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2020年9月11日 (金)

vol.324 目覚め方のコツと重要性。毎日放送「林先生の初耳学」~誰でも起きられる目覚まし音を作れる?~で、終夜睡眠脳波を測定して。

先月30日、毎日放送(TBS系列)「林先生の初耳学」で私が終夜睡眠脳波を測定した模様が放送されたのでいつものように振り返る。

 

番組ADから初めて電話を頂いたのが8月10日。「緊急地震速報のアラーム音を作ったサウンドデザイナーが新たに開発した目覚まし音なら、どんなに寝起きが苦手な人でも起きることができるのかを調べたい」とのこと。

 

翌11日10時、Zoomを利用してディレクターとサウンドデザイナー、AD、私の4人でリモートミーティングをした。

 

サウンドデザイナー小久保隆氏が今回開発された目覚まし音は、脳を段階的に無理なく目覚めさせるために4ステップの音を設定しているとのこと。

 

第一段階は右脳に寄り添う自然音、第二段階は優しい言葉で母に起こされるようなメッセージで左脳を、第三段階は両脳を刺激するミックス音、そして第四段階がスウィープ音だそうだ。

 

もちろん、大音量で叩き起こすなら簡単だ。しかしそれでは、スッキリと気持ちよく目覚めさせたとは言えない。「スッキリと気持ちいい」感がなければ、“覚醒の拒否反応”が起こって二度寝したくなる。

 

脳波研究家としての立場から予見を求められた際、「同質の原理」の重要性を発言する中で閃いたのが、この“覚醒の拒否反応”というワードである。

 

1時間半ほどのリモートミーティングで、この閃きが一番嬉しかった。オンエアでも、「いきなりベルの音が鳴ると目覚めの拒否反応が出て二度寝の原因にもなる」とテロップとナレーションで紹介された。

 

日頃、人生成功や自己実現をサポートする中で一部のクライアントに感じていた“成功の拒否反応”が閃きに影響したと思われる。

 

第四段階のスウィープ音のスウィープとは、「一掃する(sweep)」という意味だ。しゃくり上げるような人工音が何度も何度も繰り返される。そしてそのテンポが途中で速くなる。

 

これらの目覚まし効果については、昨年10月にオンエアされたTBSラジオでも私が解説している。ブログ『朝スッキリと素早く目覚める絶妙の楽曲を紹介。TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」からオファーを頂いて。』

 

さらに、寝ているときに脳がノイズキャンセリングする機能とその脳波についても、弊社ウェブサイト「睡眠脳波の測定/解析例」に掲載している脳波の分布グラフを案内しながら言及した。波形の名は睡眠紡錘波(Sleep Spindle Wave)で、目覚めているときに出れば、アスリートなどがいわゆるゾーンに入った変性意識状態で、驚異的な集中力でハイパフォーマンスを発揮する。

 

 

今回のロケ中にも被験者から幾度となく睡眠紡錘波が観察されその都度解説したが、テーマから逸れるので番組内容には含めないとディレクターから言われた。限られたオンエア時間だから仕方ない。

 

睡眠紡錘波は睡眠の中程度の深さで観察される脳波で、廊下を歩くスタッフの足音などに反応して生じた。

 

今回のロケで用いた脳波解析PCソフトは「アナライザープラス」である。画面中段右の分布グラフが睡眠深度の観察に威力を発揮する。素人が観ても分かり易いだろう。
01analyzerpluszengamen

 

 

睡眠ステージの評価基準(分布グラフの見方)画像を、以下URLに掲載している。
https://selsyne.com/aim/nowhadas/SleepEEG/bunpugraph-kaisetu2018.1.11-3.jpg

 

オンエアではこの分布グラフだけに注目して解説したが、私がロケ現場で評価する際には上段の生波形が重要な指標となる。睡眠深度毎の特徴的な波形が時折あるし、何よりノイズ混入(特に被験者の表情筋から生じるアーチファクト)の判別に必要なのである。上の参考画像では綺麗なα波が表示されている。

 

また、生波形エリアの下の全時間折れ線グラフも有用である。アナライザープラスは10時間の連続測定が可能であるが、今回は1時間毎に測定データを保存しながら進めた。万が一測定データを消失してしまうアクシデントの損失を小さくするための策である。

 

全時間折れ線グラフの時間経過は左から右に進む。参考画像では、測定を始めてから5分程は動いていたために、折れ線グラフのδ波(ピンク)がノイズの影響で強く(高く)表示されている。そのδ波は程なく沈静化し、20分辺りから再びパワーを増してきている。すなわち睡眠深度が深くなっていることを示している。

 

δ波の減増(睡眠深度の浅深)は、いわゆる90分サイクルで繰り返される。δ波が生波形の7割以上を占めれば、最も深い睡眠ステージだと判定して良い。
02suiminsindodiagram

 

 

小久保氏が開発された目覚まし音を鳴らすのは、被験者が最も深い睡眠になったときだ。しかし、最も深い睡眠は最初のノンレムで現れるのが普通である。今回のロケでは、被験者が十分に寝て、その上で朝方の睡眠が深いときに実験したいとの番組制作側からの要望だった。日常の寝起きを再現したいのだから当然といえば当然である。

 

レム睡眠のときの方が起こされにくい場合もあるが、これは被験者が夢に夢中だからだと私は考えている。目覚まし刺激が夢に同化して渾然一体となるため、そのまま夢を見続けるのだ。そしてもう一つ、ノンレム睡眠時よりも筋肉が弛緩していて身体が殆ど動かない状態であることも大きな要因であろう。これらの理由で目覚めが遅れるが、脳波の睡眠ステージとしては浅いと私は評価する。

 

ロケは、アパホテル〈六本木SIX〉のワンフロアーを借り切って行われた。
03apahotel

 

今回被験者となったタレントは3名。

 

番組で登場した順に紹介すると、一人目はギャル界の寝坊女王ことゆきぽよさん。番組で紹介された通りすぐに強いαモードとなり、それが4分程続いた後にα波がぷつりと途切れた。この瞬間が入眠である。

07nyuumin 

そして5時間の睡眠後、δモードの深い睡眠であることを確認していよいよ目覚まし実験である。

 

結果は、自然音に右脳が反応して弱いαモードが数分間続いた後に目覚めた。

 

ディレクターが部屋に入り本人にインタビューすると、ゆきぽよさんは時計を確認して「えっ、最悪 最低 5時53分じゃん!」と早く起こされた不満を口にした。しかしその後すぐに、「えっ、でも違う。いつも起きる5時と全然違う。すごい、初めてかも、目覚まし一発で起きたの」と実感を述べた。

 

次の被験者は、寝たら起きないプロレスラーの天山広吉さんである。放送された通り、リモート飲み会で酒をたらふく飲んでベッドに就いた。いつも私が言うことだが、適量を超えた飲酒後の睡眠は気絶(少々大袈裟な表現)である。

 

α波の消失と出現を短いスパンで繰り返し、一番長く20分程ノンレムが続いた後に覚醒してからはもう入眠することが無かった。そこから約6時間半のモンモンタイムはさぞかし辛かっただろう。

 

一週間後に追加ロケした際には寝酒を控え、入眠と覚醒実験も無事成功したのはオンエアの通りである。

 

最後の被験者は、謎解き王の松丸亮吾さん。子供の頃からの寝坊癖で、初めてのテレビ出演の際にも1時間遅刻して番組スタッフを待たせたのだそうだ。

 

松丸さんに脳波センサーを装着してからモニタールームに戻り、さっそく脳波測定を開始した。23時37分だ。するといきなりα波のような生波形が現れた。松丸さんを映すモニターを見ると太極拳のような体操をしていた。十数秒のことだったろうか?

