10月28日(土)の14時から放送されたTBS新番組の特番「嗚呼、楽に生きたい。」で私が睡眠脳波測定をしたシーンが紹介されたので振り返る。
土曜の昼下がりという、パイロット的な番組が放送される関東ローカルの時間枠だ。

番組の副題はちょっと調べただけでも色々出てきた。
1.ズボラな人でもマネできる!楽に人生を豊かにする(秘)テク
2.ズボラな人向けHow To バラエティ
3.ズボラな人でもラクに出来る(秘)テク!
4.ズボラ人間待望の新番組!その道のプロが実践する人生をラク~に生きるためのテクニック【楽テク】を徹底検証!
要は、「ズボラな人でも試してみようと思えるテクニック」なのかで、今回は6つの楽テクが紹介され【神楽テク】認定を目指した。
楽テク1.お腹のお肉をつまんで○○するだけ!魔法の4文字を言うだけ!ズボラ芸能人も驚きの超楽チンお腹やせ!
楽テク2.3週間でウエストマイナス○センチ!脅威の結果が!
楽テク3.アレを入れるだけ!ズボラも納得!から揚げ日本一の味を再現!?
楽テク4.夫婦喧嘩中のMAX REINAに奇跡が!夫婦円満の楽テク!
楽テク5.スマホ1つで超熟睡!ズボラ快眠術とは!?
楽テク6.知らなきゃ損!すぐに実践できるズボラ錬金術!2週間で○千円分のお小遣い!?
番組MCは南海キャンディーズの山里亮太さん。
楽テクを判定するズボラ芸能人は飯尾和樹さん、おいでやす小田さん、磯山さやかさん、朝日奈央さんの4名。観覧者16人も加え計20人が全員「やってみたい」札を挙げたら神楽テク認定という厳しい条件だ。
5つ目に紹介された「スマホ1つで超熟睡!ズボラ快眠術とは!?」が、今回私が脳波測定で協力した楽テクだ。
提唱されているのは杏林大学名誉教授の古賀良彦先生(精神科医)である。

5年半前にもTBSの番組「ジョブチューン」で、同氏が解説するGABAの快眠効果を脳波測定で検証したことがあり、本ブログで「睡眠負債を改善する食べ物。TBSの番組『ジョブチューン』からのオファーで脳波測定した結果。」のタイトルで紹介した。
それでは、今回のズボラ人間でも出来る楽テク「スマホ1つで超熟睡!ズボラ快眠術とは!?」の結果を紹介しよう。
ロケは、10月9日から11日に掛けてTBS近くのホテルで行われた。

ここで、番組プロデューサーの睡眠脳波を2夜連続で測定し、「真っ暗な部屋」で寝た場合と「間接照明の部屋」で寝た場合の睡眠状態を比較した。
ズボラ芸能人の皆さんが快眠法感を述べた後、古賀先生による間接照明の快眠効果についてプレゼンがなされた。

私は、プロデューサーに脳波センサーを装着した後、隣の部屋で睡眠の様子を見守った。

脳波解析アプリ「AnalyzerPlus」の見方は「睡眠脳波ラボ」にて紹介している。
結果はこの通り。ヒートマップを見るとノンレム睡眠(徐波睡眠)の差が一目瞭然。

初回ノンレム睡眠の継続時間はこの通りである。

この検証シーンに与えられた時間は僅か1分とのことだったが、私はいつものように刻々と変化する脳波を解説し続けた。後で編集される際に役立ててもらうためだ。
ロケの後日、脳波解析結果をレポートにまとめて提出した。その一部を少し改変して紹介する。
今回の検証では、初回のノンレム睡眠に着目し、その「始まり時刻」「継続時間」「δ波の平均電位」の3つを指標に睡眠の質を評価した。
初回のノンレム睡眠を評価することで終夜睡眠全体の質を概ね推定することができる。
「始まり時刻」(入眠ポイント[時間]までに要した時間)を入眠潜時と呼び、α波が途切れたポイントを指す。ただし、今回はα波の増減が判別しずらかったため、δ波が増強しはじめたポイントを「始まり時刻」とした。
もっとも、入眠を判定するのは「α波の途切れ」よりも「δ波が増強しはじめる」ポイントとするのが本来正しい。ただ、α波の途切れポイントの方が判別しやすいので普段はα波を指標としている。
標準的な入眠潜時は5分~20分程で、30分を超えると軽い入眠困難、3分以内の入眠は逆にお疲れ(睡眠不足)状態とも言える。
ノンレム睡眠の「継続時間」は概ね50分~80分程度。
深い睡眠と言えるのは「δ波の平均電位」が70μV以上であることが判定基準となる。Analyzer Plusは1.0Hz、1.5Hz、2.0Hz、2.5Hz、3.0Hz、3.5Hzのδ波帯域6本の電位を出力するので、この合算をδ波の電位とする。
これが、δ波の電位推移である。δ波が増強しはじめてそれが持続し、そしてノンレム睡眠(徐波睡眠)の終わりと共に途切れる。

この結果をExcelでグラフにした。

入眠潜時は1日目が47分56秒、2日目が17分34秒。
ノンレム時間は1日目が32分24秒、2日目が57分56秒。
δ波平均電位は1日目が71.4μV、2日目が94.8μV。
なお、1日目が「真っ暗な部屋」で寝て、2日目が「間接照明の部屋」で寝たものだ。
3つの指標全てにおいて「間接照明の部屋」で寝た方が睡眠の質として好評価となった。
基本的には、入眠潜時は短い方が良い、ノンレム時間は逆に長い方が良い、δ波平均電位は高い方が良いのだが、一瞬で視聴者に伝えるにはゴチャゴチャして分かり難いという理由で、先に紹介したヒートバップとδ波平均電位に絞られた。
本ブログの読者諸氏には3つの指標を提供したので、じっくりご覧いただき理解して欲しい。
完璧なプロトコル(実験手順)に沿ったものではなく被験者も一人だから、これを以て確定的なことはもちろん言えないが、とても興味深い結果となった。
放送ではとても嬉しいサプライズもあった。
なんと全員が「やってみたい」の札を挙げ、番組初の“神楽テク”認定となった。

私は検証した立場だから喜ぶのは的違いだが、コーナーに関わった者として嬉しいのは当然なのである。

期間限定ながら現在Tverの該当ページで視聴できる。
感謝!
セルシネ・エイム研究所 和田知浩
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