナー等を活用してくれているのだ。

具体的には、この会社の川口徹取締役営業本部長が私のメルマガ「『成功する人』と『失敗する人』の決定的な違い」をもじって以下のようなセミナーを開催してくれたり
http://www.ssiblog.com/seminar/archives/03introduction/index.html(現在は削除されているようです。当時の様子はこちらに掲載しています。なお、川口さんは現在同社の代表取締役だそうです。2007.8.1)

高松里江編集長がビデオ「成功する自己操縦法」を参考にして様々な出版を手掛けてくれたり
http://www.selsyne.com/aim/products/video/index.htm#videofaq
当時の部下達は言うに及ばず、マネジャークラスとなった後輩達が、セミナーレクチャーやセールストークで活用してくれているのだ。

昨年末に配信した「全メルマガ共通号外」
http://www.selsyne.com/aim/mailmagazine/backnumber-list/extra/2006nenmatu.htm
で触れたように、私は「著作権」に関してシビアだ。しかし、原作者の手を離れた使われ方でも、その量がある臨界点を超えると、恩恵が目に見えて原作者に返って来るのだ。

還元の割合を顧客情報から推察すると、おおよそ千三つの法則が成り立っているようだ。この会社の年商が70億円程であるから、その1000分の3が2千100万円。商品価格帯が、弊社はこの会社のだいたい10分の1だから、2千100万円の1割りで210万円。毎年この位の金額が前職会社の間接的プロモートのお陰で弊社の売上げに結びついている。

「誠実+アルファの貢献は、独立後の自身を助く」の具体的金額が、この数字だ。この数字はとても大きい。この会社が莫大な資金を投入して開拓している市場のお裾分けが、弊社に還元されて来るのだ。

それでは、なぜ市場のお金の流れが弊社にも巡って来るのだろうか。その理由は、お客様の一部に、「源泉に直接触れたい」という欲求を持つ人がいるからだ。こういう人達は、様々なルートを使って源泉を見つけ出す。そして、こういう人達は、価格が少々高くても気にしない。まして、10分の1の価格帯だから、「安いですねー」と言われる。苦労して見つけてくれているから、一層そう感じるのだろう。この流れの中に、いわゆる「こてこての営業」と呼ばれる労力は一切介在しない。

「あなたが独立したとき、このような流れは生じるだろうか?」。脱サラを考えている人は、是非自問してみて欲しい。もちろん、こんな流れとは全く関係なく、ゼロから頑張るというのも一つの在り方だ。しかし、生半可な意気込みでは、夢を実現するための努力は水泡に帰することになる。

あなたが独立を決意する切っ掛けは、あまり重要ではない。独立の切っ掛けは人それぞれだろう。独立後に功を奏するのは、現職での日常の働きぶりだ。今、本当に「誠実+アルファ」で在り続けているだろうか。能力は皆、似たり寄ったりだ。大切なのは、日常の心構えと実践である。

私自身、独立後にこんな効果が生じるなんていう打算があった訳ではない。ただひたすらに「誠実+アルファ」の取り組みを心掛けていただけだ。好きだからこそ、結果的に出来ていただけのことだ。ここで言う「好き」とは、単なるわくわく感ではない。わくわくを伴った使命感のことだ。

独立して成功する人は、誰でも「誠実+アルファ」をサラリーマン時代から実践している。少々小振りで、且つ自分のことを自画自賛するようで恐縮だが、具体例として私の当時を振り返ってみよう。

例えば、サラリーマン当時の業務の一つに「ユーザーフォロー」があった。フォロー部隊を社内に作ってもらって、全国をフォローセミナーで回った。しかし悲しいかな、10年の時が経過する頃になるとマンネリとなり、誠実な思いが色あせて来たことがあった。そんな時、私は先物取引で150万円の金を買った。なぜ150万円なのかというと、当時、自身がフォローアップしていた商品(能力開発プログラム)の最高価格が150万円だったからだ。

お客様というのは、特にこの種の商品は、買った後も幾ばくかの不安を抱えているものだ。「説得されて買ったけど、この決断は間違っていなかったのか?」と。そういうお客様に直接セミナーでお会いして、「間違いなかった」と心の底から納得して欲しい。