 

分布グラフに目をやると、14.5Hz(画像赤丸の中心点)が一瞬強く出ていた。α波とβ波の境界付近のβ波だ。数十秒後、さらにα波寄りの波が出た。この時にはもう体操は終わっていたと思う。分布グラフでは赤丸のすぐ下のか所だ。目を開けて動き回っている状態でこのような脳波を捉えるのは珍しい。かなり集中力が高いとみた。
04matumaru145hz

 

この集中力が後に衝撃の実験結果をもたらすことになる。

 

松丸さんは部屋にリモートゲーム環境を構築し、友達と対戦ゲームを始めた。やっと就寝したのは4時22分だった。脳波測定を開始するとノイズが大きい。長時間ゲームに興じたために、眼筋が微かに痙攣しているようだった。これはちょっとよろしくないが、しばらくするとノイズも収まってきた。

 

そして8時、目覚まし実験のスタートだ。

 

目覚まし音の第一、第二と進むにつれてこのような脳波が出現し、睡眠ステージが中程度にまで浅くなった。このスピンドル波が、睡眠が継続するか覚醒するかの分岐点だ。さー、スピンドル波の盾は目覚まし音にはじき飛ばされるか、それとも防ぎきるのか?
05matumarueeg

 

そして第三段階、スピンドル波は消えて深い睡眠に戻った。第四段階のスウィープ音を鳴らしても脳波は深い睡眠状態であることを示し続けた。

 

睡眠も集中だ。松丸さんは凄まじい集中力を持っていた。

 

 

今回のオンエアでは採用されなかったが、私がインタビューに答えた内容を以下に記しておく。インタビューを横で聞いていたサウンドデザイナー小久保氏も賛同してくださった。

 

「オレキシンの分泌によって私達は目覚めます。その際、オレキシン+セロトニンで安らぎモードの覚醒となり、オレキシン+ドーパミンで熱中モードの覚醒、オレキシン+ノルアドレナリンでは闘争モードの覚醒になります。同質の原理を使って目的の目覚め方を実現する小久保先生のお考えは理に適っているし、とても重要なことなんです。」

 

目覚め方、そして目覚めたときの精神状態は重要である。ただの大音量アラームで起きてしまっては、αモードをすっ飛ばしてしまってもったいなさ過ぎる。起床時にαモードを数分間維持する時間を脳のゴールデンタイムと言って、その重要性はこのブログでも再三発信してきている。

 

8月に嬉しいことがあった。NTTレゾナント社が運営する「教えて!goo」のライターから取材を受けて私が回答した「脳波研究家に聞いた!本を読んで眠くなるとき、ならないときの違いとは?」の記事が、同サイトの人気記事ランキングの「ライフ」カテゴリーで1位、総合で2位を獲得した。先ほど紹介した神経伝達物質の違いによる精神状態の違いにも触れているので紹介する。掲載URLは以下の通りである。https://oshiete.goo.ne.jp/watch/entry/2aaf05344064f2583a49432924888c6b/


 

閑話休題

 

今回の番組を局がYouTubeの公式チャンネルにタイトル「誰でも気持ちよく起きられる!?最強目覚ましアラームを作ってみた!」でアップされている。ただし、スタジオで観ているタレントさん達のワイプ抜きは無いバージョンだ。
https://youtu.be/SAaymzuKK4o

 

また、今回の放送で利用された目覚まし音が各種音楽配信サービスからダウンロード(有料)できる。iTunesサイトではダウンロード数がベスト10入りしたそうだ。ダウンロード方法などの詳しい情報は、番組HPに掲載されている。

 

撤収作業のためにモニター室に戻ると、小久保氏と私をねぎらうメッセージが置いてあった。松丸さんのマネジャーからだ。

 

控え室も用意していただき、快適で楽しい「脳波測定/脳コン解析サービス」の実施となった。
06room

 

 

感謝。

 

 

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2020年8月30日 (日)

睡眠脳波測定で証明したマッサージの快眠効果、デルタ波の出現期とパワーの違い。テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」にて。

今月13日(木)にテレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」で、私が脳波測定したシーンが放送されたので、いつものように振り返る。

 

今回の件で初めて連絡を頂いたのが7月20日、AP(アシスタント・プロデューサー)からのメールだった。

 

同番組からのオファーは4年前の2016年からこれまでに4回頂いた。初めの2回は、「玉ネギ臭の快眠効果」、「スプーンを用いたうまい仮眠のとり方」で、いずれも脳波測定をした。

 

後の2回は、「暗算しながら正座すると足が痺れない」、「『赤いきつね』と言いながら『緑のたぬき』とスマホに打つのは難しい」で、そうなる理由を私なりに脳機能の見知からコメントした。

 

5回目となる今回のテーマは「快眠に誘うマッサージの効果」を睡眠脳波測定で検証するというもの。久しぶりの脳波測定だ。番組も200回記念だそうだ。

 

脳波測定以外で呼んでもらったときは仕事の場が広がったようで嬉しかったが、今回は脳波測定でやはり嬉しかった。なんでも嬉しいのだ。声を掛けてもらえるということは・・・

 

撮影は8月3日(月)、多摩川近くのハウススタジオで行われた。
2020813hanatakablog1

 

今回は、測定目的と測定環境に鑑みFzという部位に電極を置いた。電極配置の「国際脳波学会が提唱する10-20法」を弊社ウェブサイトに掲載している。

 

被験者の頭に白いガーゼが見える部位がFzだ。
2020813hanatakablog2

 

睡眠ステージ(深度)は、このOA画面左側の分布グラフで観察する。上に見える生波形もノイズ混入を見極めるために重要だ。

 

分布グラフは、縦軸が上から下へ時間の経過で、リアルタイムから過去3分までが表示されて1秒毎に進んでいく。横軸は1Hzから30Hzまでを表示している。小さくて見えにくいが、横軸には周波数が1、5、10、15、20、25、30と書かれている。

 

快眠マッサージを受けた被験者は程なくして中程度の睡眠(ステージ2~3程度)に入った。しかし、リアルタイム(最下)から数十秒前にデルタ波は途切れ、10Hz付近のアルファ波モードに変わった。これは、一瞬目覚めたことを示している。

 

廊下を挟んだ向かいの部屋に置いた「脳波解析画面」と「被験者を映すモニター」を観察しながら、刻々と変化する睡眠の様子を私は実況した。
2020813hanatakablog3

 

睡眠深度が深まったことを私がファルセットのような声で告げると、ディレクターとカメラマンが色めき立つ。私達のざわつきが、離れた部屋で眠る被験者の脳波に影響する。その瞬間を捉えたのが上の分布グラフだ。

 

ざわつきによって覚醒することもあれば、脳のノイズキャンセリング機能によって眠り続けることもある。この反応は、アルファ波とベータ波の境界あたりに出現する脳波で判別できる。
2020813hanatakablog4

 

就寝前の快眠マッサージありなしで、脳波はこの様な違いを見せた。睡眠マッサージありの方が断然デルタパワーが強い。すなわち、睡眠が深く熟睡したと言える。

 

ディレクターが「15分ものですよ」とつぶやいた。睡眠脳波測定中にそれだけ沢山の興味深いイベントがあったので、15分コーナーに拡大しても良い程という意味だ。嬉しかった。

 

テレビ番組に協力した際には内容に不本意な部分もありがちだが、今回はロケ後の編集作業中にもAPから、或いはAPを通じて何度かテロップやナレーションの確認を依頼された。おかげで「あちゃ~」という部分も無く、静かな達成感を得ることができた。 

 

また、私が提出した図「睡眠深度ダイヤグラム」を元に、番組で睡眠の90分サイクルが動的かつ綺麗に紹介された。
2020813hanatakablog5

 

これを機に、同図をリニューアルして弊社ウェブサイトの「睡眠脳波ラボ」に専用のページを新設して掲載した。
Sleepdiagram2020812600

 

個人個人で、そして体調によっても大きく変化する睡眠浅深周期を観察することで、睡眠の質がよく分かる。新たな知見も得られてきているので、今後はこのページも充実させたいと思っている。

 

いつものように「テレビ番組協力実績」紹介ページに、OA画像を13枚掲載させて頂いた。感謝!

