拉致事件で思うこと。
昨日のNHKクローズアップ現代のタイトルは「“母を返せ”拉致家族の闘い」だった。何でこの事件が早く解決できないんだろう。特殊部隊を出動させろ! と、本気で言いたくなる。
横田めぐみさんは、東京オリンピックが開催された昭和39年の生まれだそうだ。私と同い年だ。だから、生い立ちが紹介される度に、当時の自分の年齢と重ね合わせて感情移入してしまう。親御さんのお気持ちも私には計り知れないほどの悔しさだろう。
もう交渉の段階は過ぎた。力ずくででも奪還しなければ何のための国家だ。「お役所仕事」という言葉は昔からあったが、年金問題を見るにつけ、自国民を欺く詐欺集団だったとは、本当にシャレにもならない。
話しが逸れた。拉致事件の問題に戻そう。
ところで、あなたが日本国民であることを一番強く感じたのはいつだろう。スポーツで日本選手を応援しているときだろうか? 外国を訪れたときだろうか? 戦争を体験した人なら、戦時中が一番なのだろうか?
私が一番深く日本国民であることを実感したのは、20年ほど前に次の文章を読んだときだ。何かじんわりと、守られている感覚と、感謝、誇り、一員、貢献しようなどといった感覚に包まれた。
「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。」
水面下で懸命に尽力されている方もいると思う。そう思いたい。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という国にしようよ。
さて、この拉致事件の報道の中で気になっている言葉がある。「“対話”と“圧力”で・・・」だ。交渉相手にも筒抜けの場所で、何でこんな言葉が吐けるんだろう。本当に解決しようと思ってるの?
本気で、自分が、現場で、解決しようと思っている人が、こんな言葉を言えるはずがない。
損得勘定のスタンスで外交交渉が展開されている地球って、私は嫌だ。根本でお互いを認め尊重しあえている地球の方がいい。
心理学に詳しい人は沢山いるけど、その中でも徳を帯びた人は普段から、なおさら交渉の場なんかで、交渉の技術論を口にしたりはしない。口にしないどころか、考えもしない。そんなことよりも、目的の達成だけに集中している。
人徳者も好奇心旺盛で勉強熱心だから知識も豊富だ。でも、交渉の場ではそういう知識は脇に置いている。目的を果たすためだけに傾注している。そして、意識しないところで、すなわち無意識のうちにそういった知識は利用されるのだ。
誤解を恐れずに言ってしまうが、知識を生かすための反復練習なんていうのも不要だ。そんなパターンを作っておく必要なんてない。
ましてその知識を口にするなんて、信じられない。交渉技術を口にした瞬間から、もうそれは使えない。無意識にでも使ったらアウト。当然のことだ。
仕事柄、心理学や交渉技術に詳しい知人は沢山いるが、人徳を兼ね備えた人が、その知識を積極的に口にしているのを見たことがない。繰り返すが、それは当然のことだ。
安倍さん頑張ったと思う。参院選惨敗からは、不自然なカメラ目線もやめて、肩の力も抜けたようだった。君子豹変!かとも思った。しかし、まだまだ足りないものも多かった。
本気で目的達成を決意したなら、その時一番必要なものは何か。そんなことにも触れながら、今、セルフ・アファーメーションの本を書き進めている。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/
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