睡眠脳波測定で証明したマッサージの快眠効果、デルタ波の出現期とパワーの違い。テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」にて。
今月13日(木)にテレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」で、私が脳波測定したシーンが放送されたので、いつものように振り返る。
今回の件で初めて連絡を頂いたのが7月20日、AP(アシスタント・プロデューサー)からのメールだった。
同番組からのオファーは4年前の2016年からこれまでに4回頂いた。初めの2回は、「玉ネギ臭の快眠効果」、「スプーンを用いたうまい仮眠のとり方」で、いずれも脳波測定をした。
後の2回は、「暗算しながら正座すると足が痺れない」、「『赤いきつね』と言いながら『緑のたぬき』とスマホに打つのは難しい」で、そうなる理由を私なりに脳機能の見知からコメントした。
5回目となる今回のテーマは「快眠に誘うマッサージの効果」を睡眠脳波測定で検証するというもの。久しぶりの脳波測定だ。番組も200回記念だそうだ。
脳波測定以外で呼んでもらったときは仕事の場が広がったようで嬉しかったが、今回は脳波測定でやはり嬉しかった。なんでも嬉しいのだ。声を掛けてもらえるということは・・・
撮影は8月3日(月)、多摩川近くのハウススタジオで行われた。
今回は、測定目的と測定環境に鑑みFzという部位に電極を置いた。電極配置の「国際脳波学会が提唱する10-20法」を弊社ウェブサイトに掲載している。
睡眠ステージ(深度)は、このOA画面左側の分布グラフで観察する。上に見える生波形もノイズ混入を見極めるために重要だ。
分布グラフは、縦軸が上から下へ時間の経過で、リアルタイムから過去3分までが表示されて1秒毎に進んでいく。横軸は1Hzから30Hzまでを表示している。小さくて見えにくいが、横軸には周波数が1、5、10、15、20、25、30と書かれている。
快眠マッサージを受けた被験者は程なくして中程度の睡眠(ステージ2~3程度)に入った。しかし、リアルタイム(最下)から数十秒前にデルタ波は途切れ、10Hz付近のアルファ波モードに変わった。これは、一瞬目覚めたことを示している。
廊下を挟んだ向かいの部屋に置いた「脳波解析画面」と「被験者を映すモニター」を観察しながら、刻々と変化する睡眠の様子を私は実況した。
睡眠深度が深まったことを私がファルセットのような声で告げると、ディレクターとカメラマンが色めき立つ。私達のざわつきが、離れた部屋で眠る被験者の脳波に影響する。その瞬間を捉えたのが上の分布グラフだ。
ざわつきによって覚醒することもあれば、脳のノイズキャンセリング機能によって眠り続けることもある。この反応は、アルファ波とベータ波の境界あたりに出現する脳波で判別できる。
就寝前の快眠マッサージありなしで、脳波はこの様な違いを見せた。睡眠マッサージありの方が断然デルタパワーが強い。すなわち、睡眠が深く熟睡したと言える。
ディレクターが「15分ものですよ」とつぶやいた。睡眠脳波測定中にそれだけ沢山の興味深いイベントがあったので、15分コーナーに拡大しても良い程という意味だ。嬉しかった。
テレビ番組に協力した際には内容に不本意な部分もありがちだが、今回はロケ後の編集作業中にもAPから、或いはAPを通じて何度かテロップやナレーションの確認を依頼された。おかげで「あちゃ~」という部分も無く、静かな達成感を得ることができた。
また、私が提出した図「睡眠深度ダイヤグラム」を元に、番組で睡眠の90分サイクルが動的かつ綺麗に紹介された。
これを機に、同図をリニューアルして弊社ウェブサイトの「睡眠脳波ラボ」に専用のページを新設して掲載した。
個人個人で、そして体調によっても大きく変化する睡眠浅深周期を観察することで、睡眠の質がよく分かる。新たな知見も得られてきているので、今後はこのページも充実させたいと思っている。
いつものように「テレビ番組協力実績」紹介ページに、OA画像を13枚掲載させて頂いた。感謝!
今晩(30日22時)、毎日放送(TBS系列)の「林先生の初耳学!」で、同じく私が睡眠脳波を測定し解説したシーンがOAされる予定だ。無事放送されたら本ブログで振り返りたいと思っている。
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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