 

 

今晩(30日22時)、毎日放送(TBS系列)の「林先生の初耳学!」で、同じく私が睡眠脳波を測定し解説したシーンがOAされる予定だ。無事放送されたら本ブログで振り返りたいと思っている。

 

 

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2019年10月23日 (水)

朝スッキリと素早く目覚める絶妙の楽曲を紹介。TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」からオファーを頂いて。

今月6日(日)のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」で私が提供したメッセージが紹介されたので振り返りたい。

番組の放送作家からお電話を頂いたのが、オンエア前々日の金曜夕方だった。

テーマは「朝一秒でも早くスッキリ目覚める方法」。

先に発表された滋賀大学大平雅子准教授の研究チームにより提唱(研究途上)された方法を軸に、その他の方法も紹介したいとのこと。

メッセージの提供方法と謝礼金を提示され、このオファーを受けることにした。

電話を切った後、さっそく大平雅子准教授の発表内容を調べてみた。

ゼミ6期生朝倉大晟氏の卒論の一部をまとめたもののようだ。

被験者は13名の小学生で、電子アラーム音を鳴らした場合は平均310秒(5分10秒)、ところが“ある方法”では平均29秒(おおよそ10分の1)で目覚めたそうだ。更に、起床直後に簡単な問題を解かせると、“ある方法”ではミスが少なく覚醒度も格段に良かったという。

ある方法とは、「寝ている子の名前を呼んで起こす」である。

被験者のお母さんが呼び起こす声を事前に録音しておき用いたそうだ。

同放送作家は既に私が投稿している「スッキリ目覚める方法」を読んで頂いているようだったので、その方法を押さえて、更に理論的背景やその他の方法をこの様にまとめて提出した。

Tbsnichiyoutengokuteisyutu600

 

「スッキリ目覚める」とは、「覚醒直後の脳の“ゴールデンタイム”」の数分間と「覚醒後の脳の“フレッシュタイム”」の約 60 分間の質で評価される。

脳のゴールデンタイムでは、脳波がα波モード(α波優勢。他の脳波よりもα波が一番強く出ている状態)になっている。

前日の脳活動によって生じた脳内のゴミ(アミロイドβ)が睡眠時に一掃され、脳はリフレッシュする。

この貴重なスッキリタイムをせかせかと時間に追われ、身支度や通勤/通学をして、多くの人達は折角の脳内環境を台無しにしている。

本ブログに関連記事「人生マネジメント&ビルドの効果を飛躍的に高める睡眠前後の脳のゴールデンタイムとフレッシュタイムの生かし方。」 を投稿している。

このことを踏まえて、さて本題である。

歌には、リズムによって右脳を、言葉によって左脳を刺激する効果がある。

よって、適切なリズムと言葉を与えれば、全脳的に早くスッキリ目覚めることができる。

お薦めの楽曲が「あの鐘を鳴らすのはあなた」(作詞 阿久悠、作曲 森田公一、唄 和田アキ子)である。

リズムと歌詞が目覚めに丁度いい。

リズムは4拍子でテンポは90bpm(beats per minute.1分間あたりの拍数)で始まる。それがすぐに104bpmへと変調する。この変調が目覚めに丁度いい。

スッキリと目覚めるには歌詞も重要である。この楽曲には「アファーメーション」(肯定的自己宣言)の要素が沢山織り込まれている。

このテンポと歌詞が絶妙である。“同質の原理”で無理なくたぐり寄せるようにスッキリと短時間で覚醒させてくれる。

話が脱線するが、“肯定的高揚感”を高める大ヒット曲は他にもある。6年前にリリースされた映画「アナと雪の女王」の主題歌「Let It Go」である。

当時、TBS「あさチャン」から脳波測定のご用命を頂いた際に、その効果を実証している。ピークパフォーマンスを発揮できるファストα波が増強するのだ。

当時、本ブログに「“アナと雪の女王”の主題歌『Let It Go ~ありのままで~』を聴いたときの“肯定的高揚度”を脳波測定で算出。TBS「あさチャン」からのオファーにて。」 を投稿している。

ただし、目覚めのための変調の妙は「あの鐘を鳴らすのはあなた」に軍配が上がる。

閑話休題

人は、(上に紹介したゴールデンタイムの他にも)睡眠中に何度かうっすらと目覚める時間帯がある。タイミング良くこの時に「あの鐘を鳴らすのはあなた」が鳴り始めたら、その時をゴールデンタイムにすることができる。

起床したい時刻に少し余裕を持ってプレーヤーでリピート再生すると良いだろう。そしてもう一つのポイントは、音量は大きくしないということだ。

是非お試しあれ!


そして、脳のゴールデンタイムには、「微笑み法」も併せて実践すると良い。微笑み法とアファーメーションについては、書籍「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に詳しく書いている。

アファーメーションのスクリプトは「私は」を付けるはずなのに、「あの鐘を鳴らすのはあなた」は「あなた」と言っているじゃないか、というツッコミが不毛であることも分かるだろう。

なお、「あの鐘を鳴らすのはあなた」には様々なバーションがあるので、試すなら1972年に発売されたオリジナルが良いということも付け加えておく。


オンエアされたこのラジオ番組はこちらでお聞き頂ける。

感謝。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2019年7月 4日 (木)

能力開発トレーナーとして恥じ入った・・・、SHELLYさんの凄い能力。テレビ朝日の「ハナタカ!優越館」からオファーを頂いて。

「・・・『あかいきつね』と言いながら『みどりのたぬき』とスマホに打ち込むことは難しい。また、その理由をコメントして頂けませんか?」

テレビ朝日「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」スタッフからのメールだった。

難しいもなにも、そんなこと出来ないだろう・・・、と思った。

私はスマホの入力には時間が掛かるが、PCのキーボードならタッチタイピングが出来る。入力中の文節後半で、他に意識を向けながらでも問題なく入力できる。

PCで試してみた。

『あかいきつね』と言いながらキーボードに「みど;■`@!$”・・・」無理だ。

二十数年前に私が指導していた能力開発セミナーで、以下のようなデュアルタスクの課題を余興でやっていたことがある。

課題1.左腕を上下させながら、同じテンポで右腕は三角を描く。

両腕を上げた状態から始めれば、カウント6で再び両腕が上で揃うはずだ。

課題2.左手はパー(全指を伸ばした状態)、右手は親指だけ折った状態から、両手一緒に指を折りながら10まで数える。

カウント10で、最初の状態になるはずだ。

初めての人は出来なくても、少し練習すると誰でも出来るようになる。プチ能力開発の達成感が味わえるのだ。

しかし、今回ご相談頂いた課題は・・・

そういうことは出来ない、という理由を用意して撮影に臨んだ。

撮影クルーを弊社に迎え、撮影の準備が進んでいた時の会話に驚いた。

ディレクター曰く、「SHELLYさんだけ出来たんですよねー。2回やっても・・・」

しぇ、SHELLYさん凄ーい・・・。ビックリした。本当に驚いた。

いつもなら、例えば脳波測定の結果を私が解説するVTRがスタジオで流されて、タレントの皆さんがそれを見るというステップだ。

ところが今回は、既に結果が出ていて、それの事後解説という訳だ。だから、私が解説しているシーンに、それをスタジオで見るワイプのタレントさんはいない。

6月13日に放送された番組の画像をお借りして振り返る。

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「これが一発で出来るということは、脳の中の情報処理をするスペースが広くて、複数の作業を同時並行する能力に優れていると思います」

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「赤いきつね」と言いながら「みどりのたぬき」と入力できるか。ペルセペスさんからのハナタカ投稿だ。

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前振りの後、スタジオの皆さんが挑戦していくがことごとく失敗。

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途中、ボケとツッコミがありながら・・・

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そんな中、SHELLYさんだけが出来た!

