情報循環モデルの中の理性的自我の役割を知る。
拙著「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」紹介ページに、動画「情報循環モデルの中の理性的自我の役割を知る」を掲載したので、本ブログには、その原稿と画像を記しておきたい。
こんにちは。セルシネ・エイム研究所の和田知浩です。
この動画では、「情報循環モデル」の中の「理性的自我」の役割についてお話しします。
前回は、「感性的自我」の働きを中心にお話ししました。
「出来事」の情報が「感受」され、「表象」「生理」「認識」「感情」「言動」と展開しながら、「現状」を作っていくステップでした。
今回は、「理性的自我」です。
「理性的自我」は、「感性的自我」の「感受」から「言動」までを、そして、「出来事」や「現状」をつぶさに巡察します。
その上で、「感性的自我」を的確に統御します。
「理性的自我」のステップも、「感性的自我」と同じように6つあります。
「離れて」「観て」「感じて」「考えて」「決めて」「遣る」です。それでは、ステップ毎にざっくりとみていきましょう。
まず、「離れる」は、何かを切っ掛けに自己改善が必要だと気づいたときです。
例えば、勉強や仕事、趣味などに集中維持が出来なくなった場合、或いは、前回の動画で紹介した、カウンセラーがカフェで噂話を聞いたときや、クライアントから久しぶりにセッションの予約が入ったとき、そして実際に面談したときの、それぞれ嫌な感覚を感じたときです。
こういった嫌な感覚に気づいたときには、既にもう一人の自分、すなわち「理性的自我」が「感性的自我」から離れ掛けています。人生が上手くいかない人の多くは、この中途半端な「離観」のままで、何かおかしい何かおかしいと、ぼんやり酔生夢死のように生きて、そして死んでいきます。
何かの歯車が狂って、自己改善が必要なときには、「理性的自我」が「感性的自我」からしっかりと離れなければいけません。
何かおかしいと気づいたときに離れる方法は、例えば、手首にはめた輪ゴムをパチンとやる、或いは、「離観!」と声に出して、両手で両ほほを叩くなど、様々な方法があります。
もちろん、痛覚を利用しない方法もあります。自分に合った遣り方を見つけてください。
しっかりと離れたら、次にやることは「観る」です。「感性的自我」の「感受」「表象」「生理」「認識」「感情」「言動」をつぶさに巡察する、これを「内観」と言います。そして、「出来事」や「現状」をつぶさに観察する、これを「外観」と言います。
自分の悪い、役に立たなくなった言動パターンが発動しているのを、同時に観察していることもできます。アンガーマネジメントの初動としても効果的です。
次は「感じる」です。「感性的自我」の様子をありのままにしっかりと豊かに感じて、情操を養います。
私達は、自己防衛反応によって、失体感症や失情感症に陥っている場合があります。自己防衛本能を変えようとする努力は不要ですが、自己防衛反応は、必要ならば積極的に変えていって良いものです。
ただし、「離れて」、「観て」、「感じて」という一連の巡察では、「感性的自我」や他人を、或いは「出来事」をジャッジすることは不要です。ただただ、ありのままを「観て」、そして「感じ」ます。
次は「考える」です。ここからはしっかりとジャッジを下していきます。ただし、柔軟性は保ったままです。
ともすれば、「再生的思考」にとどまって、何度も同じ失敗を繰り返しているかもしれません。「再生的思考」を止めて、「生産的思考」で閃きを得ます。
その際は、例えば、次のようなことをチェックします。
過剰に失敗を恐れていないか?
必要以上の完璧さを求めていないか?
どこかに無理が生じていないか?
役に立たない拘り(こだわり)や蟠り(わだかまり)がないか? などです。
この思考の前提として、次のような考え方も有益です。
「失敗したとしても、その後の対処次第で自身の真価を示すことが出来る」
「嫌いなことや失敗を避けようとする努力は、“努力逆転の法則”に陥りやすいが、好きなことや成功した結果のイメージを背景に、今此処に集中して努力すると“努力順転の法則”を生きることが出来る。この法則を体現するためにどうするか」 などです。
また、他者や環境との整合性を見極める“エコロジー・チェック”や、倫理や道徳に心を配る“エシカル・チェック”なども重要です。
次は「決める」です。決断して、結果を覚悟することと言ってもいいでしょう。
前のステップの「考え」の決着であると共に、次のステップの「遣る」の結果を先取りした決着でもあります。「考え」と「遣る」をしっかりと繋げて実現を約束することです。
本にも紹介した通り、私が会社勤めで中間管理職に就いていたときに実践していたアファーメーション、「私は責任を持って決断し実行します。」は、この、「考えて」「決めて」「遣る」、の一連を宣言していたわけです。
「私は責任を持って決断し実行しています。」と、現在進行形で宣言するのも良いでしょう。
そして最後は「遣る」です。「天使のように大胆に、悪魔のように繊細に」「感性的自我」を統御して現実化します。
「離れて」「観て」「感じて」「考えて」「決めて」まで、全てに接続助詞の「て」をつけている理由は、6ステップの一連を切れ目なく続けて行い、最後の「遣る」、で仕留めるということを示すためです。
うまくいかなかった事柄の後に、それを思い出しながら、6ステップを時間を掛けて行うことも出来ますが、うまくいっていない最中に、6ステップを行い改善することも出来ます。
ただし、最中に行うためには、ワーキングメモリーの活性化が欠かせません。
ワーキングメモリーとは単なる記憶ではなくて、この様な6ステップをリアルタイムに働かせる機能も含みます。
ワーキングメモリーを活性化させる「抗ストループ訓練」や、「速話聴取法」、そして、ワーキングメモリー能力を判定する様々な動画を、セルシネのYouTubeチャンネルに用意していますので、是非ご利用ください。
前回の動画で解説した「感性的自我」が『水平の6ステップ』であり、今回の「理性的自我」が『垂直の6ステップ』です。
この情報循環モデルの自己統御法を「T型12ステップ法」と呼びます。
何かが上手くいかないとき、例えば、目標達成や能力開発がなかなか進まないとき、或いは人間関係でつまずいたとき、そういったときに、自分のどこに注目して自己改善すれば良いのか、そして、自分の何を生かせば良いのか、そんな視点のお話しを、二本の動画に渡ってしてきました。
いかがでしょうか? 詳しい内容と遣り方は、この本、「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に書いていますので、参考にしてください。
また、パーソナルサポートやセミナーのプログラムも用意しておりますので、是非ご利用ください。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
https://selsyne.com/aim/
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