玉ネギの快眠効果説は本当か? テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」からのオファーで脳波測定実験した結果。
今月1日に放送されたテレビ朝日「ハナタカ!優越館」に脳波研究家として出演した。
テーマは、玉ネギの“快眠”効果説検証である。
この企画の相談を頂いたのが10月19日、1時間ほどの電話で諸々の質問に答えながら、脳波測定の方法を詰めていった。
テレビ番組で脳波を測るときは、「脳波の判定精度」と「視聴者目線での分かり易さ」の折り合いを付けなければならない。今回のような睡眠評価を、簡易脳波測定器で定量的かつ瞬間的に下すのはとても難しいのだ。
被験者は6名の男女。2人ずつ3組の睡眠脳波を測定した。
大学で実施する研究でも言えることだが、集った被験者の中には脳波測定に、或いは脳波解析対象に適さない人が含まれるものだ。例えば、何らかの理由で脳波の検出が極端に小さい人や、測定環境に馴染めない人だ。
テレビ撮影の現場では、それらの人を適化していく時間的余裕がない。よって、キッパリと諦める。
さて、玉ネギの快眠効果、その結果は・・・
左が「玉ネギなし」で右が「玉ネギあり」のそれぞれ就寝30分間の優勢脳波である。
上から時計回りで一周30分、表示グラフでは色が潰れてしまっているが、1秒毎にどの脳波が一番強く出ていたかを示す。
赤色がβ波、黄色がファストα波、緑色がミッドα波、水色がスローα波、青色がθ波という定常脳波である。定常脳波の特徴
「玉ネギなし」の円グラフを見て欲しい。6分辺りからミッドα波が優勢になっている。しかし、12分30秒辺りでβ波優勢に切り替わった。“入眠失敗”である。この後10分程β波優勢の悶々とした状態が続いた。
ところが、玉ネギを枕元に置いて就寝すると、ときおりβ波が優勢となることはあったものの、30分間ミッドα波の優勢傾向が続いた。
残念ながら入眠には至らなかったのだが、玉ネギのリラクセーション効果は大である。
他にも「強いミッドα波優勢」が「強いスローα波」に切り替わった人や、本当に入眠した人もいたのだが、放送で紹介されなかったので、本稿で具体的に紹介することは控える。
α波が強く出ていても、上に紹介した優勢脳波の円グラフには反映されない。また、入眠すると、その瞬間にα波がストンと沈静化するのだが、それもこの円グラフでは分かりづらい。だから上の一例を番組では紹介されたのだろう。
入眠すると同時にα波が沈静化する様子は、弊社ウェブページ「終夜睡眠脳波の分布グラフ例」に紹介している。
番組からピックアップした他の画像は、いつものように「テレビ番組協力実績紹介ページ」に掲載させて頂いた。
今回の「玉ネギの快眠効果説は本当か?」を紹介した放送時間はわずか2分10秒だったが、問題提起から実験の様子と結果、そしてスタジオでのタレントさん達の遣り取りをギュッとまとめられた内容で楽しかった。
既に実践したことがあるという二人がスタジオでおっしゃったように、玉ネギの臭いは強く、実験場での換気にも気をつかった・・・
玉ネギのリラクセーション効果と快眠効果は、「ハナタカ!認定」にふさわしいものだった。
感謝。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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