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「この場合、喋ることと文字を打つという別のことを、どちらも1つの脳から指示を出そうとしています」

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「脳の作業記憶は、2つ以上の処理を同時におこなうことは苦手なんですが、中には信号をうまく切り替えて、高速で複数の処理を出来る人もいます」

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「SHELLYさんのような複数の言語を処理できるような方は、そういう能力が発達したのではないかと考えられます」

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「何歳になってからでも脳の処理能力は鍛えることが出来るので、ぜひ日常的にやってみて欲しいです」

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脳の働きは何歳になってからでも、(粘土を練り直すように)再構築することが出来る。この性質を“脳の可塑性”という。

それにしても、SHELLYさんの能力には驚いた。

この実験結果を聞いたとき、すぐに「SHELLYさんがバイリンガルだからか」と思い当たった。

もしかすると3カ国語以上話せるマルチリンガルかもしれないので、ディレクターと相談して、「複数の言語を処理できる」という表現にした。

私は昨今の“早期英語学習熱”には首をかしげる一人だが、SHELLYさんの脳内で“能力の波及効果”が生じていることは確かである。すなわち、ある能力が活性化すると、関連する周辺の能力も引っ張られるように顕在化する現象だ。

ある能力が活性化すると、その働きを担う脳の領野が実際に広くなる。広くなった領野で余裕を持って関連能力を発揮できるのだ。

キーワードは、「デュアル(マルチ)タスク」と「ワーキングメモリー」である。

ワーキングメモリーについては、セルシネのYouTubeチャンネルに掲載した動画「情報循環モデルの中の理性的自我の役割を知る」でも触れているので参考まで。

Hanataka2019061311

 

 

SHELLYさんの脳を覗いてみたくなった。

SHELLYさんのことはテレビでお見かけするぐらいしか知らないので、本当はもっと別の理由もあるかもしれない。

それにしても、このお話を頂いたときに「そんなことは出来ないだろう」と性急に思い込んでしまった自分が恥ずかしい。能力開発トレーナー失格である。

改めて能力開発の大きな可能性に気づかせてくれた番組とSHELLYさんに感謝。

セルシネの「テレビ番組協力実績」紹介ページ


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
https://selsyne.com/aim/

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2019年6月29日 (土)

NHKBSプレミアム「偉人たちの健康診断」からのオファーで、新選組・土方歳三も実践した秘伝の呼吸法を脳波測定で検証。

NHKBSプレミアム「偉人たちの健康診断」~新選組・土方歳三“お掃除男子”美肌の秘密~で、私が脳波測定で協力したシーンが放送されたので振り返りたいと思う。

OA画像を、いつものように弊社「テレビ番組協力実績」紹介ページにも掲載させて頂いた。

番組から脳波測定のオファーを頂いた目的は、土方歳三が入門した日野宿本陣 天然理心流道場に伝わる秘伝の呼吸法を検証することだった。

ロケは4月20日(土)に日野市東部会館の大ホールで行われた。

ロケ現場近くに歳三の生家「土方歳三資料館」があることを知り寄ってみたが、残念ながら当日は閉館していた。

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5月30日に放送された内容から、歳三の人となりをピックアップしてみよう。

1835(天保6)年、現在の東京・日野市に生誕。農民の出で、「新選組の鬼の副長」と呼ばれた。享年35歳。

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本郷和人氏(東京大学史料編纂所 教授)曰く、「京都を舞台に一所懸命治安維持に務めた。だけど、時勢が見方をしてくれなかった。幕府が滅んでいくとき、幕府に準じて最後まで戦った、武士の中の武士という感じがするわけですが、実は彼は農民の子なんです」

日野宿本陣天然理心流道場に入門した歳三は、通常7年掛かると言われる天然理心流中極位目録を1年7ヶ月で修得したそうだ。

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番組は、新選組隊士 井上源三郎の子孫である井上雅雄氏が会長を務める天然理心流日野道場を取材し、歳三が美肌であった理由を探った。

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これが柔術を取り入れた天然理心流の極めて特徴的な技で、体幹と下半身の筋肉が鍛えられるのだそうだ。

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歳三は通常の4倍以上のスピードで天然理心流中極位目録を修得したのだから、勝れた筋力を体幹と下半身に有していたであろう、そしてこのことが美肌の理由である可能性だと番組は展開した。

錦織秀氏(ポーラ化成工業 研究員)によると、日本人女性100人を調査した結果、体幹と下半身の筋肉量(80%の筋肉がある)が多い人ほど、顔のシミが少ないという相関関係があったとのこと。

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同氏によると、筋肉で生成されるマイオネクチン(myonectin)というホルモンが、シミの原因であるメラニン色素の生成を抑える働きがあるのだそうだ。(2018年にポーラ化成工業フロンティアリサーチセンターが発表)

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さらに、美肌を保つ天然理心流秘伝の呼吸法が紹介された。今回初めてテレビで紹介されるという指南書「剣法名談録」である。

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その呼吸法(意気込みの術)とは次の通りである。

「両ひざを開き、腰を上げ、ヘソを上に向け、腹にゆっくり空気をためて、肛門を引きしめ、少しずつ息を出し入れする」

前出の井上氏によると、「この呼吸法を取り入れると、無になって、感情を抑えて、実力を出すことができる」のだそうだ。

 

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貝谷久宣氏(京都府立医科大学 客員教授)によると、「呼吸をゆっくりすることによって怒りとか激しい陰性感情が抑えられる」とのこと。

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そして、私が脳波測定した様子が紹介された。

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解析の結果、秘伝の呼吸法前後で一貫してミッドα波(α2)が優勢で、θ波の出現量は前に比べて後が増したことが分かった。

ミッドα波が一貫して優勢であることは「落ち着いた意識集中」状態であると言える。また、θ波が増えたことは、ヨーガの行者や禅僧が空観を得たような心的状態で、いわゆる「覚醒θ波」である。

全周波的に電位は然程高くなかったので、この脳波バランスで電位が増してくると達人級となるだろう。

番組が紹介した脳波グラフがこれだ。綺麗なグラフだ。が、しかし、間髪入れずに私の頭の中で「?」が2つ駆け巡った。弊社「セルシネ・エイム研究所」のクレジットが標記されているのだが・・・

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本稿では別の視点から脳波解析の結果を有りの儘に紹介しておきたいと思う。

秘伝の呼吸法を実施した前後の左脳(Fp1)と右脳(Fp2)の脳波を測定し、β波とθ波をピックアップして平均電位、分布率、優勢率の変化量を示したものである。

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全てにおいて、β波が減り(マイナスになり)、θ波が増えている。分布率と優勢率の変化量は「ポイント」である。

