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2020年8月 6日 (木)

読書をしていて寝落ちしない方法。あるポータルサイトのライターからの依頼で寄稿した解説。

 先月、「読書をしていて寝落ちしない方法を教えてください」という質問を、あるポータルサイトのライターから頂いた。


 その回答を少々改訂して本ブログにも投稿しておく。自己紹介かたがた、脳波の説明から稿を起こした。
Photo_20200806164701

 横軸が脳波の周波数で、1Hzから30Hzまでを0.5Hz刻みで表示しています。縦軸は経過時間で、上から下に時間が進んでいます。

 この脳波測定例では、就寝の準備を整えた閉眼安静時のαモード(α波優勢)が、測定開始から10分弱続いています。その後、α波が断続的となり、14分45秒辺りでδモードに転換し入眠(寝落ち)したことが分かります。

 

 このように、睡眠状態は脳波を測定することで手に取るように分かることを紹介した。

 次に、就寝してから読書する場合、すぐに寝落ちする人としない人の脳の違いについて話しを展開した。

 

 読書行動は、内容に興味があり且つ理解できていることで持続します。脳内では、オレキシンという神経伝達物質が覚醒状態を維持させる根本機能として働きます。

 また、本の内容によって覚醒タイプが分けられます。すなわち、安らぎ系はセロトニンを、熱中系はドーパミンを、激怒系はノルアドレナリンの分泌をそれぞれ促します。

 このように、覚醒を支えるオレキシンと、覚醒トライアングルのいずれかが呼応して読書行動を維持しますから、適切な内容の本を選択することがとても大切です。

 

 さらに、授業中や仕事中などの寝てはいけない状況下で寝落ちしてしまう人の特徴に言及した。

 

 読書と同じように、興味を持ち理解して取り組んでいる手応えが大切です。ただし、いくら覚醒の根本物質とトライアングル物質が分泌されても、脳自体のエネルギー源であるブドウ糖とそれを燃やすための酸素が足りなければ、脳の効率的な活動を維持することはできません。

 さらに、脳活動の結果代謝される疲労物質のアデノシンは、覚醒のトライアングル物質などの働きを阻害する役割を担っています。脳の活動を抑え、睡眠によって疲労回復するためです。

 このように、脳のエネルギー不足と疲労物質の蓄積が寝落ちを誘発します。

また、睡眠時無呼吸症候群の症状が昼間の寝落ち原因となっているケースも少なくありません。

 

 そして、次のようにまとめた。

 

 これまでに述べてきたように、取り組む対象に興味を持つことと理解することが大切です。興味を持つための一つの方法は、取り組んだ結果得られるであろう報酬を明確にすることです。報酬とは、誰かの笑顔や金銭、問題解決など多様です。わくわくする報酬を是非書き出してみてください。オレキシンやドーパミンの分泌が高まります。

 理解して取り組むためには、予習しておくことが効果的です。JR(準備と練習)することで理解が深まります。脳はβモードの焦った状態ではなく、αモードの落ち着いた集中状態となり効果的に能力を発揮できます。

 脳のエネルギー源であるブドウ糖は、炭水化物の摂取で蓄えられます。ただし、これを意識しすぎるよりもバランス良く食事することが大切です。また、折角のブドウ糖も、ビタミンB群の助けが無ければ脳で代謝されることができません。

 疲労物質アデノシンの働きを一時的にシャットアウトして脳を覚醒させるのがカフェインです。コーヒーや緑茶などを飲むのは効果的です。ただし、飲み過ぎは良くありません。特に妊娠及び授乳期の女性は注意してください。

 ビタミンB群とカフェインが含まれる栄養ドリンクを一時しのぎに飲むのも効果的です。(寄稿には栄養ドリンクの商品名も示したが、ここでは割愛させていただく)

 新鮮な空気を深呼吸することも効果的です。ヨーガ行者は呼吸法の実践で脳を飛躍的に覚醒させます。このことは、脳波にもα波の増強という形でハッキリと表れます。「片鼻呼吸法」や「火の呼吸」等がありますから、ご自身で探究してみてください。

 睡眠時無呼吸症候群の被験者の睡眠脳波を測定すると分かりますが、αモードが途切れてδθ混合モードの入眠になるとすぐにイビキが始まって覚醒する、これを何度も繰り返してしまいます。弛緩する度に舌根が気道を塞ぐのです。

 このような症状の人は、適切な枕を用意したり、寝姿勢を横向きにする等の工夫が効果的です。

 

おまけとして、読書をしていて眠くならない方法にも言及した。

 

 読書する場所や姿勢、視線、時間帯も重要です。

 例えばベッドに入って読書すると眠たくなるのも当然です。ベッドに入ると眠るという条件付けが普通は形成されているからです。また、この条件付けは、逆の不眠症に陥るのを避けるためにも大切にしてください。

 姿勢も、背筋を丸めると寝落ちしやすくなります。背筋を伸ばして読書すると覚醒を保ちやすくなります。

 視線が下向きになりすぎないことも重要です。下向きすぎると、催眠誘導と同じような効果を受けて寝落ちしやすくなります。本を置く高さと、それを見る視線の角度に注意してください。

 私達の生理は、旭を浴びてから約16時間後に入眠するようにプログラムされています。しかし、夜中にPCやスマホの光を見ていると、旭と同じような作用により寝付きが悪くなったり、16時間後には逆に眠くなったりして生活リズムが乱れます。

 また、適度な運動と規則正しい食事も体内時計を整えるのには重要です。

 

 こんなことを書いて寄稿した。本ブログの読者にも参考にして頂ければ幸いである。

 

セルシネ・エイム研究所 和田知浩
https://selsyne.com/aim/

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