フジテレビ「とくダネ!」で、涼の取り方『風鈴の音』『怪談話』『滝の映像』『かき氷』の効果を脳波で検証。
フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」から脳波測定のオファーをもらったのが今月10日、翌11日には東京駅近くの某会議室でロケが行われ、そのまま徹夜で編集作業をして翌朝の番組でオンエアされた。
私がロケ先から自宅に戻ったのは22時前だった。脳波解析データを画像36枚にまとめてディレクターにメール添付で送った時には24時を少し回っていた。送信の確認電話をディレクターに入れ、不明な点や相談があったら何時でもいいので電話を下さいと伝えた。
その後私は仮眠に入ったが、その間も編集作業が進められ、3時過ぎにディレクターから電話が掛かってきた。確認事項を了承し、やっと寝床に就くことができた。
そして8時、いつものように「とくダネ!」が始まった。
今回オファーを頂いたコーナーのテーマは、「日本の涼 検証」で、『風鈴の音』『怪談話』『滝の映像』『かき氷』という涼を取る方法が本当に効果的なのかの検証だ。
オンエアの画像を弊社脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」のテレビ番組紹介コーナーに掲載しているが、これとは違う画像をピックアップしながら紹介したいと思う。
検証に使われた測定器は、サーモグラフィーと非接触型温度計、体温計、血流観察装置、そして脳波測定器の5アイテムだ。私が担当した脳波測定は、簡易脳波測定器BrainPro-light「FM-828」を用いた。
そして、被験者は気象予報士の天達武史氏ら4名で、30代男性、40代女性、50代男性、60代女性が集められていた。
国保ヘルスアップ事業支援協議会の吉田省司理事長が用意された血流観察装置がこれだ。指先の毛細血管と、それを流れる血液の様子がよく分かる。
まず初めに、基準となる脳波を得るべく4名それぞれの脳波を2分間ずつ測定した。室温は30℃、控え室はもっと暑かったようである。
一つ目の実験は『風鈴の音』だ。梅津弥英子アナが団扇で風鈴を扇いで絶妙の音色を10分間奏でた。
そして、脳波測定の結果がこれである。ご覧頂きたいのは、優勢率(右側の棒グラフ)である。各脳波棒グラフの奥側クリーム色が基準脳波で、手前のカラーが『風鈴の音』を聞いた直後の脳波だ。
θ波やα波、β波などの脳波の種類と特徴は、脳波関連ポータルサイト「NOWHADAS」→「脳波の豆知識」→「脳波の種類」コーナーに掲載している。
一番変化したのがθ波で、15.0ポイント減った。すなわち、暑さでボーッとした状態が収まったのだ。逆に、スッキリ感の指標であるα2(ミッドα)波が5.8ポイント増えた。
残念なのは、セカセカ感の指標であるβ波の優勢率も8.3ポイント増えてしまったことだ。覚醒度が上がったとも言えるが、やはり良い状態とは言いづらい。ただし、左側棒グラフのβ波平均値(電圧)はさほど上がっていない(0.2μV上昇)ので、セカセカ感が上昇したというよりも、気が散った(散漫になった)時間が増えたと評価すべきだろう。
その後の実験は、立川談幸師匠の『怪談話』。(落語家の噺を生で味わったのは人生初の体験だった)
『滝の映像』。(OAでは、飛ばされて最後にスタジオで上映された)
最後の『かき氷』へと続いた。
全ての実験が10分ほどで、一つの実験が終わる毎に、体温、皮膚温、血流、脳波の測定が行われた。
今回の実験では、天達武史氏に最も効果的な涼の取り方は『滝の映像』であることが分かった。β波、α3波、α2波の優勢率はほとんど変わらず、α1波の優勢率が9.2ポイント増え、θ波は逆に9.3ポイント減った。
一目瞭然の脳波解析グラフをお見せしたいが、OAで使われていないので、このブログに掲載することは控えたいと思う。
私のこのコメント「ボーッとした状態から、落ち着いた状態に変わった」が最も当てはまったのが、『滝の映像』だったのである。
α波が強く出ると、鮮明なイメージを描きやすいから、身体もより涼感に反応しやすくなる。そして・・・
ひいては、「心頭滅却すれば火もまた涼し」の境地に達するのだ。
ただ、この日の天達武史氏は、上に紹介した脳波解析グラフのように、一貫してβ波優勢の脳波バランスだったため、毛細血管内の血流や体表面温度には目立った変化が起きなかったようである。
スタジオでは、菊川怜さんが、「太陽の陽射しを浴びているイメージで、実際に汗が出てくるようになる」という俳優のトレーニングメソッド「感覚訓練」を披露した。
今回実験した『風鈴の音』『怪談話』『滝の映像』は、脳波測定の見地からも一定の効果が認められた。
『かき氷』については、下がりすぎた体温を自律機能が上げようとするため、逆に熱くなってしまうこともあるようだ。少しの量をゆっくりと食べることが大切とのこと。『かき氷』を食した後の脳波は、4名がバラバラの反応を示した。涼を得るためには、しっかりとした管理(食べ方)が必要なようだ。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
http://www.selsyne.com/aim/
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