β波は「せかせか感」の指標である。

程なく脳波のコーナーは終わり、番組は呼吸法の更なる効用「感情を抑えることが美肌につながる」との紹介へ進んだ。

番組では「感情を抑える」という表現を使っているが、β波が減りθ波が増えた脳は、感情を抑えていると言うよりも「感情を解き放った末に沈静化した聡明感」と言った方がふさわしい。

番組ナレーションで「感情が荒ぶり怒ることで体内にはコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。このコルチゾールが過剰に分泌されることで、肌の水分を保持するセラミドを分解してしまう可能性があることが分かってきました。ゆっくりと息を吸って深呼吸し、怒りを抑えることが潤いのある美肌を保つために重要なのです」と。

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続いて、日比野佐和子医師(2年前に読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」~アンチエイジング第2弾「脳活」 カラオケで脳は若返る!?~で私が脳波測定した際にスタジオで解説された先生)による美肌解説と効果的軽運動/食事が提案された。

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さらに、歳三ならではの空間把握能力が紹介され、スタジオでタレントさん達が空間把握課題に挑戦した。

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そして、同志近藤勇が新政府側に斬首されたのを機に絶望し、そのグリーフ(死別などによる深い悲しみ。悲嘆。苦悩。嘆きのストレス反応。立ち直るのに数年かかる場合もある)状態から立ち直って再び戦う気力が戻ってきた理由が考察された。

番組スタッフは、歳三がグリーフで引きこもっていた会津東山温泉へ向かった。そして、心の傷をすみやかに癒やした原因は、“流れる温泉”にあるのではないかとした。

効果1.~流れの振動が血流量を上昇させる~
流れる浴槽と流れない浴槽で、血流量がこれだけ違う。

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そのため、血液に含まれる鉄分が十分に脳に行き渡り、鉄分を材料に生み出される神経伝達物質セロトニン(抗うつ・抗不安効果をもたらす)が増える。

セロトニンの効果として、論文「うつ・不安にかかわる脳内神経活動と運動による抗うつ・抗不安効果」北一郎 大塚友実 西島壮(2010年)が紹介された。

効果2.~せせらぎの音がリラックスさせる~
聴覚では聞こえない2万ヘルツ以上の超音波振動にリラックス効果がある。

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超高周波数音の効果として、論文「自然環境の発する音(超高周波数音)が人に与える影響」環境科学研究所(石田光男 齋藤順子 永井正則 山田博之)・工業技術センター(岩間貴司)(2010年)が紹介された。

面白かったのは、超音波が届く距離の測定だった。

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せせらぎ音の発生源から数メートル離れるだけで、リラックス効果がある超高周波成分はガクンと減るそうだ。だから、出来るだけ川の近くにいた方が良い。

これを解説されたのは、日本音響研究所の二代目所長 鈴木創氏だ。

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鈴木氏ともテレビ番組の別々のVTRでたまに共演する。今でも人気なのが、ブログ「CDとレコードを聴いたときの脳波。違いはあるのか? 日テレ『所さんの目がテン!』からのオファーで分かったこと。」で、多くの読者を集めている。

今回も沢山の示唆とご縁を頂いた。感謝。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2019年4月 5日 (金)

能力開発法のエッセンスに通じるハナタカ情報。~暗算しながら正座すると足が痺れない?~

 テレビ朝日の番組「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」からオファーを頂き、ここ浅草橋のスタジオでインタビューに答えたのが2月24日である。

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インタビューのテーマは二つ。いつもなら脳波測定器を道具に脳波研究家として答えるのだが、今回はいずれも脳波に直接は関係の無い内容だった。

3月28日のオンエアで紹介されたのはその内の一テーマだけだったので、今回はそれに絞って振り返りたいと思う。

先ほど、脳波に直接は関係の無いテーマだったと述べたが、実は大いに関係がある。しかし、「説明が難しくなるから」と、脳波の視点からの解説は現場ディレクターに却下されたのだ。番組で割り当てられるコーナーの持ち時間が短いから仕方ない。

嬉しかったのは、全く脳波に触れない解説をテレビ番組から求められたのは恐らく今回が初めてで、活動の場が少し広がった気がすることだ。

能力開発トレーナーを生業にして三十有余年、私にとって脳波測定及びその解析は、クライアントの能力開発を効果的にサポートするための道具である。

能力開発にイメージトレーニングは欠かせない。このイメージトレーニングを効果的に実践するためには、トレーニング者の脳コンディションを客観的なデータで正確に知る必要がある。

そのときの指標はアルファ(α)波である。アルファ波は単なるリラクセーションの指標ではなく、その電位が強くなればトレーニング者は“落ち着いた意識集中”状態に入っていると評価できる。すなわち、聡明な状態だ。この脳コンディションでのイメージトレーニングが効果的なのである。

この目的で長年培ってきた脳波測定及び解析手法が、異分野からも重宝にして頂き、大学や企業の研究機関からも沢山のオファーを受けてきた。それがテレビ番組からのオファーという形にも波及していたわけだ。

いかん、また前置きが長くなってきた。

閑話休題。

今回のハナタカ情報は、マルモさん投稿の「暗算しながら正座すると足が痺れない」だ。

番組が実施した検証は次のようになった。

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この被験者は、ただ正座したときは11分34秒で痺れが限界に達し、暗算しながら正座したときは20分32秒で、8分58秒伸びた。

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他の被験者も、4分20秒、16分0秒とそれぞれ伸びた。

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今回は脳波測定をしていないので、私はこの検証現場に同席していないことをお断りしておく。

さて、この検証結果に対する私の解説は以下の通りである。

「足の痺れというのは、実は脳で感じるんです。」

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「脳というのは同時に複数のことに注意を向けるというのは非常に苦手なんですね。」

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「ですから、暗算にしっかりと集中していると、足の痺れを感じなくなるんです。」

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当然といえば当然だが、このハナタカ情報とその検証は好評だった。

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伊集院光さんが、このハナタカ情報に面白い例を付け加えた。

「長い落語をやってても全く痺れないのに・・・」

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「頭下げて立とうと思ったら立てないっていうケースが、落語凄いよくあるんです。結構名人の人でも、予想外に長くなっちゃったときとかに、緞帳下げないと降りられなくなっちゃうってことが・・・」

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私も昔は割と長く正座していられた。小学生の頃に通っていた書道とそろばんの塾で正座していた経験による馴れだ。

ところが今は、正座しようとすると尻と踵がすぐにはくっつかない。じわーっと尻を沈めていく感じだ。とても長時間の正座は無理だ

生活様式の変化に合わせて人の身体も馴化するのだ。

ベテラン級の落語家であっても、馴化範囲を超える時間正座していると足は痺れる。しかし、噺に集中しているから痺れを感じない。ところが実際には痺れているから立てないわけである。

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先ほども言ったように、当然といえば当然の理屈なのだが、ここに能力開発のエッセンス(本質的で不可欠な要素)がある。

