vol.340 “閃き力”について考える。2023.10.5
昔、北宋(ほくそう。中国の王朝)の欧陽脩(おうようしゅう1007~1072。文学者/政治家)が次のように言った。
「余、平生作る所の文章、多くは三上に在り。乃ち馬上・枕上(ちんじゃう)・厠上(しじゃう)なり」(デジタル大辞泉より)
すなわち、考えを言語化して且つ推敲するのに便利な場所が「馬の上」「枕の上」「厠の上」の三上(さんじょう)ということだ。
厠(かわや)とは、小川などに架けた排泄場所のことである。
三上は欧陽が言った三つに限ったことではない。同じように効果的な場面は幾らでもある。欧陽も「その通りだ」と同意してくれると思う。
枕や厠と同じく、風呂にゆっくりと浸かっているときも効果的だ。
馬の上と同じく、現代なら電車や自動車、飛行機に乗っているときも良い。
適度な振動は脳のコンディションを聡明にする。ブログ「多様的バイブレーション効果。」で紹介した通りだ。
徒歩も良い。私は、セミナーのレクチャーをリハーサルする際にブツブツとつぶやきながら歩くことがある。時には身振り手振りも交えながら歩く。内容をまとめ且つ覚えるのに打って付けだ。
徒歩中のウォーカーズハイについては、書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」の28ページ辺りに書いた。入浴時の“心のガード”解除効果についても触れている。
このような時に脳はαモードになりやすい。すなわちα波が優勢の脳コンディションだ。
αモードで言語化と推敲をするために、三上を利用するという訳だ。
枕上や電車上がαモードに誘うことを、動画「ジブリメーションin南青山2020」の10分02秒から具体的な脳波測定グラフを提示しながら解説している。
セルシネの映像配信局
https://selsyne.com/aim/audiovisual/contents/0085.mp4
セルシネのYouTubeチャンネル
https://youtu.be/gNU8wGi-Mo4?si=y4Zd8WdUgA_fYnrj
このようなことから、閃きを得る場所として三上が推奨される訳だが、忘れてはならないのが“推敲”だ。
推敲とは、唐(とう。中国の王朝)の賈島(かとう。詩人779~843)が句を作った際に「推(おす)」を「敲(たたく)」に変えた方が良いか検討を重ねたことから、考えを十分に練るという意味で使われる。
三上で閃きを得るためには、この推敲が欠かせない。
閃きとは、素晴らしいアイデアなどが直感的に思い浮かぶことだが、そういう閃きの前には必ず推敲という潜在意識の耕しと種蒔きがあるということだ。
現実化するための取り組みは、αモードになる方法、推敲する方法、イメージする方法、言語化する方法、細分化する方法、実行する方法・・・と体系的な践略なのである。
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