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2023年7月30日 (日)

vol.339 カイロベーシック社と遣り取りする中で、更なる脳波測定技術の開発を決意させてくれた旭太郎先生の龍神ことだま療法。2023.7.30

大阪・泉佐野市の株式会社カイロベーシックからご用命頂き、4月27日に出張して脳波測定/脳コン解析サービスを実施した。その時に撮影した動画の編集が完成し同社からYouTubeで公開されたので紹介する。
Blog33901

施術者は株式会社鳳凰社の代表取締役である旭太郎先生だ。

被験者をタッピングしたり擦ったりする施術なので、脳波測定にはアーチファクト(ノイズ)が乗ってしまう。よって、施術中の脳波よりも、その前後を測定して比較するのが普通だ。

このことをご了承頂いた上で施術中の脳波も測定した。

まず、施術の前後比較だが、施術後の脳波がδ(デルタ)波からθ(シータ)波に掛けて増強した。特にδ波の増強には目を見張るものがある。

動画で話しているのでここでは詳しく述べないが、δ波が増強したということはデトックス(解毒/浄化)効果が高まったと言える。

視聴者に誤解を与えてしまう私の解説ミスが1箇所あったのでここで訂正させて頂く。

日中の活動によって溜まった老廃物がδモード(δ波が優勢に出ているとき)下の脳で洗い流されるのだが、この洗い流される物質を“アデノシン”と私が言っている。

しかし、これは“アミロイドβ”が正しい。

アデノシンは、人が活動して疲労することによって生成される物質で、これが脳内でアデノシン受容体に結合することによってヒスタミン(覚醒を維持させる物質)の分泌を抑えて、結果的に睡眠へと誘導する。いわゆる“誘眠作用”の働きである。

動画の後半では、老廃物としてアデノシンとアミロイドβの両方を言っているが、アミロイドβのみにするべきだった。アデノシンは疲労物質だ。

活動や疲労によって増加し、睡眠によって減少するという意味では同じだが、その働きは全く違う。

「視聴者の皆様、動画制作に携わった皆様、誠に申し訳ございません。脳の機序を正しくお伝えできるよう、これからも研鑽して参ります」


さて、今回の脳波解析で悩まされたのは、やはり施術中の脳波だ。

その異常なほどに高まるθ波とα(アルファ)波の特異脳波は動画で確認して欲しい。

撮影現場では、動画にもあるように「旭先生が被験者(患者)に触れるので脳波グラフにアーチファクトが含まれているリスクがある」ことを前置きした上で解説した。

後で編集できることなので、撮影時には否定的な(アーチファクトであり施術効果が測定されたものではない)ことから肯定的な(施術効果が特異脳波として測定された)ことまでを網羅して解説しておくのだ。

脳波に関係なく施術効果は素晴らしく、それを脳波の側面からもしっかりと解説できたことに意気揚々としながら同社を後にした。

しかし、その特異脳波はやはりアーチファクトである可能性が高い。

動画編集が始まる前にこのことは念押ししておかないと、折角制作された動画を後で大幅カットしてもらわなければならなくなる・・・。帰りの新幹線から「アーチファクトである可能性が高い」という旨を断腸の思いで同社にメールした。

詳しく分析するために、施術の様子と脳波グラフを同期した動画を同社から提供してもらい、旭先生と被験者の動き、生波形、そして棒グラフを具に観察した。

やはり、旭先生が被験者に触れるリズムと生波形の突発波が同調している。旭先生のタッピングが4.5Hzで、このリズムがθ波の増強としてグラフに表れていた。また、そのようなときに倍音(今回の場合は4.5Hzをピークに9.0Hz、13.5Hz、18.0Hz、22.5Hzが強く出ている)現象が生じることもあった。

私の見解を以下のように同社へ提出した。

「施術前後の比較でδ波が倍増したのでデトックス効果は謳えるが、施術中にθ波が増強したように見える部分はアーチファクトの可能性が高い」

同社もとても残念だったと思うが、この私の見解を受け入れ、その後も意見交換しつつ1ヶ月後には確認用動画を作り上げて提供してくれた。

良い出来だった。アーチファクトの件も私の見解を反映させて真摯に作られていた。これなら、脳波が分かる人が観ても文句はないだろうと思った。しかし、それと同時に、旭先生の施術能力を逆に限定評価してしまっているのではないかという気持ちが湧いてきた。

そんなことは絶対にしたくない。

タッピング動作がアーチファクトになっている可能性は高い、しかし、この刺激が実際にθ波を高めている可能性もある。

脳波学では、被験者に光の明滅刺激を与えて脳波の変化を調べる手法がある。この光刺激による脳波の反応を“光駆動”という。

だから、タップ駆動(タッピング駆動)があってもおかしくない。

タッピングにより生じたアーチファクトの中に実際の脳波増強が含まれている可能性がある。それなのに、アーチファクトであると一刀両断するのは評価者の傲慢と思慮の欠如ではないか。

また、倍音というのは一番低い周波数の基音から2倍、3倍、4倍へと行くに従って順に小さくなるものだが、今回の脳波測定では、一番低いθ波(基音)よりもα波が大きくなった箇所もある。これは恐らく、本来の脳波(α波)にアーチファクトが乗っているからだろう。

あるもの(能力)を無いと言ってはいけない、さりとてアーチファクトを以て能天気に喜ぶわけにもいかない。

そんな心構えで落としどころを探りつつ、更に2ヶ月遣り取りして完成したのが本動画である。

同時に、脳波分析法を更に向上させるためのプロジェクト準備に着手した。

普通は、脳波の生波形を観ればアーチファクトの混入をおおよそ判断できる。判断方法の例を弊社ウェブページ「睡眠脳波ラボ」に掲載している。

私が製品企画顧問を拝命している脳波測定器メーカーのフューテックエレクトロニクス株式会社と横浜市立大学(正式なスタートはまだなので教授名の公表は控える)との協同で、AI(人工知能)技術等を駆使した脳波分析手法の構築だ。

これまでにも、大小問わず複数の企業からご用命頂いて、AIの教師役を務めたことがある。すなわち、アーチファクト混入の有無を判断してAIにフィードバックする役割だ。

しかし今回の旭先生の施術では、タッピング時の突発波はそれと分かるが、擦った際に表示する強いθ波の生波形では、アーチファクトの混入を判断することはできなかった。本来の脳波と同じような滑らかな正弦波様だからだ。

よって、教師ありのAI開発では事足りず、教師なしでAIに学習させるための手法が必要である。

詳しくはまだ公表できないが、何としても実現したい。


カイロベーシック社からYouTubeで公開された動画は以下の通りだ。

【対談編】旭先生の“新施術”で脳波がとんでもないことに…!? (7月26日公開)


【身体の変化/ご感想編】寝ていないのに、良く寝た後のようなスッキリ感が…? (7月28日公開)

色んな立場の人と脳波を探究できていることにわくわくと感謝している。ありがとう!


セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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