私が解説したコメントを改めて以下に記そう。

1.「足の痺れというのは、実は脳で感じるんです。」

2.「脳というのは同時に複数のことに注意を向けるというのは非常に苦手なんですね。」

3.「ですから、暗算にしっかりと集中していると、足の痺れを感じなくなるんです。」


コメントのキーワードは次の通りだ。

「脳で感じる」

「複数同時に注意を向けるのは苦手」

「あることに集中すると、他のことは無くなる」


ここで、主語を正確に言い直さなければならないだろう。

複数同時に注意を向けるのが苦手なのは、意識(顕在意識)である。

感覚器官で感受した情報は脳に送られて、無意識(潜在意識)が全て処理している。

すなわち、無意識は膨大な情報を刻々と処理しつつ、一筋の情報だけを意識レベルに上げているということだ。

以上が番組内容の振り返りだ。

ここからは、番組のテーマを超えた能力開発講座である。

アスリートでもビジネスパーソンでも芸術家でも誰でも、ここぞというときにビビってしまって能力を十分に発揮できないことがある。

心臓の鼓動は増し、呼吸は早くなり、身体は硬く縮こまり、意識は激しく動揺している。・・・辛い状況だ。

こんなときに思い出して欲しい。意識は一つのことにしか集中できないということを。

ヨーガの行者や高僧は、任意の一点に意識を繋ぎ留めることの達人だ。

成功する人は、“今此処”に集中して取り組むから成功率が高い。

失敗する人は、気掛かりなことに意識が振り回されてしまう。「こうなりたくない」「ああなりたくない」と、失敗場面をイメージする。

失敗する人は、なりたくないイメージをせっせと描きながら、それに抗うように頑張るから失敗する。まるで柔道の返し技を食らって背中から畳に叩き付けられるように。これを“努力逆転の法則”という。

人の努力は、イメージしたことの実現に働くのだ。

意識をある一点に集中したとき、五感は研ぎ澄まされてピークパフォーマンスを発揮する。そして、集中対象以外の情報は意識に上がってこない。

このように、意識がいわゆるゾーンに入ってピークパフォーマンスとなったとき、前頭前野の脳波はファストα波と極々遅いスローβ波までの帯域が強く出ている。

例えば、睡眠時に騒音が鳴ってもスヤスヤと眠っているときがある。

睡眠時はアルファ波よりもゆっくりの徐波、すなわちシータ波やデルタ波が優勢である。

睡眠時に騒音が鳴って目覚める場合は、徐波ブロッキング(徐波が沈静化すること)が起こっている。

逆に、騒音が鳴ってもスヤスヤと眠り続けている場合は、徐波と共に強いファストα波が平行して出る。すなわち、(脳の)ノイズキャンセリング機能の働きがファストα波の増強として観察できるのだ。

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このことについては、本ブログの「ゾーンに入る鍵を握る脳波、ファストα波とは。そして、ある状態との共通点。幸運人生を生きるために改めて見直すべき潜在意識のPMF(パーソナル・マインド・フィルター)。」で既述しているので参考まで。

5年ほど前に流行った「アナと雪の女王」。その挿入歌「Let It Go~ありのままで~」を没入して歌う女子達が当時マスコミでも度々紹介されたが、テレビ番組からのオファーで、そんな女子の脳波を測ったことがある。

没入して(成りきって)歌うその女性は、見事にファストα波が増強していた。この状態を私は“肯定的高揚感”と名づけた。当時のブログ「“アナと雪の女王”の主題歌「Let It Go~ありのままで~」を聴いたときの“肯定的高揚度”を脳波測定で算出。TBS「あさチャン」からのオファーにて。」で詳しく紹介している。


改めて能力開発のエッセンスをまとめると次のようになる。

意識は、複数のことを同時に抱くことが苦手である。一筋の情報に集中したら、その他の情報は上がってこない。

イメージの下(もと)で取り組んだことが実現する。

ここぞというときにビビったら、その心身のビビリを抑え込もうとし続けない方がいい。努力逆転の法則が働いて益々ビビってしまうからだ。

ビビリの敷居に載り、その上で目的達成に向けて集中するぐらいの方が高いパフォーマンスを発揮できる。せっかくのビビリ・エネルギーは、目的達成のために有効利用するべきだ。そうしていると間もなく落ち着いた集中状態となり、ゾーンに入ることができる。

心身の強すぎる雑緊は、パフォーマンス直前の「軽いストレッチ」と「呼吸法」で解消しておけば良い。これも必要以上にやると、力が抜けすぎて本番でのパフォーマンスが高まらないから注意が必要だ。何事も“過ぎたるは及ばざるがごとし”である。

また、自信がまだ弱いために、ネガティブな方向の意識をどうしてもポジティブへ転換できない場合は、他の注目現象を作って強制的にネガティブから意識を逸らす方法もある。

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例えば、スクワットの途中のような中腰を暫く維持していると、すぐに圧倒的な疲れが太腿に生じる。そうすると、意識はその圧倒的な筋肉疲れに向いて、当初のネガティブから脱することができる。

笑いを堪えるために唇を噛んだ経験があなたもあるかもしれない。これも同じ効果だ。意識は最も強い一つの筋情報しか抱けないのだから。

このように生理現象を使ってネガティブから脱し、次にポジティブへと意識を向けるというステップはグリップ力のある意識転換法である。

今回のハナタカ情報をあなたの能力開発に生かして頂ければ、番組に関わった一人として嬉しい限りである。

なお、拙著「宣言 アファーメーション・バイブル ~言霊の生かし方~」に、更に詳しい自己統御法を紹介している。

オンエアの画像を、弊社ウェブサイト「脳波測定/脳コン解析・・・テレビ番組協力実績」の事例59コーナーに掲載させて頂いた。

感謝。


セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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2019年1月13日 (日)

ソニーPlayStationVR対応ゲームソフト「テトリス・エフェクト」をプレーする片桐仁氏の没入感を脳波測定で実証したウェブCM。

昨年11月、ソニー「PlayStationVR」に対応したゲームソフト「テトリス・エフェクト」の発売に合わせて、そのウェブCMが公開された。

ソニー製品のCMを博報堂が手掛けた際に脳波測定をご用命頂くのは二度目である。

今回の件で初めてご相談頂いたのは昨年9月で、「PlayStationVR」で体験するVR(仮想現実/人工現実感。コンピューターで作る人工的な環境で、あたかもそこに自身がいるかのように感じさせる技術)効果を脳波で検証したいとのことだった。

2000年にハーバード大学医学校からレポートが発表され、ゲームソフト「テトリス」を体験したプレイヤー達が感じるその不思議な体験を「テトリス・エフェクト」と呼ぶのだそうだ。

その効果を謳った動画「『TETRIS EFFECT』 アナウンストレーラー | PS4」を案内された。

人間の体験や記憶というのは、時として不思議な感覚をもたらす。ここでいう不思議とは、日常の感覚とは一線を画す希な体験という意味だ。

24年ほど前、音響効果で私も似たような記憶想起体験をしたことがある。動画「BFS-バイノーラル7.5」の下に掲載した「説明」のとおりだ。

「PlayStationVR」対応「テトリス・エフェクト」は、一流のクリエーターが最先端の音響/CG(コンピューターグラフィックス)技術を駆使して制作したものであるから、その圧倒的な不思議体験は想像に難くない。

今回発売の「テトリス・エフェクト」は、次のような特長があるとのこと。

1.トリップ感のある映像効果
2.ゲームの展開によって変化するBGM
3.プレーヤーの操作に連動するサウンドエフェクト
4.時間とブロックの落下を止められる新システム「ZONE」

ネット上に先行告知されていた動画や資料を拝見すると、上の特長から、プレイヤーに次のような体感を生じさせることがあるようだった。

1.心地良い
2.リラックス
3.意識によるノイズキャンセリング
4.高揚感、ハイパフォーマンス
5.聡明で落ち着いた意識集中
6.トリップ(幻覚)やゾーン(好集中)などの変性意識状態
7.没入感
8.エクスタシー
9.羞恥心や焦燥感の消失
10.癒し

10月4日に赤坂の博報堂を訪ねて、CM制作チームの皆さんに脳波解説をレクチャーした後、上のような体感がプレイヤーに生じた場合のそれぞれの脳波パターンを紹介した。その脳波パターンが観察できれば、脳波の見地からも上のような体感を実証できるというわけだ。