先物取引で買った商品の値が動くと一喜一憂する。その時の担当営業マンの意図と言動にも敏感になる。サラリーマンにとって150万円は大金だ。先物取引のルールを知らない人は、「値が下がっても、そのまま放っておけばいずれ値が戻るんじゃない」と思うかもしれないが、実際にはそんなに甘くはない。ある額まで値が下がると追証(オイショウ)というものを求められる。追証の金額は元金の半分程だったと記憶している。ここで追証を払わなければ、元金を失うことになる。

このときの心の動揺は、能力開発プログラムを買った人の不安と後悔によく似ている。このように、ユーザーが当初抱く不安を私自身もリアルに感じながら、お客様に満足してもらえるように「誠実+アルファ」のフォローを心掛けた。

別の話をしよう。能力開発プログラムが「物」である以上、ロットで製品を作るので在庫が出来る。今でこそ柔軟な商品生産が可能だが、当時は大量に作って在庫を抱えながら販売していくという形だった。そうすると、少し時代遅れの内容になったりしてくる。セミナーはナマモノだから、最先端のノウハウを提供できる。ここに格差が生じてくる。フォローセミナーに参加したユーザーは、能力開発プログラムが陳腐化した「物」としか見られなくなってくる。セミナーでレクチャーする側も、目新しいノウハウを披瀝したいという欲求がある。

こういう不幸が生じないように、細心の注意とアイデアを傾注した。あくまでも、ユーザーが自宅に持っているプログラムを生かすための視点でアドバイスした。この「誠実+アルファ」の努力がユーザーに浸透していき、商品と私に信頼を寄せて頂いた。

この取り組みによる副産物もあった。一部陳腐化した商品をバージョンアップするときに、効果的な改善が出来た。商品の完全フォローから逃げてしまって、「それはそれとして・・・」なんて言ってやっていたら、こんなパワーは出なかっただろう。 

更に別の話をしよう。速聴機(「速聴」は、SSI社の登録商標)の開発をコーディネートしたときも、この商品化を実現するために、深夜、土日も関係なく飛び回った。お陰で、当時の予想を大きく上回る速聴ブーム、ひいては「脳トレ」ブームにまで繋がった。セミナーの開催もそうだが、深夜、土日に動いたからといって、残業手当云々という発想がわかない。好きだからやっている、ただそれだけのことだ。

更に更に別の話をしよう。他部署で切手シートをちょろまかして換金していた社員が出たと聞くと、すぐに自分が受け持っていた部署内で「切手の使い方ルール」を示し実践した。「切手の管理なんて細かすぎる」と言うスタッフも出た。しかし、80円切手1シートが8000円だ。会社なんて、数千円から数万円の給与差で役割を割り振っているのだから、この金額は大きい。ルールや法律は、その時々に適したものに変えていかなければならない。この辺をなおざりにしてしまうと、組織は崩壊を始める。

会社勤めしていた頃に私が堅持していたアファーメーションは、「私は責任をもって決断し実行します」だ。会社の経営者に対して、部下に対して、お客様に対して、業者に対して、関わる全ての人に対して、私自身が「誠実+アルファ」であることを宣言したアファーメーションだ。これを例えば、通勤時に少し速めに歩きながら、そのテンポに合わせて心の中でつぶやくのだ。自己宣言の詳しいやり方は、いずれSeSMaTとして公開する。

最近は、この会社の社員やマネジャー達が「セルシネ詣で」と称して、たわい無い話しをしに顔を見せてくれるようになった。卒業した生徒が来たときの先生の気持ちってこうなんだろうなー、と思う。

今振り返ると、「誠実+アルファ」の原動力は「わくわくの使命感」ということだったようだ。使命感のある仕事が出来ている者は幸せだ。スポーツ選手も芸術家も、政治家、お役人、教師、サラリーマン、技能/技術者、主婦、僧侶、どんな形でもありだ。


好きなことが見つからないという人は、「コルパーの四根本」
http://www.selsyne.com/aim/calper/1okitegaki/6konpon/index.htm
を実践すると良い。必ず、「わくわくの使命感」という明確な人生目的が浮き彫りとなる。


「誠実+アルファ」の結果、図らずも置き土産となった信頼とノウハウが、今の私に環流している。

「誠実」で在り続けることは、あなたの人格を向上させる。「+アルファ」で在り続けることは、あなたの能力を確実に開発していく。

本当に独立で成功したいなら、今の仕事でこの瞬間から「誠実+アルファ」を実践することだ。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/

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