vol.354 幸福な人生を築くために目標設定は必要か? 2024.11.24
27年ほど前、新宿駅西口のビルのワンフロアーで開催されたリクルート・イベントでの話しだ。
モチベーション産業のリーディング・カンパニーを自称していた自社ブースには毎回数十人の大学生が集まり盛況だった。
私の役割は、自社が提供する成功ノウハウの一端を披露する目的で「目標設定」の大切さをレクチャーすることだ。
レクチャーを終える頃、一人の男子学生が質問してきた。
「和田さんの目標は?」
それに私は、「ありません」と答えた。
その瞬間、ブース内の熱狂は潮が引くようにサーッと消沈し、同時にスタッフは凍り付いた(と思う)。
当時私は、能力開発/自己実現を支援する研修事業部のプレイング・マネージャーとして、全国10都市を廻ってレクチャーしており、この種の質問には百戦錬磨だった。
そんな私のちょっとした遊び心が発した返答だ。
しかし、リクルート・イベントで私に同行したスタッフは総務部や企画部に籍を置く者だったので、さぞかし肝を冷やしたことだろう。
さて、あなたに質問だ・・・。
「幸福な人生を築くために目標設定は必要だと思うか?」
その答えを書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に書いている。
ところで、私が目標設定の重要性を説きながら、自分は「いわゆる目標」を持っていないと答えた理由がお分かりだろうか?
謎解きのようで恐縮だが、それが私にとっての「守・破・離」だったのである。
自分が選んだ会社(道)なのなら徹底的に掟を守りなさい。
守りを徹したら欠くべからず者になる。
その上で、満を持したら掟を破って革新を提供しなさい。
破られた会社は脱皮の如く益々成長する。
どうしてもそれを拒むものがあるのなら、(腐れ)縁を破って離れた場所で実現させなさい。
それが守破離なのである。属する者と属されるものは呼応してこそ機能する。呼応しないのなら、属したり属させる価値はない。
人は自分が知っている知識や経験の物差しでしか測れないから、離れる時が来たのなら独立して信じるものを作りなさい。
破れかぶれではなく、守破離の道を行くのである。
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