NHK Eテレ「Rの法則」で、テスト勉強に集中する方法の効果を脳波測定で検証。
今月7日に放送されたNHK Eテレ「Rの法則」に出演したので振り返りたいと思う。
同番組は、「10代が気になる話題をリサーチ&ランキング!」をキャッチフレーズに、毎週月曜~木曜の18時55分から30分間、様々な分野の話題を楽しく紹介している。
脳波測定サービスのオファーを頂いたのは、1時間目の「テスト勉強に集中する方法」で紹介されるメソッドの効果を検証するためだ。
番組ではまず、10代女子を街頭インタビューし、テスト勉強に集中できない悩みをリサーチした。集中できなかった経験が諸々打ち明けられ、みな「あるある、わかるわかる」というものだった。
そして、273人中91パーセントが集中する方法を知りたいと答えたと紹介された。
この悩みを解決するために登壇された講師が、日本集中力育成協会の森健次朗理事長だ。氏は、小学生から一流スポーツ選手まで延べ15万人を指導してこられたそうだ。
番組では、誰でも簡単にできる集中力アップ法が2つ紹介された。1つ目は「姿勢を正して深呼吸」、2つ目は「一点を見つめろ!!」である。
やり方は、番組ウェブページに紹介されている。
「呼吸法」と「一点淡視残像法」(私はこのように名づけている)は手軽に実践できる集中法で、私もこのメソッドを30年間指導してきている。
今年6月に出版した書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」でも詳しく紹介しているので参考にして欲しい。
本書の紹介ウェブページ
この方法を実践すると頭がスッキリし、集中する対象が良く聞こえ、良く見えるようになる。例えば、心のノイズ(頭の中でゴチャゴチャと喋っているような感じ)が無くなったり、テレビの輪郭や遠くの山並みの稜線がクッキリと見えるようになる。まさに、“聡明”となるのである。
さて、ここからが私の出番だ。
「α波はリラックスしたときに出る脳波で、β波は集中したときに出る脳波だ」と思っている人が多い。しかし、この認識では30点だ。
確かに、普通の人が何かを頑張るとβ波の電位が上がる。だから、マン・マシーン・システム(例えば、脳波を読み取って機械を動かす装置)では、β波を指標にすることがある。手足の麻痺患者のリハビリでもそうだ。この分野における大学の研究プロジェクトへのサポート実績も弊社にはある。
数年前に流行った“集中力で動かすおもちゃ”でも、子供が力んでおもちゃを動かそうとしているシーンがテレビでも頻繁に紹介された。このときにも私は警鐘を鳴らした。“それでは凡人化トレーニングにしかならないよ・・・、ますます凡人になる”と。
そのおもちゃはβ波を集中力の指標とし、β波が強いほど集中力も高いと評価していたからだ。
繰り返すが、普通の人が何かを頑張るとβ波が強くなる。これを私は「凡人集中」と呼んでいる。
βモード(β波が優勢な脳の状態)では、持てる能力(潜在能力を含む)を十分に発揮できないばかりか、溜め込むストレスも多く、度が過ぎると燃え尽き症候群に陥りやすい。
しかし、スポーツやビジネス、芸術、対局、治療など様々な分野で功績を築く人は、その能力を発揮しているときにはα波がより強くなっている。これを「達人集中」と呼ぶ。
リラックスした脳はαモードとなるが、その電位はそんなに高くない。しかし、達人が集中すると、α波の電位はとても強くなる。達人は、ストレッサー(ストレスを引き起こす刺激)をスパイス(適度な刺激)に変えて生かしているように思える。
集中すると脳の活動電位が高くなるが、そのときの脳コンディションがβ波優勢なら「凡人集中」、α波優勢なら「達人集中」なのである。
α波が達人のように高くならないにしても、効果的な集中力アップ法は脳をαモードにする。すなわち、“聡明で落ち着いた集中力”である。
βモードの集中は、“焦りと緊張の集中力”である。
達人脳波に興味があれば、以下の弊社ウェブページを参考にして欲しい。
テスト勉強に集中したいときも同じで、脳をαモードにすることが大切だ。そうすると、聡明な状態で勉強に取り組むことができる。
森健次朗氏が紹介された2つの方法は、思考ノイズや雑緊を鎮めるのにうってつけの集中法なのだ。
閑話休題・・・
今回は、国際10-20法のFzを測定するために、弊社特製の万能脳波センサー「エンフレック」を用いた。
国際10-20法のセンサー配置図と万能脳波センサー「エンフレック」の紹介を、弊社ウェブページに掲載している。エンフレックは、簡易脳波測定器の活用シーンを飛躍的に向上させる弊社オリジナルセンサーで、このアイデアが脳波測定器メーカーにも採用され、様々な研究機関で利用されている。
集中力アップ法を実践する前に計算問題を解いたときの脳波と、上に紹介した2つの集中力アップ法を実践した後に同様の問題を解いたときの脳波を測定した。
得られた脳波(α1、α2、α3、β)をリアルタイムに表示していく。
各脳波の特徴も弊社ウェブページに掲載している。
α波が強いほど得点が高く、β波が強いと低くなる。具体的な算出式は公開しないが、プレミアム「脳波測定サービス」オールインワンをご用命頂いたプロジェクトでは開示している。この算出方式のアイデアは、慶応大学の研究室や東大系ベンチャー企業にも採用されている。30年に渡り約11,000名の脳波を測定してきた弊社の無形資産である。
またまた閑話休題・・・
一番左の女性が一番バッターだったのだが、いきなり高い好集中度を記録した。これは、昨年フジテレビ「めざましテレビ」からのオファーで、大学予備校の生徒達の脳波を測った際、とても強いα波を出す生徒に私が驚いていると、坪田信貴先生(映画化された「ビリギャル」の先生)が「彼は東大を受験します」と教えてくれたその彼の記録を超える結果だ。
当時のオンエアの様子も、テレビ番組協力実績紹介ページに掲載している。
10名中8名が肯定的な結果となった。脳波からの評価もバッチリの意識集中法なのである。
念のため、以下のことを付け加えておきたい。
現時点で好集中度が低くても落胆するなかれ。コツを覚えれば脳コンディションは改善できるし、好集中力を発揮した聡明な脳コンディションは、眠った潜在能力を顕在化させる。その可能性にワクワクの期待感を持って欲しい。今よりももっと良くなる、今よりももっと楽になる、今よりももっと聡明な脳コンディションで取り組むことができるようになるのだ。
「好集中力」や「閃き力」、「自己変革力」などの開発を、セルシネのトータルセッションでサポートしている。個人セッションから講演まで、様々な形を用意しているので、是非!
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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