シアトル・マリナーズへの復帰が正式に決まった日の記者会見でイチロー選手が語った“泰然”とは・・・、そしてその鍛錬法とは。
イチロー選手の実力と伝説をここで改めて紹介するまでもないが、44才となった自身の移籍先がなかなか決まらないでいたときに、帰国中のイベントに参加したイチロー選手は次のような比喩で表現した。
「ペットショップで大きな犬が売れ残ったような状態」
イチロー選手のマリナーズ復帰が正式に決まった昨日、日本時間の午前5時半に記者会見が行われた。
シーズン開幕まで1ヶ月を切ったこの時期にやっと契約となったわけだが、メジャープレーヤーを続けるという気持ちにブレはなかったそうだ。
明確な“意志”を持ってチャレンジした場合、その結果は“得意”となるか“失意”となるかのいずれかだ。
記者の質問に対し、イチロー選手は次のように答えた。
「色々なことを考えました。ただ、周りも心配してくれる声は沢山聞いたんですけども、僕自身の状態としては、“泰然”とした状態であったと思います。なぜそうなったのかは分からないですけども、ただ、泰然という状態は、自分がプレーヤーとしても人間としても常にそうでありたいという状態、目指すべき状態ではあったので、そういう自分に出会えたことはとても嬉しかったです」
記者からの「以前マリナーズに在籍していたときと比べて、選手として何か変わったことはあるか?」の質問には、次のように答えた。
「色々なことを経験しました、この5年半。悔しい思いも沢山してきた5年半だったので、色んなことに耐えられるんじゃないかと思っています」
パフォーマンスに自信があるのに、試合に出場できない状況は悔しいだろう。
イチロー選手が目指し、そして体現できたと感じた“泰然”とは、一体どのような精神状態だろうか。
“泰然”の辞書的意味は、「気持ちが落ち着いていて、物事に驚かないさま」である。
“泰然自若”となると、「気持ちが落ち着いていて、物事に動じないさま」となる。
書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」 の第六鍵「誠」で解説した六然(りくぜん)にも“失意泰然”がある。
“失意泰然”とは、「失意のときには、ゆったりと落ち着いていなさい」という教えである。
普通の人なら失意と言える状況でも、イチロー選手は“泰然”であり続け、意図する(メジャープレーヤーを続ける)状況を引き込み実現したのだ。これが、目標を達成する人と諦める人の決定的な差なのである。
言うは易く行うは難しである。
“泰”とは、ゆったりとしている状態を表すが、決して「動きが鈍い」ということではない。むしろ、地の気と天の気がダイナミックに混じって和合し、新たな秩序を作る様相なのである。
この地天泰と呼応する自身のあり方を“平常不動心”(びょうじょうふどうしん)と呼び、同じく書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」で解説している。
それでは、平常不動心というあり方を実現するためにはどうすれば良いのか? その鍛錬法の一つである一点淡視法と私の実践及び体験も同書に紹介している。
是非!
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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