vol.353 「未来に成功や自己実現した自分をありありとイメージするとモチベーションが逆に下がってしまう」は本当か。2024.10.19
いわゆる「論文」には価値がある。これに異を唱えるつもりは毛頭無い。
しかし、論文を読んで全て鵜呑みにしたり、分かったつもりになるのは危険である。
“将来の成功を今ありありと感じる”いわゆる「成功体験の先取り法」は、自己実現を目指す上で効果的なメソッドだ。
しかし、それをやるとモチベーション(達成しようとする意欲)は逆に落ちてしまうからやらない方が良いとの論説がある。
一昨昨日、私はセルシネHPのつぶやきコーナーで、次のようにつぶやいた。
「未来に成功や自己実現した自分をありありとイメージするとモチベーションが逆に下がってしまう? それは、現実化戦略を練って行動計画をつまびらかにしないからです。成功ノウハウはトータルで学んで実践してこそ価値があります。私がよく言う『削除することがあれば削除し、追加することがあれば追加し、修正することがあれば修正する』ことは重要です。それは、顕在意識だけでなく潜在意識が有効に働いてくれるためにも重要です。」
将来の成功をイメージしたことでモチベーションが下がることは、そのイメージワークが成功した場合にも生じる。
あることに成功している人にとっては、その在り方と能力、そして環境は当たり前のことであり、そこにギラギラしたモチベーションはない。
少し乱暴に言ってしまうと、モチベーションがあるということは、まだ道半ばということだ。
一方、イメージワークの結果としてモチベーションが一旦ゼロになったなら、その成功は当たり前で持続性をも得たということを意味する。
但し、現実が実現に至っていないのなら、現実化戦略としての課題/目標の細分化や実際の行動が必要となる。この時、その実現が当たり前となっている人の心には、(ギラギラではなく)落ち着いたモチベーションがあるのである。
すでにその分野で成功している人が当たり前に保つモチベーションだ。
モチベーションはイメージによって膨らませることよりも、行動によってリアルタイムに実地で湧かせることの方が大切である。
脳波で言うなら、β波やγ波のモチベーションではなく、α波のモチベーションだ。
凡人がβ波で頑張るところを、禅僧やヨーガ行者はα波で取り組む様子を私は脳波測定で何度も観察している。
「イメージで成功体験の先取りをするとモチベーションが下がるという論文があるから私はやりません」は、間違った結論である。
このような否定的な論説は、成功体験をイメージによって先取りする方法の目的を間違えている。イメージワークは、空噴かしのモチベーションを湧かすことが目的ではなく、当たり前になることが目的なのだ。
成功者に成り切って行動計画を立てつつ実行してみて欲しい。その瞬間に本物のモチベーションを実感するだろう。
一つひとつのメソッドでは遠回りや逆効果に見えることでも、組み合わせることで相乗効果を生む。
セルシネの自己統御法群「セスマット」(SeSMaT:Selsyne Self-Managing Technology)のNo.7「アファーメーション法」を書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」で一般公開している。
この他にも、メンタルトレーニング・サポートサウンド「実現」や行動計画の立て方などの情報を掲載しているので、サイトの探検を楽しんで欲しい。
成功ノウハウは、トータルで学び実践することが重要と言われるゆえんである。
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