そして、17日には博報堂のチームと共に品川のソニー・インタラクティブエンタテインメントを訪問し、実際に「PlayStationVR」対応「テトリス・エフェクト」を体験するチームメンバーの脳波を測定した。

私も「テトリス・エフェクト」をプレーさせて頂いたが、「PlayStation」はおろか、任天堂の「ファミコン」さえ遊んだことがない私には操作勘が掴めなかった。

高校生(38年前)の頃は教室で任天堂の「ゲーム&ウォッチ」に興じたし、専門学校生の頃は富士通のPC「FM-77」対応の「ウットイ」に熱中したものだ。あまりにも熱中したためか、その直後に発売されて大ヒットした任天堂「スーパーマリオブラザーズ」は、友達がやっているのを見ていても自分でプレーしたいとは思わなかった。

閑話休題

結局、「テトリス・エフェクト」の操作は他のメンバーに任せて、私はVRヘッドセットを装着したままその映像と音響を受け身で体感するに止まった。

この体験は、33年前のつくば科学万博パナソニック・パビリオンでの3D体験を彷彿とさせた。その時の映像は、シャボン玉があたかも目の前に迫ってくるものや、グライダーで飛んでいる視点の映像などで、私の心に強いインパクトを残していた。

当時は、片方に赤、もう片方に緑のフィルムが張られたメガネを掛けて、映画館のようなスクリーンに映される実写映像を見るものだった。

またまた、閑話休題

結局この日の脳波測定では良い結果が得られなかった。「テトリス・エフェクト」のVR効果が肯定できなかったというよりも、そもそも脳波測定自体に心許なさがあったのだ。

今回のCM制作は、脳波測定もガチンコ(真剣勝負)である。カメラが回っている中で被験者のタレントさんが「テトリス・エフェクト」をプレーし、脳波測定も一発勝負だ!

23日の撮影まで中5日、考えられる様々なアクシデントにも即座に対応できるように準備した。何しろ、VRヘッドセットという電気製品を頭に装着した状態での脳波測定だからノイズの影響が懸念される。

また、一般視聴者に分かり易い表示の脳波測定器と、細かな変化も見落とさないための脳波測定器の2機種を同時に利用するための二股センサーコードも用意した。

準備万端整えて撮影当日を迎えた。被験者は、個性派俳優の片桐仁氏である。

以下のグラフは、背面グレーのグラフが片桐仁氏のこの日の基本脳波だ。そして、手前のカラーの棒グラフが「テトリス・エフェクト」プレー後の脳波である。

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セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2018年5月 3日 (木)

コーヒーに含まれるカフェインとポリフェノールの効果を上手に利用する方法。それは、いつ飲むか!? 毎日放送「林先生が驚く初耳学!」からのオファーで若狭勝氏の入眠脳波を測定して感じたこと。

「コーヒーを飲むと快眠が得られる!」と聞いて、あなたはどのように思うだろうか?

私が初めてこの説を聞いたのは2013年の5月だから、丁度5年前だ。

テレビの情報番組からオファーを頂き、カフェインの結晶なるものを舐めた被験者の入眠脳波を測定した。

ディレクターから「舐めてみますか?」と薦められて、私も極々少量(直径2,3ミリ程の粒)を舐めてみた。量が過ぎると危険なのだそうだ。専門家もロケ会場に呼ばれていた。

味はしないし、何の変化も無いだろうと私は高を括っていた。ところが程なくして、胸のあたりの違和感に気づいた。緊張したときに感じる胸の“スースー感”と言ったらいいだろうか?

量を間違えると確かに大変なことになりそうだと感じた。

実験の方は残念ながら入眠効果を脳波測定で見いだすことができず、このロケは没となった。

今回、毎日放送「林先生が驚く初耳学!」からオファーを頂いた入眠脳波測定は、普段あまりコーヒーを飲む習慣の無い若狭勝氏が、昼間に3杯程度飲むのを一週間続けた後に実施された。

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脳波センサーは、安らかな入眠を妨げない弊社特製の「エンフレック」 を用いた。

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脳波センサーの装着を終えると、廊下を挟んで向かい側の部屋に移り、脳波解析モニターと若狭氏を映すモニターを注視した。

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専門家によると、コーヒーに含まれる成分はカフェインよりもポリフェノールの方が多く、このポリフェノールに寝付きを良くする効果が期待できるのだそうだ。

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成分比率の他に、効果が現れる時間にも差があるのかもしれない。

今回の実験の味噌は、コーヒーを昼間に飲んだということだ。

昼間の活動がエネルギッシュとなり、それが入眠を誘った・・・。

若狭氏によると、「30分ぐらい眠りにつけなかったのが、最近は眠りやすくなったように感じる」とのことだった。

いつ飲むか? 今でしょ!

とはいうものの、寝る直前ではなさそうだ。正解を求めるために、もう少し詳しい実験をしたいところだ。

今回のロケとオンエアも、楽しい体験をさせて頂いた。感謝。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2018年2月16日 (金)

睡眠負債を改善する食べ物。TBSの番組「ジョブチューン」からのオファーで脳波測定した結果。

今月10日にTBSの番組「ジョブチューン」で私が脳波測定協力した内容が放送されたので振り返る。

テーマは、「睡眠負債を軽減する食べ物とは?」だった。

「睡眠改善に効く食材」で思い出すのは、一昨年の12月に放送されたテレビ朝日の「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」からのオファーで入眠脳波を測定した件が思い出される。

玉ネギの入眠効果には、脳波測定した私自身も驚いた。だから、個人セッションや講演で「なかなか寝付けない」という人がいたら、玉ネギ効果をよく紹介する。ただ、部屋が玉ネギ臭くなることの妥協は必要だ。

もっと古いところでは、7年前のテレビ朝日「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」からのオファーで、寝つきの良くなる一番の飲み物は何かを、ホットミルクやココア、ジャスミンティーなど6種類から検証した。

被験者は、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔氏と玉森裕太氏の二人だった。被験者が被験者なだけに大きな反響があった。このときの模様は、「そびえ立つ成功の下にある“盤石”を見た思い。テレビ番組でキスマイの脳波を測定して・・・。」「12月にオンエアされた3本のテレビ番組を振り返る。」で紹介した。

さて、今回はどうだったか?

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実験ロケは、1月15日から21日までの一週間に渡って実施された。

毎夕TBSテレビに出向き、オールスター感謝祭でお馴染みの「心臓破りの坂」からロケバスに乗って被験者宅を訪問し、毎朝ここに戻ってきた。

被験者宅は東京近郊だが、あるときはアクアラインで東京湾をくぐり、またあるときは東名高速道路を走ったりする距離感だった。

睡眠負債を軽減するという食べ物を食さずに寝た日と、食してから寝た日の睡眠脳波を測定し、その測定データから「入眠に要する時間」と「眠りの深さ」を割り出した。

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脳波測定による入眠判定の方法は、本ブログ「HTB(北海道テレビ放送)の新番組『夜のお楽しみ寝落ちちゃん』で開催された『全日本寝落ち選手権 男子個人』in札幌ドームで、タレントさん達の脳波を測定し睡眠判定。」で紹介している。


このときの生放送動画「10.2OA『全日本寝落ち選手権完全版』」をHTBがYouTubeにアップされている。入眠判定について私が解説したシーンは、5分29秒からだ。


睡眠の質を判定するもう一つの指標「眠りの深さ」は、ある一定時間におけるδ波積算電位を算出して判定した。


判定結果はこの通りだ。

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全員の入眠に要した時間が短くなり、かつ深くなった。


右画面の脳波分布グラフは、δ波からθ波の帯域の、ある時間を番組がピックアップされたものだ。グラフ左の2列がδ波で、青→黄→赤になるほど電位が高い、すなわち深い睡眠であることを示す。


