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2012年2月 9日 (木)

研究者用高性能脳波解析PCソフト「パルラックス・プロ」がまもなく発売。ワクワク、そして使命感を刺激してくれるソフトな奴!

研究者用の高性能簡易脳波測定器「ブレイン・プロFM-929」のオプショナルPCソフト「パルラックス・プロ」をまもなく発売する。現在、バグの修正とブラッシュアップの最終段階だ。

「ブレイン・プロFM-929」には、脳波解析PCソフト「パルラックスF」が付属されている。しかし、研究者用と呼ぶには些(いささ)か物足りなさを感じる部分があった。

その不満を、「パルラックス・プロ」の投入で解消する。

価格は98,000円(税込)となる見通しだ。

後ほど触れるが、「パルラックスF」から「パルラックス・プロ」へのバージョンアップで測定精度も4倍に高まっている。そのため、既にご活用頂いている脳波測定器「ブレイン・プロFM-929」本体のプログラムもバージョンアップする必要がある。

よって、近日発売の「パルラックス・プロ」をお求めいただく場合は、お手元の「ブレイン・プロFM-929」をお送りいただいてプログラムの書き替えを行うサービス(無償)をご利用いただきたい。

一昨日、メーカーの若菜さんが「パルラックス・プロ」のベータ版を持って来訪してくれた。Prowakana

今回のバージョンアップにあたり、私が提出していた仕様の改善/追加要望24件のうち、11件を実現してくれている。

主なものを紹介しよう。

まず、今回のバージョンアップで一番の目玉は、脳波の原波形(RAWデータ)が観察できるようになったことだ。これを実現するために、サンプリング周波数を256Hzから1024Hzに高めている。

Promonitornumber
①の窓に表示される波形が原波形だ。縦軸が電圧で、-100μV~+100μVをカバーする。横軸は時間で、フルスケールが2秒である。これで、P300などの事象関連電位も取り扱えるようになった。

P300については、本ブログの「もう隠せない。嘘つきは脳波に表れる?」などで紹介してきているとおりである。これまでのアルファ波やベータ波、シータ波などの自発性(背景)脳波に加えて、受けた刺激に対する生理的反応や無意識的思考活動をもピンポイントで捉えることが可能となったのだ。

②の窓には、原波形からFFT解析された周波数(自発性脳波)の電圧が折れ線グラフで表示される。3Hz~30Hzまで0.5Hz刻みで解析された54個の周波数の中から、任意の周波数を最大5つまでチョイスできる。横軸の時間幅を任意に圧縮して、長時間の変化を一目で観察するのに便利だ。

また、イベントに合わせて最大99カ所に縦線のマークを挿入できる。そして、そのマークポイントにポンポンと移動できる。欲を言えば、マークポイント毎にコメントを記入できるようにして欲しかったのだが、今回は見送られた。

③の窓には、②で範囲指定(ピンクのゾーン)した時間幅を逆に拡大して表示できる。

④の窓には、3Hz~30Hzまで0.5Hz刻みの54個の全周波数の電圧が棒グラフで表示される。また、他の測定データを重ねて比較することもできる。更に、別フレームに棒グラフを拡大して開くこともできる。

⑤の表には、任意にチョイスした5つまでの各周波数の電圧とその平均値、そして優勢率が表示される。

測定できる最大電圧は100μVに高められた。これまでは50μVが最大だったのでたまに振り切れてしまう場合があったのだが、その心配は大幅に軽減された。

音楽プレーヤーのような早送り/巻き戻しボタンで移動できるのはもちろんのこと、時間軸に設けられているスライダーで素早く移動することもできる。

最大測定時間も大幅に拡大された。終夜の睡眠脳波を測定したいというニーズに答えて10時間である。

測定したデータは、原波形もFFT解析もテキストデータとして保存できるので、ユーザーがエクセルなどの表計算ソフトを使って独自の研究を行うことも可能である。(原波形ファイルの拡張子は「.txt」ではないが、エクセルなどで問題なく開ける)

Prowada
フューテック製の脳波解析PCソフトの良いところは、なんと言っても操作のサクサク感と視認性の良さだ。データ量が膨大になる原波形の扱いを始めるにあたって、このサクサク感が損なわれるのではないかと少々心配だった。しかし、その心配はまったくの不要だったようだ。

2009年に発売した「ブレイン・プロFM-929」の試作器に触発されてファインブレイン研究会を発足し、武道家やヨーガの達人達の脳波を収集しながら自己鍛錬法のエッセンスを抽出統合し、サポーティング・バイオフィードバック法の構築に取り組んできた。

今回この「パルラックス・プロ」のベータ版を手にして、更なる活動シーン拡大のビジョンが具体的になってきている。こんな手軽に事象関連電位が測定できると、色んな心理学的実験をしたくなってきた。

私の活動の全ては、コルパー養成プロジェクトの礎になっていく・・・。ワクワク、そして使命感を刺激してくれるソフトである。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/

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