SeSMaT No16 「一日16分節自己統制法」のサポートシート。
自分を作り、人生を作るための自己統制には様々な方法があるが、その中でも取り分け重要な分野の一つが「時間管理」である。時間軸を俯瞰して、リズムに諸々を合致させることはとても有意義なのだ。
社会のリズムや大自然のリズム、宇宙のリズム、お客様のリズム、恋人のリズム、家族のリズム、チームのリズム・・・。リズムが合ってくると親近感や居心地の良さも高まり、ひいては能力発揮にもつながる。
時間管理をする際には、一生の半サイクル「幼少青壮実老」という長いスパンから、季節「春夏秋冬」の巡りに伴った年間サイクル、週間サイクル、日間サイクル、呼吸や心拍、脳波のサイクルと、様々なリズムに留意してみる。
概ね一日の周期をサーカディアン・リズム、一日よりも速い周期をウルトラディアン・リズム、一日よりも遅い周期をインフラディアン・リズムと呼ぶが、本稿では、ウルトラディアン・リズムの一つである90分サイクルの生理に注目して、時間管理する方法を解説する。
睡眠時の生理変化に90分サイクルのリズムがあることはよく知られているが、日中の活動時にもそのリズムで自律神経は働いている。これが例えば自身の気分にも影響を与えているのだが、ややもすると見過ごされがちである。そこに、90分サイクルで時間管理するという視点を導入することにより、効果的な自己統制能力が養成されるのだ。
弊社トータルセッションで成果を上げているこのメソッドだが、ツイッターなどでつぶやいても反響が大きいテーマの一つになっている。しかし、それらの反響の殆どは、「面白そう」という観念的な好奇心に留まっているような印象である。
90分サイクルで時間管理するという方法は非常にシンプルだが、自身のリズムをつぶさに観察する習慣が、大きな自己統制能力を開花させるのだ。それを観念的な好奇心で留めているというのではもったいない。
そこで、コルパーに成る自己管理技術SeSMaT(セスマット)No16の「一日16分節(90分サイクル)スケジュール管理表」を提供することにした。このシートで90分サイクルの時間管理を実践してみて欲しい。
印刷用シート(PDFファイル)
まずはシート全体を眺めてみる。左上の0時から右へ時間が流れて右端が6時である。二段目は6時から12時。三段目は12時から18時。そして四段目が18時から24時である。
一日は24時間であるから、90分(1時間半)が16分節(セグメント)ある。この1セグに、取り組みの「起承転結」あるいは「緩急」、「集中と弛緩」のリズムを組み入れることになる。一目盛は10分である。
左上の曜日列は、該当する曜日を○で囲む。あるいは、例えば「第3火曜日」用のスケジュールならば、( )内にそれを記入する。
時間割は、実行時間帯を矢印で示し、取り組み(プロジェクト)名をカテゴリー毎に色分けするなどして視認性を高めると良い。スケジュールの記入方法は自由だが、以下に、いくつかのヒントを紹介しよう。
睡眠時間は、3~6セグのいずれかに1セグ単位で設定する。睡眠に掛ける時間は、日中の活動量によっても個人差が大きい。短いほど良いということはないので無理はしないこ。標準は5セグだ。
睡眠中の脳は90分サイクルを刻みながら大切な働きをしている。例えば、過去(経験)を整理したり、未来の行動計画の調整だ。その中でも特に脳(潜在意識)に実行して欲しいテーマ(あなたの目標など)を明確に記入する。
「人生は睡眠で作られる」と言っても過言ではないのだ。
夢を見ながら自然に目覚めたら90分サイクルのグッドタイミング、あるいはもっと生理周期に合致して目覚めた証拠となる。目覚まし時計は使わない方が良いが、念のためにセットするのであれば、90分サイクルから10分ほど遅れた時間とする。
入眠するときの数分間と目覚めたときの数分間を「脳のゴールデンタイム」と呼ぶ。このわずかな時間は、イメージトレーニングをするのに大変有効である。
入眠するときのイメージトレーニングでは、記入したテーマを改めて思い描く。目覚めたときのイメージトレーニングでは、その日に実行することをリハーサル(予行練習)する。
90分サイクルで目覚めると、頭はとてもスッキリしている。まさに「明鏡止水」である。特に、起床から1時間程度を「脳のフレッシュタイム」と呼ぶ。この時間帯をクリエイティブ(創造的、独創的)な活動に充てるのだ。起床した直後の1セグを有効に生かして欲しい。
起床したらそのままワークスペースに移動して取り組む。1時間程したら(もっと早く便意があればその時に)排便して、朝食の準備をする。このリズムが最高に良い。創造して、排便して、そして朝食を、である。
脳のゴールデンタイムとフレッシュタイムを逸して、いきなり脳波をベータ波にして日常の喧噪に突入するのではもったいなさ過ぎる。
今回は睡眠を中心にスケジュールの立て方と実践方法を解説したが、日中の行動も見つめ直しながら記入して欲しい。16分節毎の90分サイクルという視点を導入することで、新たな発見や気づきをもたらすだろう。
もちろん、16分節毎の90分サイクルに縛られる必要はない。私達の脳は、素晴らしい柔軟性と適応力、そして揺らぎ持っているからだ。そのときに、予定よりも長く取り組み続けたいならばそうすれば良いし、長く休憩を取りたいと感じたらそうすれば良い。大切なのは、1セグの単位で自身のリズムを把握することなのである。
昼寝を導入する場合は、1セグを充てる必要はない。昼寝の脳波は、夜に寝たときのような睡眠ステージの変化をたどらずに浅いから、20分程度で十分にリフレッシュするはずだ。
以上のことを心掛けて、一日16分節自己統制法を実践してみて欲しい。
気分の高め方や鎮め方、リズムのリセット方法などについては、トータルセッションでサポートしている。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/
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