今回用いた脳波解析PCソフト「パルラックスF」の仕様上、グラフのδ波は3.0Hzと3.5Hzの2列だが、テキストで保存されている測定データから2.5Hzの電位を取得することが可能なので、計3本のδ波帯域の電位を積算し合計した。


熟睡を判定するからには2.5Hzよりも低い周波数のδ波を見たいのだが、「パルラックスF」では残念ながら不可能なのである。


睡眠負債をこんなに改善する効果がある食べ物は何だったのか・・・。答えは、「キムチ」である。

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キムチの快眠効果 其の①
植物性乳酸菌によりGABA(γーアミノ酪酸)が生産される。GABAは、脳の興奮を静め、気持ちをリラックスさせ、血圧を下げ、ストレス時の免疫力低下を抑える働きもある。


キムチの快眠効果 其の②
辛味成分であるカプサイシンによる体温上昇。その後体温が下がるにつれて入眠する。お風呂で温まってから就寝すると入眠しやすくなるのと同じ理屈である。


其の①の効果を得たいならば、キャベツや白菜などの漬物でも良い。


この30年、身体あるいは精神に効くとされる色んなものを脳波測定の立場で検証してきた。それで言えることは、どんなに良いものでも「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのである。適切に間をおいた摂取や使用がいい。


6年前にGABAの研究者から脳波測定の依頼を頂いた際にも、この「間をおいた摂取がいい」は意見が一致している。


今回の一週間に渡る終夜睡眠脳波の実験では、もっと別の貴重なデータがあった。番組及び被験者から了解を頂いていないので本稿に紹介することは控えるが、人間の素晴らしい生理機能をハッキリと脳波で観察することができた。


ヒントは、騒音遮断機能である。


いつもいうことだが、テレビ番組からのオファーで脳波測定をする場合、普段の研究では得にくい宝が沢山キラキラと落ちている。・・・感謝。



セルシネの「脳波測定/脳コン解析サービス」

セルシネの「脳波測定器レンタルサービス」

セルシネの「脳波測定テレビ番組協力実績」



セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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2017年12月30日 (土)

HTB(北海道テレビ放送)の番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」~第2回 全日本寝落ち選手権~で、脳波測定による入眠判定。

今月18日(月)24時15分から、HTB(北海道テレビ放送)の番組「夜のお楽しみ寝落ちちゃん」による「第2回 全日本寝落ち選手権」が生放送で開催された。

10月に札幌ドームで開催された第1回同様に、脳波測定による寝落ち(入眠)判定役を仰せつかった。今回の会場は、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ附属体育館だ。

今回もHTBから番組の録画を提供頂いたので、さっそく振り返ってみたい。画像のピックアップは、既に弊社ウェブサイト「テレビ番組協力実績紹介」ページに掲載している。

今回も寝落ちできた選手はいなかったのだが、White Explosionの山田恭平選手があと一歩のまどろみ状態となり目を見張った。すなわち、α波の断続である。競技がスタートして約10分が経ったときだ。

寝落ち判定のポイントは、前回の生放送で解説した。HTBがOA動画をYouTubeに「10.2OA『全日本寝落ち選手権完全版』」(該当の5分29秒から再生されます)のタイトルでアップしてくれている。

山田選手がまどろみ状態に入ったことをディレクターに伝えた。すぐに、中継車で指揮を執っているプロデューサーに伝えられた(たぶん)。回り回ってMCの谷口直樹アナウンサーから「脳波どうですかー?」と振られた。

このように、α波優勢が途切れはじめた。あわせて、β波がほぼ真っ黒に沈静化すること、θ波からδ波が優勢になること等が表れると寝落ちである。

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OA画像では色スケールが分かり難いので、実際の測定グラフを紹介しよう。

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この脳波分布グラフの縦軸(経過時間)は3分しか無いので、α波優勢の持続が劇的に途切れはじめたとは伝わりにくいだろう。

そこで、経過時間を遡って、画面を切り貼りして作ったのがこの分布グラフである。

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長く続いていたα波優勢が断続的となり、20Hz付近のβ波も沈静化したのが分かる。明らかに寝落ち寸前である。が、この後すぐに妨害が発動され、惜しくも寝落ちには至らなかった。

それにしても山田選手のα波には惚れぼれする。素晴らしく“落ち着いた精神集中”、すなわち聡明な脳コンディションである。

競技の途中で、THE BOYS&GIRLSのドラマーのカネコトモヤス選手の脳波が止まった。測定データを保存して改めて測定を開始すると問題なく作動した。

何が原因だろう? 爆音が脳波解析システムに電気的ショックを与えたのか? 配線上の問題で電磁波が悪さをしたのか? 当初は????だったのだが、後で冷静になって考えると疑わしいシーンが思い当たっていた。

生放送が録画されたBlu-ray映像と脳波測定データを同期して再生すると、そのシーンがバッチリ映っていた。アヒルが脳波測定器の「停止ボタン」を踏んだのだ。“寝落ち妨害”ならぬ“測定妨害”だ。リハーサルでこのリスクになぜ思い至らなかったのか・・・、反省した。

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番組が始まって31分25秒だから、競技が始まって21分過ぎである。

今回はもう一つの問題も起こった。脳波センサー外れである。カチューシャタイプなので、選手が横向きになると電極が額から浮いてしまうことがあるのだ。

これを防ぐには、万能脳波センサー「エンフレック」を用いるのが有用である。ただし、装着に一人5分ほど掛かるので、第1回のように本番中の選手入場後に装着するのは時間的に無理である。しかし今回は、本番前にセンサーを装着したので、「エンフレック」でも良かったかもしれない。

札幌ドームで開催された第1回に比べると、少々やり残し感があった。しかし、今回のOA動画を繰り返し見ていると、第1回に負けず劣らず楽しいじゃないかと思い始めた。

生放送中に私が最も静かに興奮したのは、上に紹介した山田選手が寝落ち寸前になったときだ。その次は、コロネケンが寝落ち妨害としてコントを披露したときの山本貴之(すずらん)選手の劇的変化である。山本選手は札幌よしもとでコロネケンの先輩にあたるそうだ。

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コロネケンが登場してすぐに、山本選手の脳波はβ波が優勢となった。もう寝るどころの話しでは無い。苛々そわそわと思考がグルグル回転している。可愛いが故の気掛かりなのかもしれない。

この劇的変化を、前にいるディレクターに伝えようとした。しかしディレクターはカンペを書いているのか気づかない。大きな声を出してコントの邪魔をしてはいけないと思い、かすれた声とジェスチャーでアピールした。

それに谷口アナと江田由紀浩さん(イレブンナイン)が気づいてくれ、「凄い、凄い・・・」とざわついた。

ほどなくディレクターにも伝えることができ、コロネケンのコントが終わった後に解説した。このように、山本選手だけが強いβ波優勢になっている。山本選手の眉間にしわが寄っていたので多分に筋電ノイズも含まれているが、明らかにβモードだ。

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以上の寝落ち妨害の他、第1回同様に素晴らしいヘビメタを演奏したMETAL SCREAM、今回華やかさを加えてくれたセクシーダンス集団Party Dollsなど見所満載だ。(あれっ、番組広報担当みたいになってる?)

もしかすると、第1回同様に番組HPで観られるようになるかもしれない。

今回も楽しかった、ありがとう。

今、12月30日も終わろうとしている。今年も残すところ1日となった。素敵な行く年来る年をお過ごしください。

セルシネ・エイム研究所 和田知浩

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