武道家が発した脳波、「ファストシータ波」
急ピッチで、「達人達の脳波収集」を進めている。
先週の日曜日は、嫡流眞伝中国正派拳法-躾道館の皆さんにご協力いただき、首席師範の小林直樹館長を始め、7名の武道家達の脳波を測定させて頂いた。
集合いただいて早々に、一人ひとりの閉眼安静時の脳波を1分ずつ測定した。
次に、ウォーミングアップをしていただいた後、それぞれに好きなポーズで瞑想していただきながら測定した。
そして最後は、組み手や使用法、太極拳などを演武していただき、技を繰り出す前後や最中の脳波をつぶさに観察した。
今回の測定では、このような動きのあるシーンもあったので、センサーのコードを適宜延長して行った。この5m延長コードは大変重宝したので、そっさく特製脳波センサーのセットに追加した。
http://www.selsyne.com/aim/products/nowhadas/index.htm#tokusei-nouhasensor
今までは特に名前も付けずに「セルシネの特製脳波センサー」と言ってきたが、今日、「エンフレック」と命名してサイトにも反映した。
カチューシャタイプの標準脳波センサーと違って、エンフレックを装着する際にはベトベトしたペーストを頭皮に塗る必要があるのだが、皆さん快く協力してくださった。おかげで、いろんな脳波を収集することができた。
その中から1つの脳波を紹介しよう。
この脳波は、相手の動きに反応して先に仕留める、いわゆる“後の先”の演武を繰り返し行っていたときに1度だけ小川正人師範から観察されたものである。
6.5Hzのファストシータ波が35μV出現し、スローシータ波とスローベータ波が15μV前後出ている。8.5~9.5Hzのアルファ波も10μV出ていて、これも何らかの意味があるかもしれない。
それまでの脳波とは明らかに違っていたので、(あまりしないことだが)演武を止めて「今のは自身の中で何か違いがありますか?」と質問してみた。
すると、小川師範よりも先に相手方が「あー、無意識に(技を)出しました。」と答えられた。その後、小川師範は「私は別に変わったことはありません。」とおっしゃった。
このグラフのような脳波は、「意識鍛錬の達人が、高度な精神活動を必要としない高パフォーマンスを発揮している」ときに観察されるものだ。
脳波の種類の解説は、以下の弊社サイトで紹介している。
http://www.selsyne.com/aim/products/nowhadas/index.htm#nouhanohyou
この一件には多くの含蓄があると直感するが、残念ながら、この後にこの脳波が再現することは無かった。
現在、様々な分野の達人にご協力いただいて、脳波のデータベース構築に取り組んでいる。
また、脳波測定の依頼もお受けしている。関心のある方はお気軽に連絡いただきたい。
http://www.selsyne.com/aim/finebrain/eeg/index.htm
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/
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