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2021年12月 5日 (日)

vol.333 極寒極霧の屋外ロケ。TBS「水曜日のダウンタウン」で検証した脳の逆サプレッション機能。2021.12.5

今年9月に放送されたTBSテレビ「水曜日のダウンタウン」から、再び脳波測定協力のご用命を頂いた。その模様が今月1日に放送されたので振り返る。

ロケ地は茨城の工事現場で、テレビ番組で利用される有名な場所だ。ロケバスで到着した頃には夕焼けが支配し始めたのどかな風景で、この後に体験するノイズと極寒極霧の測定環境を想像することはできなかった。
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今回検証した説は、「めちゃくちゃうるさい所で寝てたら逆に静かになった瞬間目が覚める」である。
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事前の脳波測定テストでは、最上段の生波形に若干のノイズが混じっていた。センサーを短絡しているから、本来なら0Vライン一直線にならなければいけない。
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ただ、この程度なら睡眠判定に大きな支障は無い。

実験台はあかつさんである。この前に同番組の別ロケがあり、もう20時間起きていて軽い寝不足状態だそうである。
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「こんなの無理だよー、寝れないよー」とリアクションするあかつさんを布団に寝かし、頭に脳波センサーを着けた。寒さが徐々に増す中、エキストラによる妨害行動が始まり、もの凄い騒音と振動が現場に響き渡った。そんな中、検証開始である。
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「わっ、ノイズだ!・・・」モニター席に戻った私の口を衝いて出た。脳波測定断念も頭をよぎった。こんな波形では無理である。恐らく、発電機やランマからのノイズだ。

ディレクターもモニターをのぞき込んだ。
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そしてすぐに光明が目に入った。中段右側の分布グラフである。10Hz付近で綺麗に縦線を描き始めていた。これが閉眼安静時にでるα波である。そして、このα波が途切れた瞬間が寝落ちなのである。

生波形に表れた大きなノイズは30Hzを超える周波数だったため、分布グラフには影響しなかったのである。

縦軸は3分間で、途中から全周波数帯域(横軸、1.0Hz~30.0Hz)にノイズが混入しているが、これは被験者あかつさんがリアクション芸を演じているところで、脳波検証の必要がない場面だ。

ただ、とても眠れそうにない騒音と振動で、あかつさんのもんもんタイムが続いた。
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私は脳波測定グラフとあかつさんを映すモニター、そして現場も直接視認しながら実況を続けた。

入眠の瞬間も何度かあったがすぐに目覚める。一つの原因がランマの移動であるように感じたので、同じ場所に留まって妨害することなどを提案した。

そんな中、新たな不安要素が生じた。パソコンが霧でべちょべちょに濡れるのだ。画面は拭けば良いのだが、キーボードや端子もすぐにびっしょり濡れる。電流がショートしたら一巻の終わりである。あかつさんの横にセットしている脳波測定器も心配だったが祈るしかない。

そして30分が経過した頃、眠った!
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“熟睡”は大袈裟だが、確かに寝落ちした。

α波の沈静が十分に続いたのを確認し、“入眠”を宣言した。「寝ました、寝ました、凄い、寝ました」と。
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よくぞこの環境で眠った。

ディレクターが指示出しのためにクルー達の所へ駆け寄った。戻ってきたディレクターが「音声(スタッフ)も寝息が聞こえると言ってる」と教えてくれた。

ここから約30分経過を観察し、いよいよ検証である。

「めちゃくちゃうるさい所で寝てたら逆に静かになった瞬間目が覚める」のか。

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「音を消してから10秒以内に起きれば説立証」のルールだ。
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・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3

起きた!
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もう脳波測定の裏付けは必要ない。起きたのだ。

音が消えたら起きる。こういうことは多くの人が経験しているだろう。

例えば、テレビをつけたまま寝落ちしたとき、家族がテレビを消すと目覚めた、などだ。

そのバラエティ版だったわけである。

最後にディレクターから嬉しい言葉を頂いた。

「脳波は信じてなかったけど、よく分かりました」

嬉しかった。

寒さに震えながら私も感謝の意を伝えた。

寝落ちの瞬間は脳波測定で一目瞭然なのである。

こんなロケだった。感謝!

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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