心理学者・富田隆氏ご来訪・・・まるでサンタクロースのようだった。
先週の水曜日、ちょっと季節外れの、そしてちょっと若いサンタクロースが現れた。
セルシネの電話が鳴ったのは朝9時を数分回った頃だった。「駒沢女子大学の富田と申しますが、今日お邪魔して脳波測定器を見せてもらうことはできますか?」と。
16時半からの面会を約束して電話を切った後、さっそくネット検索してみた。
「やっぱりそうか・・・」。掲載してあるご本人の写真と電話口の柔らかな物言いがピタリと合致した。
テレビでもお馴染みの心理学者・・・、あの富田隆氏である。
挨拶もそこそこに脳波測定器「FM-717」をさっそくご体験頂いた。
当然、富田先生は臨床用脳波計も含めて様々な脳波測定器を活用されてきているので、3分間の測定を1回行っただけで「FM-717」の反応が適当であることを認めて下さった。
その後、脳波解析PCソフト「パルラックス2」(「FM-717」のオプション)の操作を簡単に説明したところで、本システムの購入を決めて下さった。否、その日に現金でお支払い頂いたので、実は購入をほぼ決めてご来訪下さっていたようだ。
ただし、その気前の良さとこのお顔を以て冒頭に“サンタクロースが現れた”と言ったのではない。
私が「いつの日か・・・」と昨年から淡く祈念していたことが、今回の富田先生とのご縁で実現する可能性が出てきたことがその理由だ。
一つは、禅僧の脳波を測定すること。
ファインブレイン研究会の活動でヨーガや武道の達人達の脳波を収集してきたが、次の被験者として禅僧を探していた。
禅僧の脳波は脳波測定器の黎明期から沢山研究され、論文も多い。しかし、自身の手で、一流の禅僧の脳波を最新の測定器で追試したかったのだ。
「駒澤は曹洞宗系の大学ですから、これ(FM-717)を見て興味を持たれるお坊さんもいらっしゃるかもしれません・・・」と富田先生がポツリとおっしゃったのに間髪入れずに、「私にも是非測らせて下さい」とお願いした。
道元の只管打坐を実践するまっただ中の人達からどんな脳波が検出されるのか、凄く楽しみである。
もう一つの「実現する可能性」は、“音楽”である。
富田先生は、作曲家の神山純一氏とのコラボでアルファ波/リラクセーション系のCDをリリースされている。今回、脳波測定器「FM-717」をご購入頂いたのも、この一連のプロジェクトで活用するためなのだそうだ。
この話を聞いたとき、頭の隅に置いてあったアイデアを思い出した。
そのアイデアとは、ある法則を利用したメディテーション(瞑想)音楽を制作することである。
このアイデアを初めて人に話したのが昨年の1月である。相手はテンポ116の提唱者である片岡慎介氏だった。片岡氏はそれをさっそく音楽にし、その音のポテンシャルに驚きと興奮を伴わせながら私に報告して下さった。「今年出すアルバムの全曲にこの法則を加えますよ」と。
ところがその2週間後に突然逝去されたのだ。
その経緯はこのブログに投稿してきた通りだ。
『音楽家との嬉しい出会い。』 2010.1.17
『底知れない音楽の力・・・ご冥福をお祈り致します。』 2010.2.12
このアイデアを形にできる次のチャンスを待っていたというわけだ。
富田先生は、「それは面白いですねー。だって、この法則は本当に不思議なんですよねー」とおっしゃり、神山純一氏にこのアイデアを話してみると約束して下さった。
「禅僧の脳波測定」と「瞑想音楽の制作」。この二つのプロジェクトを実現する“縁”、そして脳波測定器を購入するために何十万もの“円”を持ってきて下さった富田隆先生のお顔がサンタクロースに見えたのだ。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/
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