オーム瞑想でスローアルファ波を獲得したヨーギニー、伊藤玲子先生。
2011年初めてのブログ投稿です。本年も宜しくお願い致します。
昨年8月にヨーガインストラクター伊藤玲子先生の脳波を測定させていただいた。その時の様子は「ヨーガマスター伊藤玲子氏のチャンネル脳波は『ファストアルファ波』?」で紹介した通りだ。
12.5Hzのファストアルファ波が特異的に出現する玲子先生にリクエストしてみた。「このボルテージを保ったまま周波数を下げることはできますか?」と。ヨーガや座禅の修行をするとアルファ波が特異的(普通よりも高いボルテージ)に優勢となるのだが、更に熟達するとその周波数が下がるからだ。
しかし、脳波が12.5Hzにあたかも固定されているかのようで、いくつかの自己統制を試みても、目立った変化はファストアルファ波のボルテージが上下するだけだった。(それも凄いことだが・・・)
無理もない。これまでの玲子先生の自己統制訓練に自身の脳波が関連づけられていないから、脳波の変化をリクエストされても応えようがない。
11月に渡印された際に、今回は脳波の周波数を下げることを意識して修行されたそうだ。それを受けて、昨年12月に脳波を改めて測定する機会をいただいた。
上段のグラフは安静時の脳波だ。平均ボルテージはシータ波が17μVで、その他の脳波は全て20μV台である。それが、オーム瞑想に移ると、スローアルファ波が活性化して平均71μVにまで達した。
オーム瞑想とは、“オームー”と唱えながら宇宙と一体化するイメージを持つ瞑想法で、古来より行われているものである。15,6年前に日本を騒がせた教団とは関係ない。
そういえば、この教団には振り回された記憶がある。
自己啓発教材を販売する会社でユーザーサポート研修を行っていた時期のことだ。教材の習得効率を高めるために、瞑想誘導の音響を組み込んでいたのだが、その誘導音声で「オーム」というキーワードを入れていた。上で述べたように、古来から用いられている技法を応用したものだ。
ところが会員から、「“オーム”と聞くと、ひげ面のあの人物が浮かんできて練習できない」との悩みと不安が沢山寄せられた。「“オーム”と“オウム”は違います」なんて言っても何の解決にもならない。
社長の決断は早かった。すぐに誘導音声を録り直し、大量の在庫は廃棄された。
閑話休題。本題に戻ろう。
玲子先生は見事に自身の脳波をコントロールされている。
以前にもこのブログで述べたことがあるが、自身の脳波を自己統制によってコントロールするのは容易なことではない。
確かに脳波というのは本人の精神状態や生活のリズムで刻々と変化している。優勢脳波も然りである。ところが、この脳波を意識して変化させたり、意図した優勢脳波をこれほどはっきりとスイッチングすることはできないのが普通である。
各脳波の特徴については、セルシネのウェブサイト「NOWHADAS」に掲載している。
ところが玲子先生は、私がキューを出すと同時にスローアルファ波が優勢となった。このようにチャンネル脳波を外見上いとも簡単に切り替えられるのは凄いことなのだ。
この結果には大満足なのだが、測定者としては残念な部分がある。
ファインブレイン研究会で常用している脳波測定器「FM-929」が、設計仕様の弱点と思われることが原因で使えなかったことだ。そのため、別機種の「アルファテック4」で今回の測定を行った。機種にはそれぞれ癖がある上に、前回と今回の脳波測定を同じグラフ形式で比べることができない。
100万分の1という微弱な電圧を正確に計測するためには、測定器の性能にとどまらずオペレーターの技量が影響する。どのような測定環境下でも対応できるように自身のオペレーティング能力を研鑽していきたい。
なお、ここで紹介した脳波測定は弊社ウェブページ「脳波研究」に掲載している。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/
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